国会活動

外国人労働者の受け入れと地方自治体の関係

〇第197回国会 衆議院 総務委員会 2018年12月4日(火)

○井上(一)委員

おはようございます。希望の党の井上一徳です。

 きょう、質疑の順番を入れかえていただきまして、質疑者の皆様の御配慮に感謝いたします。ありがとうございました。

 私は、本日は、今、参議院で議論になっております出入国管理法の改正案、これと地方自治体の関係について、主として議論をさせていただきたいと思います。

 先日、出入国管理法改正案、これは衆議院で可決されましたが、希望の党としては、本改正案は、まだまだ詰めるべき点が多い、来年4月の施行は余りにも拙速で、少なくとも、半年は延長してしっかり準備をするべきである、それから、外国人材の受入れ枠等を定めるに当たっては、政府だけではなくて、専門家の意見も踏まえて決定すべきなどの提案をさせていただきましたが、残念ながら全く反映されなかったために、反対をいたしました。

 そのときもいろいろ理由は聞いたんですけれども、なぜこんなに急ぐのか、今もって腑に落ちる説明がないというふうに思っております。

 参議院の法務委員会で石井委員が、同じように、なぜそこまで急いで来年の4月を目指すのか、腑に落ちる説明をしていただきたいと思いますという質問に対して、山下法務大臣の答弁は、この改正案の施行が半年おくれれば、仮にこの資格がそのときにできておれば、例えば、万単位の方々が日本で働けるかもしれない、そして、その方々の労働力あるいはそこにいていただけることで、その同じ万単位の企業であるとか、中小企業であるとか、小規模事業者の方が助かるかもしれない、しかし、それが半年おくれれば、それらの方は帰ってしまう、そして、その方々と一緒に働いてもらうことを期待していた、そういった中小企業あるいは小規模事業者も、そういった方々と働いてもらうことができなくなってしまうということで、正直、腑に落ちるというデータとか根拠とか全くなくて、ただ推測というふうなことでしか思えないんですけれども、なぜこんなに急ぐのか、いま一度、腑に落ちる説明を法務省にしていただきたいと思います。

○金子政府参考人

お答えいたします。

 今回の新たな在留資格を設けることにつきましては、既に御承知かと思いますが、一方で、非常に有効求人倍率が高い、他方、少子高齢化の影響によりまして労働力となり得る生産年齢人口が非常に減少しているということで、人手不足の状況が非常に深刻な問題となっているということでございまして、これに対応するため、労働力が不足する分野に限り新たな在留資格を設けるというものでございます。

 このような趣旨からすれば、できるだけ早く導入することが望ましいというふうに考えられるところでございます。

 他方、準備期間ということが必要ですので、その準備期間も見込みまして、また多くの事業者にとって事業年度の初めである4月ということのわかりやすさも考えて、4月から制度をスタートさせるということを目指すものでございます。

○井上(一)委員

本当に、恐らく技能労働者の方は任期が来たら帰っていくという前提で、中小企業の皆さんもそういったローテーションを組んでいると思いますし、やはり技能労働者がいていただくという前提でこれを考えているからそういう発想になるんだと思うんです。

 いずれにせよ、やはり準備ということで、これから基本方針もつくらないといけないでしょうし、分野別運用方針、これもつくらないといけないと思います。そうすると、やはりどう考えても準備期間は絶対必要になってくると思うんですけれども、基本方針とか分野別運用方針、これをつくるのにどのぐらいかかるんでしょうか。

○金子政府参考人

必要な手続を経まして年内には完成させるということでございます。

○井上(一)委員

済みません、年内というのはいつまでですか。法が施行されてから、その年内ということですか。

○金子政府参考人

いえ、法を施行する前に必要な手続ですので、今月中ということでございます。

○井上(一)委員

正直、本当にそんな急いでつくっても、私はやはりしっかりしたものができないと思うんです。この点についてはもっといろいろ議論したいんですけれども、ちょっとやはり本当に拙速だということで思っております。

 私も外国人労働者の実態をやはり調べたいということで、いろいろ地方自治体も行ってきました。広島県の海田町、それから群馬県の大泉町、それから新宿区、外国人労働者の労働条件、受入れに当たっての対応についていろいろ話を聞いてきました。

 大泉町は主としてブラジル日系人の方々が多いということで、4.2万人のうち外国人の方が7,500人ということで、外国人比率が18%に達するということであります。それから新宿区、新宿区には136カ国の外国人の方が来ているということで、人口35万人のうち44,000人が外国人、割合にすると12.6%です。外国人の約4割が留学生ということでありました。

