国会活動

送りつけ商法、契約書面の電子化

〇第204回国会 衆議院 消費者問題に関する特別委員会 2021年4月27日(火)

○井上(一)委員

 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。

 送りつけ商法の所有権について、質問をしたいと思います。

 私も、最初の理解は、送りつけられた瞬間にそのものはもう自分のものになって、処分もできるし、上げようと思えば上げれるし、捨てようと思えば捨てられる、まさにそういう権利が新たに発生したという理解をしていました。私はそれが所有権ではないかと思うのですが、所有権と今御説明になっている権利は何が違うのですか。所有権との違いは何ですか。

○片桐政府参考人

 送りつけ商法の規定と所有権との関係でございますけれども、我が国における法制全体も踏まえた送りつけ商法に係る規定の在り方を検討した結果、当事者間の合意なく、ある者の所有権を剥奪し他者に与えるという法的論理構成については、財産権との関係の整理など、極めて慎重な検討が必要であると判断するに至ったものであります。

 このため、消費者が送りつけられた商品をどう扱っていいか分からないという不安定な状況や、もしかすると送りつけた者から返還請求をされるのではないかという心配を払拭するため、より実用的な規定として、消費者が頼んでもいないものを一方的に販売業者が送りつけた場合は、その販売業者は商品の返還を請求することができないと規定することとしたものでございます。

○井上(一)委員

 これは本当に消費者の人は聞いていても分からないと思います。

 例えば落とし物だと、落とし物を拾って警察に届け出て、3か月たてば所有権が移転するわけです。これはもうまさに自分のものですから、処分もできるし、売ることもできるし、何でもできるわけです。これとの違いは何なんですか。

○片桐政府参考人

 お答え申し上げます。

 落とし物の場合には所有者が不明であるということでございますけれども、それと比べまして、送りつけ商法はそれと同列には論じられないのではないかというふうに考えております。

○井上(一)委員

 ということは、やはり所有権は送りつけた人、まさに事業者が所有権をまだ持っているということなのでしょうか。

○片桐政府参考人

 お答え申し上げます。

 所有権につきましては、我が国における法制全体も踏まえた送りつけ商法に係る規定の在り方を検討した結果、当事者間の合意なく、ある者の所有権を剥奪し他者に与えるという法的論理構成については、財産権との関係の整理など、極めて慎重な検討が必要であると判断するに至ったものでございます。

 このため、消費者が送りつけられた商品をどう扱っていいか分からないという不安定な状況ですとか、もしかすると送りつけた者から返還請求をされるのではないかという心配を払拭するため、より実用的な規定として、消費者が頼んでもいないものを一方的に販売業者が送りつけた場合は、その販売業者は商品の返還を請求することができないと規定することとしたものでございます。

 今般の法改正によりまして、消費者から見ると、送りつけられた商品を直ちに処分等ができることになります。この新たな制度については、コロナ禍での消費者の置かれた特殊な状況に乗じて詐欺的な行為を行おうとする悪質業者も見られることから、消費者庁としては、積極的に周知広報、普及啓発を行っていく方針でございます。

○井上(一)委員

 同じ答弁なんです。これは根っこの部分なんですよ。根っこがぐらぐらしているから説明も分からないんですよ。

 だって、所有権を剥奪できないということは、所有権は事業者、まさに送り主のものに、まだあるということですよね。所有権が事業者にあるままの中で、送りつけられた人は自由に処分できる。できないのではないでしょうか、怖くて。だって、所有権はないんだから。自分のものだと確信できてこそ、自由に処分できるわけでしょう。自分のものではないものを勝手に処分して、所有権は実はあなたではないのですと、持っている事業主、送りつけた人からそんなことを言われたら、怖くて何もできないじゃないですか。

