○井上(一)委員
井上一徳です。
私も、新型コロナウイルス感染に伴う、地方経済の悪影響が本当に日々日々拡大しておりますので、これに対応する対策について質問をしたいと思います。
私の地元、京都北部を回っても、日に日に状況は悪化しておりまして、本当に深刻な声が聞こえてまいります。それで、総理もこの間、来週に緊急経済対策を取りまとめて、前例にとらわれることなく思い切った措置を講じていくと言われていますので、地方の経済対策についても思い切った措置をとってほしいということで質問をさせていただきます。
その前に、まず、今の地方の経済の状況について簡潔に御説明していただきたいと思います。
○茨木政府参考人
お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症は経済全般にわたって甚大な影響を及ぼしておりまして、我が国の景気は急速に厳しい状況になってございます。特に、人の移動が縮小する中、地域経済にも多大な影響が生じているということでございます。
各地域におきまして、景気に敏感な職場で働いている方々の景気判断について調査をしております内閣府の景気ウオッチャー調査というのがございますけれども、これで見ますと、景況判断がリーマン・ショック時並みの低い水準ということになっておりまして、特に飲食業、小売業、ホテル、旅行代理店等の方々からは非常に厳しい状況であるというようなコメントが多数寄せられてございます。
また、先行きにつきましても、感染症の影響による厳しい状況が続くというふうに見込まれておりまして、まずは感染拡大を防止し、その流行を早期に収束させるということとともに、事業、雇用の維持、生活を守るということに全力を挙げてまいりたいと考えております。
○井上(一)委員
今、リーマン・ショック並みということでしたけれども、私はもうはるかにリーマン・ショックをも凌駕する悪影響になっていると思います。
それを踏まえた上で、今、政府として思い切った経済対策を策定中だと認識しておりますが、どのような方針で今取りまとめを行われておられるのか、特に地方対策についてどのような方針で取りまとめを行われているか、御説明ください。
○茨木政府参考人
お答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の甚大な経済的な影響が見られる中で、先般、総理から新たな緊急経済対策の御指示があったところでございます。
日本経済を再び確かな成長軌道へと回復させていくために、甚大な影響のマグニチュードに見合う強大な経済政策を打っていくということとしておりまして、来週、緊急経済対策を取りまとめ、前例にとらわれることなく、財政、金融、税制を総動員して、思い切った措置を講じてまいりたいと考えております。
その際、これまでいただいたさまざまな御意見、御提案を受けとめつつ、地域経済の実情も十分踏まえながら、取りまとめを進めてまいりたいと考えております。
○井上(一)委員
私の認識は、もう今の状況というのは、江戸時代でいうと歴史的な大凶作だと思います。
それで、歴史的な大凶作のときに、人々はもう年貢は当然払うことはできないし、あすの生活もどうなるかわからないというような状況だと思います。そういうときに年貢を取るのかということです。
私は、こういう危機的状況であれば、まず税金は支払い猶予にする、あるいは免除にする、それから、生活給付金を支給する。新型コロナウイルス感染が終息するまでは、消費税をゼロにする、そして、特に生活に困っている方を対象に、一時金で10万円ということではなく、毎月10万円程度支給するくらいの思い切った措置が必要ではないかと思っています。
それで、資料を配っておりますが、リーマン・ショック後の経済対策と主な地方関連施策ということで、リーマン・ショックの後も政府としていろいろな施策がとられております。
平成20年の9月にリーマン・ショックは起こりましたが、その後の10月30日には、地域活性化・生活対策臨時交付金として6,000億円。そして、平成20年の12月19日に決定し、翌年の3月27日に成立した予算の中では、雇用創出等のための地方交付税増額、特別加算、別枠加算ということで1兆円。そして、平成21年の4月10日には、経済危機対策として、地域活性化・公共投資臨時交付金1兆3,790億円、地域活性化・経済危機対策臨時交付金として1兆円。これを単純に足しても、4兆円の規模になるわけです。
私は、総理が思い切った措置を講じると言われているのであれば、今時点で4兆円規模の経済対策を打ち出すべきだと思うのですが、高市大臣、いかがお考えでしょうか。
○高市国務大臣
リーマン・ショックのときには、もう今委員が御紹介くださったような大胆な対策が次々と講じられました。
まさに経済対策、今取りまとめの最中でございますので、そのときにはやはり地方公共団体のお声もしっかりと伺いながら、関係府省とも連携しながら、ベストなものをつくっていくという意気込みで頑張ってまいります。
○井上(一)委員
地方自治を熟知しておられる高市大臣の政治的手腕に大いに期待したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、前回の総務委員会でも、資金繰りに関する質問をいたしました。中小企業庁と金融庁にさせていただきました。
報道を見ますと、中小企業庁の関係ですと、3月末時点ですので、現在変わっていると思いますが、中小企業からは、相談9万件が来ており、そのうち、実際に融資等が行われたのは38,000件、約4割だったということですが、現時点でどのような状況になっているのでしょうか。