 そういった自治体については、外国語での案内をするとか、それから相談を受ける、それから日本語教育、こういうことで大泉町では役場に通訳を6名、学校に12名の指導補助を置いているということでしたし、また新宿区でも7名の外国人相談員を配置して常時対応を行っているということでございました。

 山下法務大臣は地方に対する支援についても手を差し伸べていくということを言われておりますし、それから、同じように、山下法務大臣、11月21日の法務委員会では、関係閣僚会議で定められます総合的対策に適宜反映させることによって、外国人の受入れ環境整備に関する個別の施策について、地方自治体との適切な費用負担も踏まえながら、関係省庁において、予算要求を含めた必要な取組を行っていただきたいと考えているというような答弁もございました。

 今後、各自治体においては、窓口の一元化、これも求められることになりますので、さらなる財政負担も考えられます。

 総務省としては、この外国人労働者の受入れ拡充により必要な財政措置について、どのように対応される予定なのか。山下大臣は、地方自治体の適切な費用分担ということを言われておりますけれども、やはりここは国が全面的に支援するという方向で検討すべきと思いますが、石田総務大臣に伺いたいと思います。

○石田国務大臣

お答えさせていただきます。

 在留外国人の一層の増加が見込まれる中でございまして、多文化共生の推進は地方公共団体にとってますます重要な課題となってくると考えております。

 外国人の受入れ環境の整備につきましては、現在、法務省を中心に、7月の24日に閣議決定されました外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針に基づきまして、教育、医療、保健、福祉、一元的な窓口の設置など、関係府省におきまして必要な財政措置も含めた総合的対策を検討されているところでございます。

 基本方針において、総務省といたしましては、地方公共団体における多文化共生の取組の促進に関する情報又は知見の提供等を行うこととされておりまして、現在、有識者から成る研究会を設置をし、先進的に取り組む団体の協力を得ながら、優良な取組を普及、展開する方策について検討しているところでございまして、引き続き、多文化共生施策のさらなる推進に向けまして、財政措置も含め必要となる対応について検討してまいります。

○井上(一)委員

僕は、地方自治体はやはり財政的にもかなり大変だという声を聞いておりますので、国が全面的に支援する方向でぜひ検討していただきたいと思います。

 次の質問に移ります。

 外国人に関する地方住民税の滞納が問題だという指摘もあります。地方住民税は、御承知のとおり、前年度の所得に対して課されることになっており、所得のあった翌年に徴収することになっております。外国人の場合には、帰国をしてしまうと地方住民税の徴収ができなくなるという問題があります。

 総務省として、このような問題にどのように対応されるでしょうか。

○内藤政府参考人

お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、個人住民税は1月1日現在に市町村に住所を有する個人に対しまして翌年度に課税を行う仕組みでございますけれども、年度途中に当該個人が国外に居住することによりまして住所を有しなくなる場合には、当該個人は、納税に関する一切の事項を処理させるため、納税管理人を定めなければならないということにされているところでございます。

 また、給与からの特別徴収、いわゆる天引きでございますけれども、これを受けている個人が退職する場合におきましては、本人からの申出等により、事業者が残りの税額を給与、退職手当等から一括で徴収することとされております。

 一方、御指摘ございましたように、市町村からは一括徴収されずに、かつ納税管理人を定めず帰国する外国人労働者も多いという課題があるというふうに伺っているところでございます。

 このため、総務省といたしましては、納税管理人制度及び一括徴収制度について、外国人労働者の方々に対する周知や制度の活用を促しますとともに、市町村の実情をよく把握をいたしまして、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。

○井上(一)委員

実際、地方自治体はやはり困っているわけですので、例えば、地方住民税の徴収は受入れ企業の責任でしっかり行う、それまでは企業が立てかえるというような、地方自治体にしわ寄せが行かないような仕組み、これを考える必要があるのではないかというふうに思っております。

 いずれにしても、受け入れる自治体が困ることがないように、総務省としても、地方自治体の相談に乗ってしっかり対応していただきたいと思います。

 ぜひ、知事会や市長会、町村長会、それから先ほどの関係する自治体などから幅広く意見を聴取して、自治体ごとに対応も異なると思いますが、丁寧に対応していただきたいと考えております。総務大臣の御意見をお聞かせください。

○石田国務大臣

政府では、現在、関係省庁、有識者を構成員とする外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策検討会を法務省に設置をいたしておりまして、全国知事会あるいは指定都市市長会を始め地方公共団体等からのヒアリングも行いながら、総合的対応策の年内取りまとめに向けて議論を行っているところでございます。