 だから、明確に所有権が移ったんです、これはあなたのものなんですと明確に仕切りをつけるべきじゃないですか。

○片桐政府参考人

 お答え申し上げます。

 所有権については、慎重な検討が必要であるということでございます。

○井上(一)委員

 だから、所有権については慎重な検討が必要ということは、所有権は依然として送りつけた人にあるということですよね。そこだけ明確にしておいてください。

○片桐政府参考人

 お答え申し上げます。

 所有権については、送りつけた者に所有権があったとしても、今回の法改正で、消費者は送りつけられた商品を直ちに処分等ができることとなるものでございます。

○井上(一)委員

 所有権というのはまさにあらゆることができる、処分もできるし、これは誰かに上げてもいいし、使ってもいいし、それが所有権です。所有権は事業主のままにあってこういう新たな権利、はあり得るのですか。しっかり整理してもらわないと、消費者の人、困ってしまいますよ、本当に。

○高田政府参考人

 お答えいたします。

 今回の法改正では、直ちに処分できるというふうな改正でございますけれども、現行法においても、既に、14日間を経過するともう返還請求はできないということになっております。それを縮めただけでございます。

 これはかなり前に整備した法律でございまして、我々の理解としては、そのときの整理では、所有権が移るか移らないか、そういうふうな整理はせずに、しかし、返還請求ができないということなので処分できるというふうに整理され、長年運用されてきたものでございます。

○井上(一)委員

 長年運用してきたかどうかは別にして、今回、送りつけられた瞬間に消費者の人は何をしてもいい、処分をしてもいい、使ってもいい、売ってもいい、何をしてもいいということでしょう。だから、それは所有権なんじゃないんですかということなんです、それが。それが所有権じゃないんですか。

○高田政府参考人

 同じ答えになって恐縮でございますけれども、かなり、相当前でございますけれども、この法制度ができたときに、当時から、今まで14日間でございましたけれども、所有権を移転するというような整理はしておらずに、だけれども、返還請求できないので、結果として処分できるというふうな整理として、長年の間、これはいわゆるネガティブオプションと呼ばれておりますけれども、そういうような法律の運用が一般的に行われてきたところでございます。

○井上(一)委員

 いずれにしても、これは全てできるんですね。全て、何をやってもいいわけですね。もう自分のものになるわけですね、要は。送りつけられた瞬間にその人のものなんですね、もう。だから何をやっても何らおとがめがない。まさに自分のものとして扱っていいわけですよね。何か違いがあるんですか、だから、所有権との。

○高田政府参考人

 お答えいたします。所有権が移転するという整理は当時していないと承知しております。

 ですから、何でもと言われると、それは限界はあるのかもしれませんが、少なくとも処分はできるということでございます。

○井上(一)委員

 限界があるとなると、消費者の人もできないわけですよ、自由に。だから、そこの限界は何ですか。所有権と新たなこの制度との差分は、どこが差があるんですか。差があると、消費者の人は怖くて処分できないですよ。差がない、まさに所有権と一緒だったら自由にできるわけですよ。

○高田政府参考人

 お答えいたします。

 ちょっと訂正させていただきます。

 差がないというものでございます。ただし、所有権を移転するという整理はしていない。けれども、自由に処分できるという意味で差はないというものでございます。

○井上(一)委員

 全く一緒であったら、所有権は移転するということでいいんじゃないですか。だから、落とし物は3か月たったら自分のものになるわけですね、誰も出てこなければ。所有権が移転する。だから、それと同じことで、商品が到着した瞬間に所有権が移ったという整理をした方が分かりやすくないですか。

○高田政府参考人

 お答えいたします。

 先ほど片桐審議官が答弁したこともございますように、やはり憲法上の問題がございますので、所有権が移転ということに関しては慎重な整理が必要だということで、この法律、制度ができたときに、所有権の移転等々には踏み込まずに、処分はできるというふうな整理をしているんだと理解しております。

○井上(一)委員

 いや、だから、それを、まさに今、法律を出しているわけですから、整理をした上で法律を出すというのが当たり前じゃないですか。だから、所有権は移転するという整理をしっかりつけてこの法律を出すというのが当たり前ではないですか。

