国会活動

NHKの常時同時配信と受信料、大河ドラマ「麒麟がくる」による地域活性化

〇第198回国会 衆議院 総務委員会 その2 2019年5月14日(火)

○井上(一)委員 

 希望の党の井上一徳です。

 まず、NHKのインターネットでの常時同時配信について質問をしたいと思います。

 今回の常時同時配信は、あくまでも放送の補完業務という位置づけになっております。イギリスやドイツはすでに本来業務となっているわけですが、わが国ではあくまで補完業務としております。受信料についても、特段の変更をすることはなく、今の受信料のままだと聞いております。

 NHKの上田会長が、昨年11月1日、将来的な受信料制度のあり方は根本から考えていかなくちゃいけないというようにおっしゃっています。これは恐らく、常時同時配信を本来業務にしていくのかどうかということについても深く関係してくるご認識だと思いますが、会長ご自身が根本的に変えていかなくちゃいけないとおっしゃっていることの問題意識と、今後の方向性についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

○上田参考人 

 お答えいたします。

 テレビ放送のインターネットでの常時同時配信と見逃し配信サービスは、今の受信料制度のもとで、放送を補完するものとして、受信契約世帯に対して追加負担なく提供することを考えております。

 テレビを持たない世帯に公共性の高い情報やコンテンツを届けていくことは、信頼される情報の社会的基盤というNHKの役割を果たしていく上で重要な課題だと認識いたしておりまして、こうした観点からも、放送と通信の融合時代にふさわしい受信料制度のあり方につきましては、研究が必要な課題であると認識いたしております。

○井上(一)委員 

 NHKの中でも、常時同時配信を要望する理由として、テレビを持たない人もインターネットを利用してNHKの放送番組をごらんいただけるようにしたい、いわゆる本来業務にしていきたいということであると思います。そうすると、受信料のあり方も根本から変えていかないといけないということだと思います。

 この点について、総務大臣としてはどのようなご認識か、お聞かせいただきたいと思います。

○石田国務大臣 

 議員御指摘のように、本来業務ということになれば、今お話のありました受信料の問題とか、放送法の問題とか、いろいろな課題が出てくるわけでありますが、今回、インターネットによる放送番組の常時同時配信について、NHKが、受信契約者への補完的なサービスとして実施可能とする制度整備を要望してきたことを踏まえまして、本法案を提出をさせていただいているものであります。

 また、他方、若年層を中心とするテレビ離れの拡大といった環境変化が生じつつあることは総務省としても十分認識をいたしておりまして、そういう意味合いから、将来的なNHKにおけるインターネット活用業務のあり方、あるいは御指摘のありました受信料制度については、今後のNHKの常時同時配信の実施状況、あるいは国民・視聴者から十分な理解を得られる制度とすべきといった観点から、中長期的に検討すべき課題であると認識をいたしております。

○井上(一)委員 

 NHKは様々なチャンネルを持っておりますが、今回の常時同時配信については総合テレビとEテレの地上波2波に限定しているわけです。この2波に限定した理由、それから、今4K、8Kの普及を進めていこうとしているわけですが、将来的に衛星放送についても対象を拡大する方向なのかについて、お聞きしたいと思います。

○荒木参考人 

 お答えします。

 常時同時配信につきましては、地上放送、すなわち総合テレビと教育テレビの放送番組を放送と同時にインターネットでも配信する考えであります。

 衛星放送の番組の配信につきましては、現時点では検討しておりません。

○井上(一)委員 

 現時点では検討していないということですが、将来的にどのようなことを考えているのかをお聞かせいただきたいのですが。

○荒木参考人 

 常時同時配信につきましては、地上放送をインターネットで配信するということで進めまして、その後、段階的に、普及状況などを勘案しながら更に検討していくということであります。

 現時点では検討していないということであります。

○井上(一)委員 

 やはり、民間放送との関係などを考えるとなかなか踏み込んだ発言は難しいと思いますが、将来的には4K、8Kも含めて同時配信をしていくということは考えられますので、中長期的な検討課題として捉えていただきたいと思います。

 NHKがインターネット業務に充てる費用を受信料収入の2.5%に抑えるという観点の質問をさせていただきます。

 この点については、午前中の参考人質疑の際に中村先生が、2.5%という数字にこだわるのは余り意味があることではなく、この2.5%を計算すると200億円弱程度になるところ、これでは足りず、1兆円規模程度まで投資していくべきものではないかとおっしゃっていました。

 この2.5%の水準について、NHKの考え方をお聞かせいただきたいと思います。

○荒木参考人 

 お答えします。

 NHKが受信料によって放送を実施する目的で運営されていることを踏まえますと、常時同時配信を含むインターネット活用業務に係る費用に上限を設けて適正に運用するという視点は重要だというふうに認識しております。

