国会活動

自衛隊の離島における電子訓練、米軍と電波

〇第198回国会 衆議院 総務委員会 2019年4月16日(火)

井上(一)委員 

 希望の党の井上一徳です。

 私は、最初にまず、自衛隊の離島における電子戦訓練、これについて質問をしたいと思います。

 資料2ということで皆さんにもお配りしておりますけれども、産経新聞の記事で、「離島の電子戦訓練できず 総務省不承認 携帯と混信恐れ」という見出しの記事が3月27日に出ております。

 冒頭にこう書いてあります。「自衛隊が電磁波を使う電子戦の訓練をめぐり、沖縄県の離島への中国の侵攻を想定した電波妨害訓練を行えず、支障が生じていることが26日、分かった。訓練で活用する電波の周波数について総務省の承認を得られない状態が続いているためだ。」と。4段落目に、「訓練ができないのは訓練計画地の近くに携帯電話基地局があるからだ。」ということで、次の段落で、「「混信を起こし、周辺で携帯電話が使えなくなる可能性がある」(電波部)として宮古・石垣両島での妨害訓練を承認していないと説明」という記事がありました。

 皆さん御承知のように、今の現代戦において、電子戦というのは非常に重視されている。ウクライナに対しても、ロシア軍が電子戦をしかけたというようなことも言われております。

 そういう中で、自衛隊の電子戦訓練というのは非常に重要だと思うんですけれども、もしこれが事実とすれば大変遺憾なことだと思いますが、まず、この記事の事実関係についてお伺いしたいと思います。

小波政府参考人 

 お答えいたします。

 まず、御指摘の報道につきましては、当然のことながら防衛省として承知しております。

 防衛省・自衛隊は、陸上自衛隊の御指摘の電子戦の訓練を始め、部隊の活動に必要な周波数については、電波所管省庁である総務省から承認を得て使用しているところでございます。

 御指摘の陸上自衛隊の電子戦の訓練に必要な周波数についても既に総務省から承認を得ていることから、報道のような、訓練を行えず支障が生じているという事実は私どもとしては承知していないところでございます。

 今後、電磁波領域における自衛隊の運用に際し、追加で周波数が必要となった場合は、引き続き総務省と周波数の承認に向けた調整を行ってまいり、先生に御心配をかけるようなことがないように努めてまいる所存でございます。(発言する者あり)

井上(一)委員 

 やはり国民に心配をかけないようにしていただきたいと思います。

 新聞の記事が事実でないということで、その点については安心しましたが、これから、先ほど申しましたように、やはり電子戦が非常に重視される今の状況において、これから、5G、こういうことによって周波数がますます逼迫してくるということで、総務省においても、防衛省・自衛隊の要望、それから民間の要望、こういう調整が非常に重要にはなってくると思うんですけれども、ぜひ、こういった防衛上の支障がないように、総務省においても防衛省の要望をしっかり聞いた上で調整をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

谷脇政府参考人 

 お答え申し上げます。

 自衛隊の電子戦の訓練に必要な周波数については、既に承認をしているところでございまして、支障が出ているということは承知をしておりませんけれども、今委員から御指摘のとおり、今後とも、自衛隊の活動に必要な周波数の要望については、関係者と調整を行い、適切に対応してまいりたいと考えてございます。

井上(一)委員 

 よろしくお願いしたいと思います。

 続きまして、電波法と米軍について質問をさせていただきたいと思います。

 防衛省はもう結構です。どうぞ。

 米軍の無線局に関しましては、電波法の特例法によって電波法が適用されない、地位協定の定めるところによるということになっております。

 資料にお示しをしておりますけれども、まず資料一に、見ていただきたいんですが、これは、河野外務大臣が外務委員会の委員のときに、平成14年12月11日の外務委員会でこういうふうに言われております。「私が総務大臣の政務官を務めておりましたとき」、こういうときに、「米軍の軍の運用に関する電波の割り当ては、これは極秘であるべきだと思いますが、米軍の、あるいは軍人軍属、家族の方々の娯楽のために割り当てていた電波が相当量ございました。」ということを述べられました。

