国会活動

NHKの危機管理体制

〇第197回国会 衆議院 総務委員会 2018年11月29日(木)

○井上(一)委員 

希望の党の井上一徳です。

 私は、まず、大災害などに対するNHKの危機管理体制、これについて質問させていただきたいと思います。

  平成23年に東日本大震災を経験しまして、日本全体で、危機管理体制のあり方について教訓それから反省が得られて対策がとられているわけですが、NHKにおいても、当然のごとく、教訓、これを踏まえた災害対策、機能強化が進められているというふうに承知しております。

  それで、まず放送センターですけれども、大災害時における報道拠点として極めて重要な施設になるわけですが、これが運用開始から半世紀余りが経過して、建物の劣化それから狭隘化が進んでいるということで、2020年から2036年にかけて順次建てかえるということが決まっております。

  災害対策の観点から、この順次建てかえにおいてどのような配慮がなされているのか、まず上田会長にお尋ねしたいと思います。

 ○上田参考人 

お答えいたします。

  放送センター建てかえの基本計画では、防災・減災報道の拠点にすることを基本コンセプトの一つに掲げております。

  最初に建設いたします情報棟は、防災・減災報道の中心的な役割を担うことから免震構造とするなど、どのような災害が起きても放送の機能を維持し、放送を出し続けられるよう強靱な建物とする予定です。

  情報棟の後に建設いたしますほかの建物につきましても、震度七の地震に耐えられる構造とし、いかなる災害時にも放送を継続できるようにいたす所存です。

 ○井上(一)委員 

 万が一、首都直下型地震それから南海トラフ大地震、こういった大地震があった場合には、最悪の場合にはその放送センターの機能全体が壊滅的な被害を受ける、機能が発揮できないということもやはり考えておかないといけないということで、そのためのバックアップ機能を確保しておくということも、これは総務大臣の意見でも御指摘されておりますが、このバックアップ体制について、今、大阪局がバックアップの拠点になると聞いておりますけれども、具体的にどのような体制を確保されているのか、お尋ねしたいと思います。

 ○木田参考人 

 首都直下地震により東京渋谷の放送センターが機能喪失する事態を想定して、今御指摘のように、大阪放送局にバックアップ機能を設けております。

  具体的には、大阪放送局から放送衛星を経由して、全国の各放送局の地上波にテレビ、ラジオを放送する計画になっております。バックアップを担う大阪放送局では、放送設備を増強しまして、全国各局と連携した訓練を毎年定期的に実施するなど、体制も強化しております。

  このような、いかなる災害時でも放送を継続し、視聴者の皆さんに必要な情報を届けるため、引き続き万全のバックアップ体制をとっていこうと考えております。

 ○井上(一)委員 

 本来であれば、東京の放送センター、この機能が壊滅的な打撃を受けて使えないとなれば、すぐに大阪ということではなくて、神奈川とか埼玉、やはり近くのところの放送局をどう生かすかということをまず考えた上で、それでも無理だったら大阪というような順番じゃないかとは思うんですけれども、これはちょっと指摘にとどめさせていただきたいと思います。

 それで、そういう大規模な災害があったときには、当然のことながらNHKの幹部職員も含めて職員を緊急に参集をしておく必要があって、そのための計画をつくっておく必要があるわけです。それをよく業務継続計画とかBCPとか言っていますけれども、それもNHKにおいて定められているというふうに聞いております。また、参集訓練も行っているというふうにも聞いておりますが、具体的にどのような計画を定めておられるのか、それから、どのような訓練を行われておられるのか、お聞きしたいと思います。

 ○木田参考人 

首都直下地震などの大規模災害時、本部の各職員が放送センターや取材拠点などどこに参集するかという動員、参集計画は、毎年作成しております。ことし9月の訓練では、本部の全部局が参加して、この計画に基づいて、要員がどう参集して体制をつくっていくか、そういうシミュレーションを実施しました。この訓練で洗い出した課題を事業継続計画の見直しに反映させているところであります。

  放送センターには、報道や技術などの要員が24時間体制で勤務しております。これに参集する要員が加わって、災害時の対応に万全を期そうというふうに考えております。

 ○井上(一)委員 

計画をしっかりつくって、特にやはり実践的な訓練をやっていただきたいというふうに思っております。

  そういう意味で、職員にすぐ駆けつけてもらえるという観点から、政府の方でも、危機管理宿舎の整備、こういうことをやって、無料で住めるわけですけれども、そのかわり、直ちに駆けつけないといけない。

 やはり緊急事態にはそういったNHKの職員も緊急に放送センターに駆けつけていただく必要があると思いますが、例えば、宿舎がないにしても、住居面でどのような配慮がなされているのか、この点についてお聞きしたいと思います。

