国会活動

東京一極集中是正、地方人口ビジョン

〇第197回国会 衆議院 総務委員会 2018年11月15日(木)

○井上(一)委員

希望の党の井上一徳です。

最後の質問をさせていただきます。

 先日、石田総務大臣の所信をお聞きいたしました。この所信、聞かせていただいて、大臣みずから自分の思いを込めて書かれた文章だというふうに拝察いたしました。私も全く同感するところが多くて、地方の疲弊も東京一極集中も限界に来ています、そのとおりだと思います。やはり、この地方の疲弊を打ち破っていかないといけない。そして、そのためには、縦割りではなく地方の課題は全て総務省がかかわるとの考え方に立ち、本当に私も同感であります。ぜひこの思いで総務省を引っ張っていただきたいし、また地方行政を引っ張っていただきたいというふうに思っております。

 それで、まず、まち・ひと・しごとの関連で、2014年につくられました、まち・ひと・しごと創生総合戦略、その中では、2020年時点で、もうあと2年ですけれども、東京圏から地方への転出と転入を均衡させる、そして東京一極集中の流れをとめるというふうにしておりますけれども、総務省の発表では、2017年、東京圏の転入超過数が、前年比で1,911人ふえ、119,779人となっておりますので、22年連続で転入超過となっています。その一方で、名古屋圏、大阪圏、これはいずれも5年連続の転出超過となっていますので、まさに東京一極集中、これはより鮮明になっている形です。

 まち・ひと・しごと創生法の第一条、ここの目的に、地方創生の目的は、「東京圏への人口の過度の集中を是正」というふうに書かれていますので、この法律ができても東京圏への転入超過がふえ続けているということです。

 一方、地方に目を転じてみますと、地方地方では、それぞれで並々ならぬ努力をしております。私の地元、京都府北部の舞鶴市、ここの合計特殊出生率を見てみると、2015年では2.10ということで、政府が目標とする希望出生率1.8よりも高いし、人口置換水準の2.07よりも高くなっております。それでも、舞鶴市の人口ビジョンを見てみると、2010年が89,000人なんですが、2040年では74,000人というふうに減ります。

 幾ら地方が頑張っても、東京圏への一極集中が続けば、人口減少を加速させるというのは明らかです。私は、やはりこれは、現在政府が進めている地方創生が行き詰まっている、うまくいっていないということの証左じゃないかと思っているんですが、こういうやはり状況を変えていくためには、地方創生大臣だけに任せるのではなくて、先ほど総務大臣おっしゃっていましたけれども、地方行政にかかわることは全て総務省がやるんだと。そういうことで、総務大臣に、今の政策の方向性をぜひ大きく変えていっていただきたいと思うんです。

 和歌山県議も3期され、そして海南市長も2期8年務められております。地方行政に大変明るい総務大臣として、その意気込み、決意を聞かせていただければと思います。

○石田国務大臣

お答えさせていただきます。

 私があえて、地方の疲弊、そして東京一極集中、限界に来ているということを申し上げたのは、やはり国民の皆さんにも今そういう状況にあるということを理解をいただきたいという思いであります。

 先ほども桝屋先生への答弁でお答えさせていただきましたけれども、私も、毎週のように地元に帰りますと、本当に大変な状況になりつつあって、これから5年先、10年先、どういうふうになっていくのかな、そういうことを思うわけでございます。

 その裏返しのような部分がありますけれども、一方、東京には多くの人がいまだに集まってくるわけでありますけれども、私が東京一極集中の限界ということを申し上げたその認識の根本には、幾つかあります。

 一つは、やはり、先日、台風24号のときに、台風が通過した後に新宿駅に人があふれていました。そういうことを見てみますと、本当に公共のインフラというのはもうキャパオーバーしているんじゃないか、そういうことを感じたわけであります。そうすると、今、東京の首都直下型とかいろいろなことを言われておりますけれども、そういうときに本当に対応できるのか。大災害時の脆弱性ということをやはり本当に真剣に考えていかなければならないのかということがあります。

 それからもう一つは、これは前に増田岩手県知事が、その後、発言というか、論文に出されましたけれども、高齢化社会のリスクですね。これは、それを受けて、自治体戦略2040構想の研究会においても、若者を吸収しながら老いていく東京圏、そういうことの指摘がされておりまして、将来的にやはり急激な高齢化率の上昇が東京でも見込まれる、これも私は大きなリスクなのではないかな、東京がはらむリスクなのではないか、そういうことを申し上げているわけでございます。