 放送法の改正が行われた場合には、それを踏まえましてNHKのインターネット実施基準を新たに策定しまして、総務大臣の認可を得ることになります。その中で適切に実施してまいりたいと思います。

 その際には、昨年11月の諸課題検討会の場で総務省から説明のありました区分経理など、会計上の透明性の確保についての新たな考え方も踏まえまして、事業費の内訳など、何にどれくらいの費用がかかるかをよりわかりやすく説明してまいります。

 適正な上限の中で抑制的な管理に努めて、会計上の透明性確保の新たな考え方に従いまして、十分な説明を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

○井上(一)委員 

 中村先生は、NHKが共通基盤の整備に積極的に投資していってもいいのではないかとおっしゃっていました。

 その関連で、ことしの3月20日の民放連の大久保会長への質疑の中で、記者の方が、民放とNHKが共通プラットフォームをつくってネット配信をしてはどうかという議論があるが、検討状況はいかがですかとう質問をしたのに対して、大久保会長は、現在、それに向けて具体的な動きがあるとは聞いていない、キー局がTVerへの参加をNHKに求め、それに対しNHKが協力しようしているとおっしゃったということです。そこで、今NHKとしてTVerにどういうような協力をされているかについて、お聞かせいただきたいと思います。

○上田参考人 

 お答えいたします。

 放送で培ってきました二元体制を維持しながら、放送と通信の融合時代におきましても、相互にメリットをもたらす協調や連携を進めることは極めて重要だと認識いたしておりまして、これに取り組んでいます。

 民放の公式テレビポータル、TVerにつきましては、今年度に参加できるよう、具体的な課題の検討や調整を進めているところであります。

○井上(一)委員 

 2.5%というのが上限値であるかのように捉えられていますが、こうした共通基盤にNHKが積極的に協力するということであれば、2.5%の枠外で考えても私はよいように思います。これは私の意見です。

 続きまして、NHKオンデマンドについて伺います。

 今度、常時同時配信がされますと、見逃し配信が可能となるわけですが、NHKオンデマンドと見逃し配信との関係はどういう切り分けになるのかについて、教えていただきたいと思います。

○木田参考人 

 お答えいたします。

 総務省の放送を巡る諸課題に関する検討会の第2次取りまとめにおいて、一定期間の見逃し配信を提供することは、国民・視聴者のニーズに対応するものであり、一定の合理性があるとされたことなどを踏まえ、常時同時配信のサービスにあわせて見逃し配信を行うことを検討しております。

 民放各社などが行っている見逃し配信の状況等を見ると、一週間の無料配信を行っている事例が多い状況です。こうした状況も参考にしながら、受信料を財源とする地上放送の見逃し配信サービスと、有料で提供するNHKオンデマンドとの関係について、サービスと財務の両面から今検討を進めております。

 現在のNOD利用者の利便性を損なわないことを前提に、収支均衡を意識しながら、より魅力的で利便性の高いサービスを提供することを目指しております。

○井上(一)委員 

 では、最後の質問です。上田会長にはいつもお願いをしているのですが、今度の大河ドラマに「麒麟がくる」が決まりまして、京都北部の皆様も大変喜んでおります。

 地域の活性化のためにも、ロケーションを京都北部等でやっていただきたいというお願いをしているところ、先日の附帯決議の中でも、協会は、地域の魅力を生かした活性化と発展の観点から、地域のさまざまな分野の関係者と連携を強化し、それぞれの地域ならではの魅力の紹介、地域の発展に寄与するコンテンツの充実をやってくださいということであります。

 「麒麟がくる」を活用して、地域の活性化にもぜひ生かしていただきたいと思っておりますが、現在の取組状況とか考え方があれば、お聞かせいただきたいと思います。

○上田参考人 

 お答えいたします。

 NHKは、経営計画の5つの重点方針の1つに多様な地域社会への貢献を掲げ、地域の魅力や課題を広く発信し、多様な地域社会への貢献を目指しております。

 大河ドラマの「麒麟がくる」につきましては、撮影はまだ始まっていませんけれども、ドラマのロケ地は、企画内容や予算規模、場面や設定にふさわしい風景、交通の便、地域からの要望など、さまざまな要素を総合的に勘案し、番組制作部門が決定いたしております。

 大河ドラマも含め、さまざまな番組で、それぞれの番組ならではの切り口で地域を取り上げ、多様な自然、歴史、文化、人々の暮らしなど、地域ならではの魅力を広く発信し、放送を通じて地域の発展に寄与してまいりたいと考えております。

○井上(一)委員 

 地域の皆様は大変期待しておりますので、地域の活性化のために、ぜひNHKとしても御尽力いただきたいと思います。

 では、質問を終わります。ありがとうございました。

 

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