国会活動

日本に滞在する外国人に向けての公共放送(NHK)のあり方

〇第196回国会 衆議院 総務委員会 2018年6月12日(火)

○井上(一)委員

 希望の党の井上一徳です。

 本日は、主に、日本に滞在する外国人の方々に向けての公共放送のあり方について質問させていただきたいと思います。冒頭、まず、2020年の大河ドラマに明智光秀を主人公とする「麒麟がくる」が決定されまして、地元でも大変喜んでおります。地元関係者、京都北部、中部では、大変盛り上がっております。観光や、これを生かして活性化していきたい、多くの人を呼びたいということで盛り上がっておりますので、地域振興の観点から、NHKとしても様々な御配慮、御支援、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、本題の、日本に滞在する外国人に向けての公共放送のあり方について、NHKに質問させていただきたいと思います。

 平成29年の在留外国人数、256万人となっております。5年前の平成24年には、203万人でしたので、53万人の増加ということであります。そのうち外国人の労働者の人数は、平成29年で128万人、5年前の平成24年は68万人でしたので、ほぼ2倍の大幅な増加になっているということであります。それから、外国人技能実習生については、平成29年で27万人、平成24年が15万人ですので、同じように大幅な増加となっております。

 私自身は、日本の相撲界のように、日本社会にとって、もはや外国人はなくてはならない存在になってきていると思いますし、更に重要になってくるのではないかと思っています。

 そういう意味で、多くの外国人に日本を訪れてもらうというだけではなく、実際に日本に住んで働いてもらうということが、この急激な人口減少を迎える日本にとって重要な課題だと思っております。

 そのためには、外国人の方々にも暮らしやすく、そして働きやすい社会環境を整備していく必要があり、公共放送もそうした視点での取組を強化していくべきなのではないかと思っております。

 それで、報道によりますと、これから少子高齢化で人手不足が深刻化する中、外国人が就労可能な新たな在留資格を創設して、受入れを拡大することが政府の経済財政運営の基本方針の原案に盛り込まれ、一定の技術水準と日本語能力を身につけた人を対象に5年間の在留を認めるという内容の記事がありました。

 私も6月4日に品川にございます外国人技能実習機構に研修に伺いました。技能実習の適正な実施、それから技能実習生の保護を目的とした機構で、ベトナム語、中国語、インドネシア語など、8カ国の母国語で懇切丁寧に外国人技能実習生に対する相談対応にも当たっておられるということで、職員が熱意を持って仕事に取り組んでいる姿を拝見をさせていただきました。

 そこで、まず外国人技能実習生の拡充、それから、先ほどの記事にあった新たな在留資格制度の創設など、外国人労働者の受入れを今後どのように拡充していく考えなのか、法務省に伺いたいと思います。

○佐々木政府参考人

 まず、技能実習制度でございますけれども、開発途上国等への技能移転を通じた国際貢献という意義を有する制度でありまして、外国人労働者の受入れは技能実習制度とは別に議論されるべきものであると考えています。

 その上で、技能実習制度につきましては、昨年11月に施行された新たな技能実習制度によりさらなる適正化を図っておりまして、そのことを前提として、優良な監理団体等への実習期間の延長、受入れ人数枠の拡大などの拡充策をとっているところでございます。

 他方、委員御指摘の今回の新たな外国人材の受入れにつきましては、本年2月に開催された経済財政諮問会議におきまして、総理大臣から、深刻な人手不足が生じており、専門的、技術的分野における外国人受入れの制度のあり方について制度改正の具体的な検討を早急に開始するよう、官房長官と法務大臣に対して指示がありました。

 この御指示を受けて政府内にタスクフォースを設置して検討を行い、今月5日の経済財政諮問会議において示された骨太の方針2018の原案に新たな外国人材の受入れについてその基本的な方向性が盛り込まれております。

 現時点では、いまだ原案でございますけれども、深刻な人手不足の状況に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充し、真に必要な分野に着目して、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材について、就労を目的とした新たな在留資格を創設して受け入れるということを検討しているものでございます。

 法務省といたしましては引き続き関係省庁と連携し、しっかりと検討を進めてまいります。

○井上(一)委員

 いずれにしても、今後更にふえていくということが想定される外国人の方々が住みやすい社会環境を整備していくということが大事だと思っております。
 NHKに幾つか質問させていただきます。