 ただ一方で、私、先日、川上村、これは奈良県ですけれども、お伺いいたしましたときに、何人かの地域おこし隊の方がおっしゃられたのは、やはり都会での生活環境を変えたい、そういうお話を聞きました。そして、その後、予算委員会で総理も答弁をされましたけれども、ふるさと回帰センターへの問合せが2015年あたりから急増してきていまして、これを全国推計しますと、随分若い方たちがやはりそういう思いを持っておられるのではないか。

 私は、これは大いに活用するべき認識といいますか、気持ち、意識の変化だろうというふうに思っておりまして、こういう変化をやはり我々総務省としてしっかり捉えていく。そして、地域に、やはり働く場、そして生活をしていく上でのインフラ、そういうものを整えることによって若い人たちも戻ってきてもらえる、そういうような持続可能な社会をつくっていかなければならない、そういう思いでございます。

○井上(一)委員

ありがとうございました。

 鈴木副大臣も瀬戸市議を2期務められたということで、地方議会出身者として地方の情勢にも非常に明るいと思いますけれども、同じように、今の状況についてどう思われるか、御答弁いただければと思います。

○鈴木(淳)副大臣

東京一極集中に係る問題につきましては、私も大臣と同じ問題意識を持っております。

 私の考えとしましては、東京と地方は本来支え合うべき関係にあると思いますけれども、東京に人口が集中する一方で、地方が人口減少などにより疲弊する状況は決して持続可能ではない、こういうふうな認識を持っております。

 いずれにしましても、大臣が申し上げたとおり、総務省における各種の施策を通じて、東京一極集中の是正に資するように、総力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

○井上(一)委員

それで、まち・ひと・しごと創生、この長期ビジョンでは、2060年に一億人程度の人口を維持するということを目標としているということで、私はこれは目標にするのは非常にいいことだと思います。

 地方も、全ての都道府県、これで、1,740の市区町村においても地方人口ビジョンを策定しろというようなことで、策定をしております。

 ただ、じゃ、この地方人口ビジョンを全部足すとどうなるかというと、今はまだ数字がないというふうに聞いたんですけれども、きのうのレクの中で、これについて、全部合わせるとどうなりますかという質問をしようというふうに話しましたので、この点についてお答えください。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。

 地方人口ビジョンの策定に当たりましては、各地方公共団体の実情に合わせて推計年次や将来の仮定の設定等を行うこととしておりまして、各都道府県の人口ビジョンを見ましても、例えば推計年次が、2060年ではなくて、沖縄県では2050年となっておりましたり、大阪府では2040年となっておりますこと、それから、地方公共団体によりましては、複数の前提で、幅を持った推計を行っている県もございますといったようなことなど、将来の設定につきましてはさまざまでございまして、特定の年次において一律に積み上げることはできないということで、長期ビジョンの2060年に一億人程度となっているかどうかといったような比較は難しい、積み上げることも難しいということでございます。

○井上(一)委員

私はもうちょっと数字が出てくるものだと思っていたんですけれども、やはりそれだと、一億人の目標を掲げても、実際それが達成できるかどうか、それもわからないということだと思うので、もう一度人口ビジョンを各市町村につくらせるのであれば、2040年、2060年、それぞれについてはどのぐらいの目標を立てていますか、そういう聞き方をして、それを全部、やはり、政府として、トータルとして幾らになるのか、そういうぐらいの基礎的な数字をつくっておかないと、私は政策も打てないと思うんですね。

 ぜひちょっと検討してみてください。

○丸山政府参考人

お答え申し上げます。

 先ほどお答え申し上げましたように、地方によって将来の設定、期間の設定などがさまざまでございますので、単純な積み上げということはできないわけでございますけれども、かなり、全体を積み上げてどうなるかということを、おおよそ見積もるといいますか、推計するというようなことを仮にしてみたらどうなるのかということを御説明させていただきたいと思います。

 2060年の目指すべき将来の人口見通しを推計しているのは、全部ではないわけですけれども、43道府県ございます。それらの人口ビジョンにおける人口見通し、2060年の人口見通しの合計は、幅があるんですけれども、おおむね8,101万人から8,504万人程度となっております。これら43道府県の2010年の人口の合計を、日本全体の総人口に占める割合を計算してみますと、約80.6%になります。

 仮に、機械的に8,101万人から8,504万人をこの80.6%で割りますと、大体1億51万人から1億551万人になるということでございますので、国の長期ビジョンの2060年総人口1億人程度維持という数字と照らし合わせてみますと、おおむね合致しているというふうに見ることもできるのではないかというふうに考えております。