 それで、資料の3に毎日新聞の記事をつけておりますが、「第3世代携帯用に周波数の一部返還」ということで返還になったということが書かれております。「返還分は軍事用だけでなく、娯楽用のテレビ放送にも利用されていた。」ということがありました。

 この米軍からの電波の返還、これについて、これまでどういうような返還が行われてきたのか、御説明いただきたいと思います。

谷脇政府参考人

 お答え申し上げます。

 在日米軍が使用する周波数につきましては、委員御指摘のとおり、日米地位協定に基づきまして、日米両政府間の取決めにより設置された日米合同委員会のもとにある周波数分科委員会で総務省が調整を行っております。

 在日米軍の周波数は我が国の無線局と共用を前提としていることから、我が国の電波利用に支障のない場合に限り、総務省がその使用を認めているところでございます。

 他方、我が国の周波数政策上必要な場合には、在日米軍に対しても周波数移行や再編を求めており、その結果、例えば第3世代移動通信システム及び第4世代移動通信システムの導入に必要な周波数の確保が実現をできているところでございます。

井上(一)委員 

 今後、先ほどの5G、こういうような実現を見据えて、いろいろ今、既存周波数の活用計画を含めて審査するということで、既存周波数の利用を促進するということを進めております。

 こういうふうに非常に電波が逼迫している中で、有効に電波を活用しようということでありますけれども、やはり米軍が利用している電波、これについても、米軍に一層効率化をしてもらって、不要な電波は返還してもらうということが大事だと思うんですけれども、やはり米側としっかり協議を進めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

谷脇政府参考人 

 お答え申し上げます。

 周波数の有効活用、有効利用という点は私どもにとっても極めて重要な政策課題でございますので、今委員の御指摘になった点につきましては、日米合同委員会の下にあります周波数分科委員会などにおきまして、日米双方で意見交換、議論を進めていく必要があろうかと考えております。

井上(一)委員 

 河野外務大臣が委員のときにも言われていましたけれども、資料1の次のページにつけておりますが、やはり隠す必要のないものは全てオープンにする、これが我が国の政府の立場として当然のものだと私は思っておりますので、全て公開されますようお願いを申し上げますということです。

 いろいろこれから返還について協議をしていくということではありますが、そういった状況についてはできる限りオープンにしていくという姿勢が大事だと思うんですが、この点について、政府はどういうふうにお考えでしょうか。

谷脇政府参考人 

 お答え申し上げます。

 在日米軍の電波の使用目的や使用状況等につきましては、日米双方の合意がない限り公表できないこととなっております。

 したがいまして、今後、日米合同委員会のもとにある周波数分科委員会におきまして情報公開のあり方について協議を行うなど、取組を進めてまいりたいと考えております。

井上(一)委員 

 私からも、やはり、できる限りオープンにする、こういう姿勢を求めたいと思います。

 それでは、電波法の改正について質問をいたします。

 まず、大臣にお尋ねいたします。

 この電波利用料、これにつきましては、帯域によっては大幅に上がるものもあったり、帯域によっては下がるものもあったりするわけですけれども、この総務省の説明では、近年の無線技術の進展による帯域の価値の変化を反映した形に見直すということでありますけれども、この考え方について御説明をいただきたいと思います。

石田国務大臣 

 電波利用料の料額算定方法については、平成29年11月に規制改革推進会議で決定されました規制改革推進に関する第二次答申で、需要の高い周波数帯を使っている免許人に対して、より多くの負担を求めるよう見直すこと等が記載されたところでございます。

 その後、総務省の有識者会議におきまして、免許人等からのヒアリング、あるいは意見募集等を実施しつつ検討を進め、昨年8月に電波利用料の見直しに係る基本的な考え方を御提言をいただきました。