○渡邉政府参考人
お答えいたします。
融資相談件数につきましては約29万件、それに対しまして申込件数が約14万件というところでございます。
○井上(一)委員
29万件あって、申込みが14万件。私も、地元で、政策金融公庫の人は休みも出て対応されているのは聞いていますが、多分、全国いろいろなところで相談はふえていると思いますので、相談窓口の体制の強化は引き続きやっていただきたいと思います。
続いて、金融庁にも質問をいたしまして、貸付条件の変更など、柔軟に対応してほしいということを言っておりました。現在、金融庁として金融機関に指導、報告していると思いますが、今どういう状況になっているのか教えていただけますか。
○石田政府参考人
お答え申し上げます。
事業者の皆様から資金繰りに関する不安の声が非常に多く寄せられてきたことを踏まえまして、3月6日及び16日に、大臣から金融機関に対しまして、返済猶予などの条件変更について迅速かつ柔軟に対応するなどの事業者の資金繰り支援等のための要請を行ったところでございます。
金融庁では、この要請に基づきまして、民間金融機関の資金繰り支援に関する特別ヒアリングを実施するとともに、条件変更の状況につきまして銀行法に基づく報告徴求も行っております。
さらに、27日でございますけれども、このヒアリングの中で、他の金融機関においても参考になると思われる金融機関の対応事例を取りまとめて、金融機関がより迅速に事業者支援を行えるように促しているところでございます。
また、こうした支援策が事業者に周知されることが重要であると考えておりまして、現在、金融庁及び民間金融機関の取組に関するリーフレットを作成いたしまして、金融庁のホームページに公表の上、全国の自治体、商工団体等にも広く配付し、説明を行っております。
こうしたさまざまな取組を通じまして、全国の金融機関において積極的な事業者支援がなされるよう、金融庁として引き続きしっかりフォローしてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○井上(一)委員
中小企業の皆さんが廃業したり倒産にならないように、引き続き金融庁においても金融機関を指導していただきたいと思います。
それから、3月決算企業の消費税、法人税の納付が5月末に迫っているわけです。これについては猶予をするというような報道もありますが、現在どのような状況になっているのか、国税庁の方から教えていただきたいと思います。
○新井政府参考人
お答え申し上げます。
納税をしていただくに当たりましては、納税者個々の実情を十分に伺いながら対応させていただいているところでございます。
その際、個人、法人を問わず、国税を一時に納付することが困難な場合には、申請により納税の猶予が可能となっております。国税庁としましては、この猶予制度の適用に当たりまして積極的な周知、広報を行うとともに、納税者の置かれた状況に配慮しまして、例えば猶予の申請に当たりまして、納税者からの資料の提供が困難な場合には聞き取りにより審査を行うことで資料のやりとりを簡略化するなど、迅速かつ柔軟に対応するように、全国の国税局、税務署に指示を行っているところでございます。
納税者におかれましては、御不明な点等がございましたら、最寄りの税務署に御相談いただければと思っております。
○井上(一)委員
残りの時間で避難所について質問をしたいと思います。
台風19号とか一昨年の7月豪雨についてはまだ記憶は新しいところですが、そういう大きな災害があったら避難所に避難しないといけないわけです。
避難所というのは、密閉空間、密集場所、密接場面の3つがそろった場所になるわけです。無症状の新型コロナウイルスの感染者の方が避難所に避難されれば、そこが一挙にクラスター化するというおそれもあるわけです。
現時点で、こういった避難所対策についても十分考えておかないといけないと思うのですが、今政府としてどういうような検討をされているかについて、お聞かせいただきたいと思います。
○村手政府参考人
お答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染症につきましては、現在、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を定め、政府を挙げて取り組んでおるところでございますが、仮に、現状で災害が発生した場合には、この方針を踏まえて、避難所における感染症対策を徹底する必要があると考えてございます。
従来からの取組として、政府では避難所に係る各種ガイドライン等を定めまして、さまざまな必要な感染症対策を講じるよう、市町村に対して周知をしてきたところでございます。
さらに、昨日付で、災害発生時に可能な限り多くの避難所の開設を図っていく、また、ホテルや旅館の活用等も検討していただくとともに、避難者に対する手洗い、せきエチケットなどの基本的な感染対策の徹底、避難所内の換気や十分なスペースの確保について留意するよう、関係省庁連名で自治体宛てに通知を発出したところでございます。
発災後には、避難所における感染症対策を支援するために必要となる物資についてのプッシュ型支援など、必要な支援についてもしっかり努めていきたいと考えてございます。
以上でございます。
○井上(一)委員
マスクの準備とかいろいろ必要だと思いますし、専門家の意見を聞いて、ぜひ避難所がクラスター化しないように万全の措置をとっていただきたいということを要望して、質問を終わりたいと思います。