○井上(一)委員
井上一徳です。
本日は電波法の改正案の審議ということですので、まず冒頭に1問、電波法改正案について質問したいと思います。
今回の法改正案の中にはダイナミック周波数の共用システム等々盛り込まれているわけですが、私は全く異存ありません。私は、情報通信社会で著しくスピードが進展している中で、こういった法律でわざわざ規定するような話ではなく、政令や省令で迅速に対応するような仕組みを考えておかないと、日本の対応が世界の中でおくれてしまうのではないかと危惧しています。もっと大胆にスピードアップできるような法的な仕組みを考えたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○谷脇政府参考人
お答え申し上げます。
今般御審議をお願いしておりますこのダイナミック周波数共用システムの運用業務でございますけれども、専門的な知識経験を有する電波有効利用促進センターを活用して行うこととしたわけでございます。
従来から、この電波有効利用促進センターの業務、既存の業務はございますけれども、これまでの規定では読み込めないということから、新たに業務を追加的に規定をするということでございます。
ただ、今委員御指摘のとおり、電波を取り巻く環境は大きく変化しているということでございますので、柔軟かつ弾力的な制度の見直しという点についても継続的に取り組んでまいりたいと考えております。
○井上(一)委員
ぜひ検討していただきたいと思います。
それでは次に、本日閣議決定されると言われている緊急経済対策について質問したいと思います。
目玉の一つとして、現金給付があります。収入が大幅に減少した世帯を対象に30万円を支給するという案だ承知しております。これは自己申告制で、市町村が窓口になるということですが、市町村が窓口になるとなると、大変混乱して、新たなクラスターになるのではないかと私も危惧しております。
それで、この現金給付をめぐり、報道では、自公両党の会合でも異論が相次いだということでありました。自民党内の不満は、なぜ一律ではないのか、もらえる人ともらえない人で国民が分断されるとのことであり、そのとおりだと思います。世帯によって家族の人数は違う、不公平感が出る、線引きが複雑で市町村の事務手続が煩雑になるということも、全て指摘のとおりだと思います。
私は、一回撤回して、新たな案を考える必要があると思っています。
まず、今政府が考えているこの措置の内容及び対象者について御説明ください。
○黒田政府参考人
お答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の流行が終息するまでの間、雇用、事業、生活を何としても守り抜くことがまず最優先、こうした認識のもと、これから取りまとめます緊急経済対策において、感染症の影響を受け収入が減少し、事態収束も見通せずに日々の生活に困窮している方々に対し、迅速に手厚い思い切った支援の手を差し伸べる観点から、休業等により一定の水準まで収入が減少した世帯に、迅速に30万円の給付を行う方向で調整しております。
今回はスピード感が大事であり、自己申告に基づいて給付する案を検討しております。困っている方々にできるだけ迅速にお届けできるような制度としたいと考えております。
○井上(一)委員
対象者の数は、報道によれば、政府側は与党に対して、1,300万世帯を対象に3.9兆円の予算を組むと説明したとありますが、対象者の数は今どのぐらいだと見積もっておられますでしょうか。
○黒田政府参考人
現在、これから、経済対策取りまとめの最終調整中でございます。
○井上(一)委員
政府は1,300万世帯を対象にするということを与党に説明したということですから、これは数千万人の人が市役所に駆け込むということで、本当に大混乱するのは目に見えているわけです。
私は、リーマン・ショックの後にとられた定額給付金を参考に、原則全国民に10万円の支給を速やかにするということが必要だと思っていますが、リーマン・ショックの後にとられた定額給付金の措置の手続について説明していただきたいと思います。
○前田政府参考人
お答え申し上げます。
定額給付金は、リーマン・ショックに伴います景気後退下での住民の不安に対処するため、住民への生活支援を行うとともに、あわせて、住民に広く給付することによりまして、地域の経済対策に資することを目的として実施されました。
給付額は、全ての世帯を対象に、世帯を構成する方1人につき12,000円を基本といたしまして、基準日、具体的には平成21年の2月1日でございますが、この基準日におきまして18歳以下又は65歳以上の方につきましては、1人につき20,000円とされたところでございます。
こうしたことから、給付申請の手続につきましては、市町村から各世帯に対しまして申請書類を郵送し、各世帯からは、本人確認書類や通帳等の写しを添付の上、申請書を郵送又は窓口に提出するものとされたところでございます。