 具体的な提言の内容としては、携帯電話や放送等の無線局の種別ごとの電波利用料負担のさらなる公平性確保や、各無線局が使用する電波の利用価値の料額への一層の反映を実現する観点から見直しを行うべきとするものでございまして、こういう内容を実現するため、今国会に法案を提出させていただいたものであります。

井上(一)委員 

 次は、周波数の割当てに当たって、周波数の経済的価値を踏まえた評価額を追加して審査するということで、この点については、何人かの委員の先生も質問がありました。私からも、まずこの経済価値を踏まえた評価額、これについては、いわゆるオークションとどのような違いがあるか、お聞かせいただきたいと思います。

谷脇政府参考人 

 お答え申し上げます。

 オークション制度は、専ら金額の多寡によって周波数の割当てを受ける者を決定する方式でございます。

 一方、本法案で導入する新たな割当て制度は、競り上げによって金額を決定する方式ではないということ、それから、カバー率やMVNOの促進、安全、信頼性対策なども含めて比較審査を行う総合評価方式としていることから、いわゆるオークション制度とは異なるものでございます。

 このため、オークションの落札額と比べまして、新たな割当て制度の金額は高騰しにくいものと考えております。

井上(一)委員 

 やはり、評価額、私もなかなかイメージしにくいんですけれども、この評価額としては大体どの程度の金額を想定しているのか。もし可能であれば、諸外国の例を踏まえると大体これぐらいになりそうだとか、そういうようなイメージがわかればありがたいんですが、よろしくお願いします。

谷脇政府参考人 

 お答え申し上げます。

 具体的なこの特定基地局開設料の金額あるいはそれによる収入見込み額でございますけれども、前提とする条件によって額自体が大きく変動いたしますけれども、例えば、最近、アメリカ、韓国、イタリアにおいて行われた、高い周波数帯域の5G用の周波数オークションの落札結果は約200億円から800億円でございました。

 特定基地局開設料は、オークションを実施した場合の落札額より、先ほど御答弁申し上げましたように、低くなると考えられることを踏まえると、仮にこの金額が我が国における割当てにも当てはまるとすれば、最大でも総額数百億円、年額に直しますと100億円前後程度にとどまるというふうに見ることができようかと思います。

 なお、申請者の予見可能性を高め、合理的な評価額を算出できるよう、事前に周波数の経済的価値の標準的試算を示すことを考えておりまして、今後、専門家による検討を進めてまいりたいと考えております。

井上(一)委員 

 よくわかりました。ぜひ、そういう方向で進めていただきたいと思います。

 次に、現行法では、防災無線などの公共用無線局、これは電波利用料の減免措置がとられているということであります。ただ、本法案が成立しますと、非効率な技術を用いた無線局を使い続ける免許人からは利用料を徴収することとなるということになっております。

 防災無線などの公共用無線局のうち、4分の1程度がアナログ方式を利用しているというふうに聞いております。

 今回の法改正によって、このアナログ方式の無線システムを使い続けざるを得ないような財政的に厳しい地方自治体、こういう自治体にとってはなかなか転換するのが難しい状況だというふうに思いますけれども、こういった自治体に不利益が生じることはないのでしょうか。

 それから、こういったアナログ方式の無線システムをデジタル方式に切りかえるとした場合に、国から地方自治体に対する何らかの支援、これは行われることはないのか、お聞きしたいと思います。

谷脇政府参考人 

 お答え申し上げます。

 今回の改正によりまして、公共用無線局から電波利用料を徴収できるようにすることで、公共用無線局も電波利用に伴うコスト意識を持つようになり、電波の効率的な利用が促されることになると考えております。

 なお、防災行政無線のデジタル化に関しましては、これまでも地方財政措置を講じてきているところでございます。

 今後どのような施策を講じるべきかにつきましては、電波の効率的な利用を図る上で支障となっている要因を利用状況調査により明らかにした上で、個々の事情を勘案した上で検討をしてまいりたいと考えてございます。

井上(一)委員 

 財政的に非常に厳しい自治体もありますので、そういったところに支障が生じないように、政府としてもしっかり配慮をしていただきたいと思います。

 では、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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