○木田参考人 

緊急対応に当たる必要がある職員に対しましては、放送センター周辺地域の住宅を確保して、今貸与しているところであります。

 首都直下地震などの緊急時には、こうした職員を始め、放送センターまで歩いて参集できる職員などで体制をとり、初動の対応は担っていこうというふうに考えております。

 毎年9月の防災の日に合わせて、放送センターから5キロ圏内に住む職員を対象に、徒歩又は自転車で参集する訓練を実施しているところであります。放送センターまでの所要時間であるとか、橋あるいは老朽化した建物など、地震の被害で通れなくなる場所がないかなどをその折に確認しております。

 ○井上(一)委員 

済みません、これは通告はしていないんですけれども、きのうも聞いたんですけれども、大体何人ぐらいがその5キロ圏内に住んでおられるのか、もし数字があれば教えてください。なければいいですけれども、住んでいるからというだけではなくて、それで本当に必要最低限の人数が集まるのかとか、そういうところはやはりしっかり精査しておく必要があるんじゃないかと思いますので、その点についてはまた御検討をしっかりしていただきたいと思います。

  いずれにしても、NHKというのは危機管理を担う重要な公共機関でもあると思いますので、そういった危機管理意識も持った上で体制の強化に努めていただきたいと思いますし、今いろいろ効率化の話も出ましたけれども、それは、効率化を進めるというのは非常に重要なことだと思いますが、他方で、やはり危機管理の重要な公共機関でもありますので、そういった分の予算というのはしっかり確保していただきたいというふうに思っております。

  次に、サイバーセキュリティーはこれも重要だということは当然のことですけれども、特に放送局の場合、被害に遭ってはならないと思いますが、サイバーセキュリティーについてどのような対策をとっておられるか、お聞きしたいと思います。

 ○児野参考人 

お答えいたします。

  NHKにおけるサイバーセキュリティー対策としましては、サイバー攻撃を受けても放送を継続すること、それから受信契約者等の個人情報を守ることが最も重要であるというふうに考えております。

  そのため、NHKグループ全体の通信を24時間365日監視できるようにするとともに、重要なシステムはインターネットから分離するなどの施策を進めてきました。特に、放送機器におきましては、万一大規模なサイバー攻撃を受けても放送が継続できるようなバックアップ設備の整備も行っております。

  また、セキュリティーの組織体制、それから人材育成の強化など、NHKグループ全体で、サイバー攻撃に対する防御力、回復力の向上に取り組んでいるところでございます。

  今後も、サイバーセキュリティ基本法及び第四次行動計画のもと、政府の情報セキュリティー戦略をつかさどる内閣官房セキュリティセンター、NISCですとか、放送・通信業界の攻撃情報共有組織、ICT―ISACなどのセキュリティー関連組織と連携しながら、重要社会基盤の事業者として、セキュリティー対策の強化を図っていく所存でございます。

  以上です。

 ○井上(一)委員 

サイバーセキュリティー、非常に重要ですので、しっかり取り組んでいっていただきたいと思います。

  質問時間が来ましたので、最後にさせていただきたいと思いますが、ちょっと話はかわりまして、平成32年の大河ドラマ、これは、明智光秀を主人公にした「麒麟がくる」に決まりまして、誘致活動を熱心に進めてこられた地元京都北部の皆さん、大変喜んでおります。

  それで、京都北部には、明智光秀、明智光秀の娘である細川ガラシャ、それからその夫でもある細川忠興、こういった方々にゆかりのある史跡、名勝がたくさんございます。例えば、明智光秀が建てた福知山市の福知山城、細川ガラシャの隠棲地があったと言われる京丹後市、それから細川忠興、その父、細川藤孝がいた、幽斎ですね、舞鶴市の田辺城跡、こういうたくさんの名勝、史跡がございます。

  それで、平成27年度予算の総務大臣意見の中でも、「地方の創生の観点から、地方の魅力の紹介や、地域経済の活性化に寄与するコンテンツについて、その充実や国内外に向けた積極的発信を行うなど、地域からの情報発信の強化に一層努める」と。地方創生の視点も十分生かすようにという意見があったと思います。

  京都北部、こういった名勝、史跡が大変多くありますので、ぜひ、この「麒麟がくる」のロケーションを京都北部の幅広い地域で実施していただきたいと思いますが、この点、上田会長、お一言いただければと思います。

 ○上田参考人 

 お答えいたします。

 番組の制作過程につきましてはお答えしておりませんけれども、ドラマのロケ地、これは、企画内容の予算規模、場面や設定にふさわしい風景、交通の便など、さまざまな要素を総合的に勘案し、番組制作部門が決定いたしております。

 さまざまな御要望をいただいておりますが、今挙げましたような観点から、引き続き、総合的に検討してまいります。

 ○井上(一)委員 

 この点については、また引き続き、この委員会でも質問をさせていただきたいと思います。

 最後になりますけれども、ほかにも、京都府北部の綾部市、これはアパレル事業で大変有名なグンゼというのがあるんですが、このグンゼについては、創始者の波多野鶴吉、その妻のはなの波乱万丈の生涯について、これをまた広く紹介したいということで、同じように、朝の連続テレビ小説での誘致活動を行っておりますので、地方創生のためにも、NHKとしてぜひ取り上げていただきたいと思います。

 この点を御要望して、質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

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