また、給付の方法につきましては、原則として口座振り込みといたしまして、振り込みによる給付が困難である場合には、現金交付によるということにされたところでございます。
○井上(一)委員
非常にわかりやすい手続だったと思いますが、今回のこの現金給付措置は、今どのような手続を考えておられるか、御説明ください。
○前田政府参考人
お答え申し上げます。
今般の給付金におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け収入が減少し、生活に困っておられる世帯に対しまして迅速に給付する枠組みとされております。収入状況を証する書類等を付して市町村に申請を行う方式を採用することを検討しているところでございます。
申請書の受け付けに当たりましては、申請される方や市町村の事務負担及び感染拡大防止に留意し、申請手続を極力簡便なものといたしまして、御自宅からの郵送やオンライン申請など、窓口申請以外の方法が基本となるよう検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
また、窓口で申請を受け付ける場合にありましても、受付窓口の分散など、感染拡大防止の徹底も図りたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、具体の実施方法につきましては、給付主体となります市町村の意見を十分に伺いながら、早急に検討を進めてまいりたいと考えております。
○井上(一)委員
そう言われても、市町村の方としては、送られてきた分はチェックせざるを得ないし、それを確認しないといけません。それは相当な時間がかかると思います。私は、煩雑な手続にならざるを得ないと思いますので、絶対に見直すべきだと思っています。私は、スピード感とわかりやすさから、リーマン・ショックの後のような定額給付金を参考に、迅速に実施すべきだと思っています。
私は、全住民を対象にまずは10万円を給付して。1,000万円以上の十分な所得がある住民には、確定した後に、返済を求める。そういうことで、まずは10万円を速やかに全住民に支給し、その後、自己申告制で、本当に生活に困っている人は、自分がこんなに困っているということを申告して、あとは毎月10万円支給する。それぐらいの制度にすべきだと私は思っています。
皆さんわかっているとおり、混乱するのはもう目に見えているわけです。自民党の皆さんも自治体が大混乱すると言われているわけです。そういう制度に突き進むというのは、私は国民に対する背信行為だと思います。
これは総務委員会として、総務省、それから全国の自治体も困るのは目に見えていますから、総務委員会として、無理だという意思表明をすべきだと思います。
ぜひ、委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。
○大口委員長
理事会で協議をいたします。
○井上(一)委員
では、続きまして、新型コロナウイルスの中小・小規模事業者に対する給付です。
これについては、中小企業には最大200万円、個人事業主には最大100万円を給付するという報道が出ております。これについて、今、具体的にどのような検討がされているか、御説明ください。
○渡邉政府参考人
お答えいたします。
昨日の対策本部におきまして、総理より、極めて厳しい状況にある中堅・中小企業につきましては200万円を上限に、個人事業者につきましては100万円を上限に、過去に例のない現金給付を行うとの趣旨の発言があったところでございます。
具体的な給付方法を含め、制度の詳細については検討中でございますけれども、必要な事業者に対して迅速かつ確実に給付が行き渡るよう、制度設計を進めてまいりたいと考えてございます。
○井上(一)委員
この申請をする際に、窓口、それからどのような申請手続が必要になってくるかについても、御説明いただきたいと思います。
○渡邉政府参考人
繰り返しになりますが、具体的な給付の方法を含めた制度の詳細につきましては、現在、鋭意検討中でございます。
いずれにいたしましても、必要な事業者に対して迅速かつ確実に給付が行き渡るよう、制度設計を進めてまいります。
○井上(一)委員
もし、これについても市町村が申請窓口になるということになると、市町村の職員の方々は対応できないと思います。窓口については、しっかり政府全体として考えていただきたいと思っています。
次に、この間、私、総務委員会で質問いたしまして、中小・小規模事業者が信用保証協会のセーフティーネット保証を受ける場合については金利のほかに保証料の支払いが必要となるということで、この保証料については、自治体によっては自治体が補助をするということをしているところもありますし、していないというところもあります。