 まず、日本は災害大国とも言われております。地震などの災害が発生した際には、外国人観光客を含む外国人の方々に迅速で正確な情報を伝達することが何よりも重要だと思っています。

 日本国内にいる外国人の方々へは、わかりやすい日本語とともに、特に緊急を要する情報については母国語でも情報を伝達することが重要ではないかと考えておりまして、実際、在住外国人に災害情報はどう伝わったかについて、中越地震被災外国人アンケートの調査結果を見ますと、52%の人が母国語によるニュースを、それから、19%の人がもっと簡単な日本語の震災ニュースを希望しているとのことでした。

 NHKとして外国人への緊急情報の提供は現在どのようにして行っているのか、それから今後どのような取組を考えているのか、伺いたいと思います。

○上田参考人

 お答えいたします。

 総合テレビでは主なニュース番組で2カ国語放送、日本語と英語ですが、を実施いたしております。具体的には「ニュース7」「ニュースウオッチ9」のほか、「ニュース シブ5時」のうち午後6時から10分間で実施いたしております。

 また、津波災害時には4カ国語放送を実施いたしております。具体的には大津波警報、津波警報が発表された場合、副音声で英語、中国語、韓国語、韓国語は朝鮮語ですね、それからポルトガル語の4カ国語の放送を実施いたしております。この際にはテレビ画面に英語の字幕を付しておりまして、副音声やラジオ第2への誘導も行っております。

 大規模災害時には、平仮名なら理解できるという外国人の方や小さな子供のために、放送画面に平仮名で、「つなみ」「にげて」などのスーパーを付しております。このスーパーは、一定間隔で自動的に避難を促す英語表記もできるようになっております。また、英語による外国人向けテレビ国際放送NHKワールドJAPANでは、強い地震や津波警報などについて、総合テレビで放送に使っている呼びかけ文を参考に、英語で放送をいたしております。その際、外国人にはなじみが薄い日本の震度や津波の解説をつけて、端的でわかりやすい内容にいたしております。

 観光客や在日外国人の方々の安全、安心を守るため、ことし2月から、地震、津波などの緊急時に、スマートフォンなどで英語で速やかに情報を伝えるプッシュ通知サービスを始めております。

 以上です。

○井上(一)委員

 ありがとうございました。

 外国人の方々の生命の保護にもつながる重要な情報提供だと思いますし、最近はベトナムの方もふえてきていると聞いておりますので、その母国語の拡充もぜひ検討していただきたいと思います。

 それから、日本に滞在する外国人の方々が日本語を学べる機会をふやすということも大事だと思っています。
外国人の労働者の方々がふえるとともに、外国人の子供たちの数もふえてきておりまして、日本語指導が必要な外国人児童生徒は平成26年で2万9千人程度いるとされております。

 日本語教育の番組は一層重要になってきていると思っておりまして、NHKでもさまざまな取組がなされていると承知しておりますが、他方で、Eテレでは、日本語講座の番組が2017年3月をもって終了になったとも聞いております。

 日本語講座の番組の現状と今後の取組について、伺いたいと思います。

○木田参考人

 お答えいたします。

 ラジオ国際放送では、日本語初級講座「やさしい日本語」を17言語で発信しております。また、この番組サイトでは、復習ができることもありまして、大変人気が高く、テキストや音声ファイルをダウンロードできるようにもなっております。また、この講座はNHKワールドJAPANの番組ホームページや無料アプリで国内で聞いていただくことができます。さらに、ラジオ第2放送では、この番組の英語版も放送しております。

 また、訪日外国人に向けては、映像化したミニ番組「Easy Travel Japanese」を制作し、NHKワールドJAPANの番組ホームページ上で5言語で提供しております。

 このように、国際放送での外国人向け日本語講座が充実してきましたし、国内でもインターネット上で聴視できる環境が整ってきたことから、現在、このようなサービスを実施しているところでありますが、今後も、いつでもどこでも学習できるという視聴者にとっての利便性を重視する観点からサービスの充実に努めていきたいというふうに考えております。

○井上(一)委員

 ありがとうございました。

 時間が参りましたので、もう質問を終わりますが、番組編成においては、さまざまな方からの意見を参考にしていると思いますけれども、ぜひ外国人の方々からも意見聴取を行って、番組の充実を図っていっていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

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