 こうした議論につきましては、総務省から地方三団体を通じまして全国の地方公共団体に対し情報提供を行っておりまして、また、知事会等からは関係府省に対し要望書も提出されているところでございます。

 総務省では、有識者から成る検討会を設置し、地方公共団体の実務者にも多数御参加をいただき、御議論をいただいているところでございまして、引き続き、地方自治体の御意見をお聞きしながら、多文化共生施策のさらなる推進に向け、必要となる対策を行ってまいります。

○井上(一)委員

ぜひ地方自治体の意見をしっかり聞いていただきたいというふうに思います。

 続きまして、外国人と防災についての質問に移ります。

 広島県の安芸高田市、ここは、外国人を消防団員に採用することで外国人団員と日本人団員のコミュニケーションが向上することが期待できる、そして災害時に地域における外国人支援体制の強化につながるということで、現在、1名、外国人の消防団員がおられるということですけれども、更にこれをふやしていくという考え方を持っておられます。

 また、草津市では、外国人による機能別消防団員として9名の外国人を任命したという記事もあります。

 それから、函館市も、年内に通訳消防団を発足させるという記事もあります。

 これから外国人労働者の方がふえてくる、それから外国人の観光客もふえてくるということで、災害時における外国人の避難誘導を円滑に行うためにも、こういった外国人の消防団員をふやしていくということは私も望ましいのではないかと思っておりますが、消防庁としてはどのようにお考えでしょうか。

○横田政府参考人

お答え申し上げます。

 外国人を消防団員に任命することにつきましては、活動の範囲に若干の制約はございます、一定の制約はございますが、例えば、今御紹介いただきましたような、定住外国人の方々が多数居住されている地域などにおきまして、外国人の方々が消防団員として、例えば避難誘導とか避難所での通訳など地域の防災活動に参加し、地域防災力の強化を図るということは非常に効果的だというふうに認識をいたしております。

○井上(一)委員

自治体や地域、また、私も地元に帰ったときに、外国人の消防団員を採用することについてはどう思いますかと、いや、それはちょっとできないと思いますよ、制度上できないと思いますよというようなことを言われる方もおられますので、消防庁としても、今の答弁であれば、その趣旨を全国の消防団に周知していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○横田政府参考人

お答えいたします。

 先ほど御紹介いただきました安芸高田市、函館市、草津市の例でございますが、それ以外にも外国人を消防団として活用している消防団の事例がございますので、その入団の経緯とか活動内容などの実例について、今後とも機会を捉えて、地方公共団体や全国の消防団等に参考となるように周知してまいりたいと考えております。

○井上(一)委員

ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。

 最後は、JETプログラムについて、1問だけ質問させていただきたいと思います。

 外国人の方々、これから特にふえていくということで、日本人にとっても、外国語能力を高めていくということは非常に大事なことだと思います。このJETプログラム、これは外国の青年を我が国に招致して学校での外国語教育、それから自治体での国際交流業務に生かすという制度だというふうに承知しておりますけれども、このJETプログラムの意義それから今後の取組について、石田総務大臣にお伺いしたいと思います。

○石田国務大臣

このJETプログラムは、昭和62年度の創設以来、これまでに73カ国から累計68,000人を超える外国青年が招致されております。

 地域の国際化に大きく貢献するとともに、帰国後も、海外とのかけ橋として我が国と相手国の相互理解等に貢献をしていただいておりまして、大変意義のある取組と認識をいたしております。

 総務省では、近年の新たな取組といたしまして、地域で活躍するJET青年と自治体、地域おこし関係者との出会い、交流の場であるJET地域国際化塾を開催をしておるところでございまして、また、インバウンド対策や海外販路開拓、多文化共生等に係る地域におけるニーズの高まりや小学校外国語教育の教科化等を踏まえまして、本年8月に、JETプログラムの一層の活用促進について地方公共団体に通知も発出しているところでございます。

 今後も、関係省庁とも連携しながら、JETプログラムを積極的に推進してまいりたいと思っております。

○井上(一)委員

JETプログラムは、本当にすばらしいプログラムだと思います。

 一番多いときで平成14年に6,273人だったのが、平成23年には三位一体改革もあって4,330人まで1回落ちて、今大臣からもありましたように、更に進めていくということで、今は5,528人まで回復しておりますが、更にこのJETプログラムを拡充していただくようにお願いして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

 

 

PAGE TOP