私は、自治体によって補助するところがある、ないというのは不公平だと思いますので、全自治体が補助できるように仕組みを考えてほしいということで、総務省の方でも特別交付税で措置するということでしたので、ぜひそれを周知徹底してほしいというお願いをしておりました。この点については今どうなっているでしょうか。
○内藤政府参考人
お答え申し上げます。
本日取りまとめる予定の緊急経済対策におきまして、経済産業省が新たな資金繰り支援策を講じることを検討していると承知をしております。この新たな対策の決定に合わせまして、総務省といたしましても、経済産業省と連携し、新たな資金繰り支援策の内容と現行の特別交付税措置の周知を、緊急経済対策決定後、速やかに行ってまいりたいと考えております。
○井上(一)委員
ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それから、今回の緊急経済対策の中で、1兆円規模の、自治体が自由に使える臨時交付金を盛り込むという報道もありました。この内容についても御説明いただきたいと思います。
○長谷川政府参考人
お答え申し上げます。
今般の新型コロナウイルス感染症により、国民生活や地域経済は大きな打撃を受けて大変厳しい状況にあると認識しております。その対策には、国と地方の連携のもとに迅速に取り組んでいくことが必要であると考えております。
先日、地方3団体から、北村地方創生担当大臣に対しまして、地方公共団体が地域の経済回復とともに構造改革や効率化に取り組めるよう、リーマン・ショック時において実施した地域活性化・経済危機対策臨時交付金のような、自由度が高く、地方負担を軽減し、柔軟な交付金制度の創設について御要望を頂戴したところであります。
委員御指摘のような報道があったことは承知しておりますが、私どもといたしましては、現在、緊急経済対策の取りまとめに向けまして、政府内で、感染拡大の防止、地域経済、国民生活の支援により地方創生を推進するという観点から、このような地方の声にお応えできるよう、最終調整を行っているところでございます。
○井上(一)委員
前回の委員会で、私は、リーマン・ショックの後にとられた措置として、合計して3兆円の交付金、それから1兆円の交付税の特別措置の前例があるということで、安倍総理も、前例にとらわれることなく、思い切った措置を講じていくと述べられていますので、高市総務大臣も、リーマン・ショックをはるかに超える悪影響ですから、思い切った地方財政措置をとっていただきたいとお願いをしたところです。
これについて、高市大臣、どのように取り組んでいかれるか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○高市国務大臣
まだ緊急経済対策が閣議決定されておりませんので、具体の施策について、また、内閣府の方で制度設計されている施策についてはお答えできませんけれども、ただ、地方公共団体が担う役割というのが非常に大きくなってまいりますので、地方公共団体の財政運営に支障が生じないように、また、地方の窓口が混乱して感染拡大を招かないように、ここは十分に留意しながら事務に取り組んでまいりたいと存じます。
○井上(一)委員
ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それでは、NHKについて伺いたいと思います。高市大臣は、さきの総務委員会において、3月30日にNHK会長に、ホテル、旅館などの中小企業に関して受信料の減免を検討願えないかというお願いをして、NHKでは、今前向きに検討しているということでございました。
私は、中小企業だけではなくて、生活に困っている個人も含めてこの減免について検討していただきたいと思っていますが、今の検討状況について教えてください。
○松原参考人
お答えいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進み、未曽有の状況になっていることから、先ほどありましたけれども、先月30日、高市総務大臣から、旅館やホテルなどの中小事業者向けの受信料負担の軽減についての検討の要請があったことから、それを踏まえて、現在検討を急いでいるというところでございます。
多くの事業所が影響を受けていることは十分承知をしており、政府の検討や取組等も参考にしながら、免除の要件、それから範囲、規模等の検討を急ぐとともに、協会の財政への影響も見きわめた上で、NHKとしての対応をスピード感を持ってお示しできるように取り組んでいるところです。
また、世帯に関しては、今後の感染の拡大の状況、その影響、あるいは政府の検討や取組を注視し、適切に対応してまいりたいというふうに思っています。
○井上(一)委員
困っている国民の方が多いですので、困っている方々に寄り添った検討をぜひしていただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。