○井上(一)委員

ちょっと、ほかの質問もありますので、議事録を読んだ上でまた質問をさせていただきたいと思います。

 それでは、次に、平成の大合併の評価について伺いたいと思います。

 資料の方でも出しておりますけれども、京都府北部、このような形で、網かけをしたり線を引いたりしておりますけれども、市町村合併が行われました。

 それで、その中で、この市町村合併に関する評価なんですけれども、総務省に設置されました市町村の合併に関する研究会、この評価、検証、分析を読みますと、合併を契機に住民の自立に向けた動きが新たに広がったというような前向きな評価がある一方、行政サービスがやや悪くなった、役場が遠い存在に感じる、住民の連帯感が更に薄れて地域社会意識が崩壊している、こういうような否定的な評価もたくさんあります。

 平成の市町村合併に対する評価、それについて、石田総務大臣のお考えをお聞かせください。

○石田国務大臣

平成の合併は、基礎自治体の行財政基盤の確立を目的として行われたものと認識をいたしております。

 今議員も御指摘いただきましたように、この合併によりまして、行財政基盤の強化がなされた、あるいは専門職員の配置など住民サービス提供体制の充実強化がなされた、あるいは広域的な町づくりの推進などの効果があった、そういう点ではプラス面の評価があるわけでございます。

 一方で、第30次地方制度調査会の答申におきまして、御指摘がありましたように、旧市町村地域の振興や公共施設等の統廃合の難航等の課題とともに、住民の声の行政への適切な反映などについて課題が生じている、そういうような指摘もなされているわけでございます。

 総務省としては、合併した市町村において、一体感を醸成するような工夫に一生懸命積極的に取り組まれていると思っておりまして、時間とともに合併の効果があらわれてくることによって、住民が合併のメリットを更に実感していただけるようになるものと期待をいたしております。

○井上(一)委員

その同じ研究会の報告書によりますと、市町村合併による歳出削減の効果というか推計をしておりまして、おおむね合併後10年経過以降においては、人件費の削減等により、年間1.8兆円の効率化が図られるというふうになっておりますけれども、多くの自治体において合併十年が経過しておりますが、人件費等の削減効果はどうなっているでしょうか。

○北崎政府参考人

お答えいたします。

 平成22年に総務省が公表いたしました「「平成の合併」について」におきましては、委員御指摘のとおり、人件費等の削減等により、年間1.8兆円の効率化が図られると推計をしております。

 この人件費の削減に関しましては、例えば、市町村の議会議員については約1万7千人減少と推計しておりましたところでありますが、市町村合併を経て、実際に合併した市町村の議員数は、平成11年度から平成25年度までの間で約2万4千人減少しているところでございます。

 また、市町村の職員について、約7万5千人減少と推計しておりましたところですが、実際に合併した市町村の職員数は、平成11年度から平成26年度までの間で約10万2千人減少しているところでございます。

 このように、人件費の削減を始めとして、相当程度の経費の削減が図られたものと認識をしておるところであります。

 以上であります。

○井上(一)委員

あと、同じように、普通交付税、これについても、市町村合併の効果として、推計すれば9千500億円減少する見込みというふうに聞いておりましたけれども、他方で、やはり行政サービスを維持する観点から、普通交付税についてはさまざまな配慮がなされてきたと思いますけれども、どのような配慮がなされてきたのか、それから、今後どのように普通交付税については対応されるのか、あわせてお聞きしたいと思います。

○林崎政府参考人

お答えいたします。

 普通交付税の算定におきましては、市町村合併に対応して、合併算定がえ制度というのを設けているところでございます。これは、市町村合併の後、当面は行政運営に係る経費の急激な節減は困難であるということを考慮いたしまして、一定期間は、合併市町村の普通交付税が、合併せずに関係市町村が存続したと仮定した場合の普通交付税の額の合算額を下回らないようにする、そういう特例でございます。

 さらに、合併算定がえ、今申し上げましたが、これが終了した後の交付税算定につきまして、平成の合併によりまして市町村の面積が拡大をするなど市町村の姿が大きく変化したことを踏まえまして、平成26年度以降5年間かけて、普通交付税の算定を順次見直してきております。

 具体的には、旧市町村単位の支所でありますとかあるいは消防署などに要する経費の算定、あるいはごみの収集、運搬等に要する経費につきまして、人口密度による需要の割増しでありますとか、あるいは標準団体の面積そのものを見直ししまして、それにあわせまして標準団体の経費を見直し、これを単位費用に反映させる、こういった見直しを行いまして、合併後の市町村の財政需要に対応してきたところでございます。

 市町村の財政需要、状況に応じて変化してまいりますけれども、こういった変化などを的確に捉えまして、合併市町村を含め市町村の財政需要を適切に算定するよう、引き続き努めてまいりたいと考えております。

○井上(一)委員

ぜひ、合併後も行政サービスが低下しないように、引き続き適切に配慮していただきたいというふうに思います。

では、質問を終わります。ありがとうございました。

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