○高田政府参考人

 お答えいたします。

 2週間、14日間で返還請求できないという制度が既にありますので、それを今回縮めるということで、消費者被害の救済につなげるというものでございます。

○井上(一)委員

 だから、14日のときもいいんですよ。14日たったら所有権は完全に移転したわけですよね、そうすると。

○高田政府参考人

 現在の14日間の制度でも、14日たったら所有権が移転するという整理はしていないと承知しております。

○井上(一)委員

 だから、結局、堂々巡りの議論になるんですよ。

 じゃ、所有権とその差は何ですかといったら、差はないんでしょう、全く。全くなくて、自由に処分できるわけでしょう。自由に処分できる権利、これが所有権なんじゃないですかということです。

○高田政府参考人

 繰り返しになりますが、この送りつけというのはかなり前も相当な問題になりまして、当時、英知を絞ってといいますか、所有権の問題には踏み込まずに、ただし、返還請求できないという法律を作ることによって、14日たったら自由に処分できるということで消費者を救済しようということで作られたものかと理解しております。それを、今回、受け継ぐものでございます。

○井上(一)委員

 いや、だから、その当時も曖昧だったわけですよ。曖昧なものを、曖昧だったので、これでそのまま行かせてくださいではなくて、今度は本当に困っている方を、被害者を救うということですよね。被害者を救うには、被害者が分かりやすく、理解できないといけないわけですよ。だから、あらゆる処分ができますよ、これは所有権があなたに移ったんですよと言えば、所有者の人も、これはもう自分のものなんだと思うわけですよ。だから、何をやってもいい。だから、自分のものなんだから、あえてお金を払う必要もないわけですよ。

 もう一度、政府部内でしっかり認識の統一をした方がいいと思うんですけれども、どうですか。

○高田政府参考人

 お答えいたします。

 繰り返しになりますが、憲法の問題もございますので、所有権の移転というような形の整理にするには慎重であるべきだと考えております。

 いずれにせよ、今の法律の14日間を縮めることによって、消費者被害の救済につなげるというものでございます。

○井上(一)委員

 同じなんですよ、だから。慎重な検討は必要なんですよ、財産権だから。だから、先ほど言ったように、物を拾ったときでも3か月たってそれで所有権が移るということを、きちんと法律で、もう民法で決められているわけですよね。同じような考え方の整理を民法も含めてしっかりやるべきじゃないですかというのが、私の指摘なんです。

 済みません、もうあと3分しかないので、この議論はまた引き続きしたいと思います。これは、やはり、根っこの部分なので、本当、大事だと思いますよ。前はこうだったのでこの考え方を受け継ぎましたでは、私はもう駄目だと思うんです。消費者の方が理解しやすい形、これをやはりしっかり整理する、しっかり整理した上で、それを周知徹底する、これが、やはり、今の消費者庁には求められていると思います。

 残りの時間で、書類の電子化について。

 私も、今のデジタル化の流れを考えると、こういうこともあり得るのかなというふうに思ったりもしたんですが、やはり、これは消費者の被害を防止する法律ですから、防止しないといけないわけですよね。利便性を求める法律ではなくて、消費者の被害を防止する法律ですから、どうやったら防止できるのか。

 その観点から、意見もたくさん来ているわけですね、本当に心配する意見が。やはり、そういう心配する人の気持ち、そこにしっかり応えていかないといけない。

 今、現時点で、消費者庁にはどのぐらいの意見が寄せられているんですか。

○高田政府参考人

 お答えいたします。

 本法律案を国会に提出した本年3月5日までに、契約書面等の電子化に反対する意見について、消費者庁に意見書を提出した団体数は48でございます。内訳は、弁護士関係20、司法書士会等5、全国知事会1、消費者団体等22でございます。いずれにしましても、書面の電子化に反対、若しくは慎重な検討を求めるべきものでございます。

 その後、4月23日までに、更に、弁護士関係15、消費者団体等28、司法書士会等4、地方公共団体関係4、生活協同組合連合会3などが届いておりまして、4月23日時点で意見書を提出した団体数は123でございます。いずれも電子化に反対、若しくは慎重な意見を求めるものでございます。

○井上(一)委員

 こういう声に応えていかないといけないと思うんですね。電子化について、私は、もうちょっとやはり一呼吸置いて、政府の中でももう一度よく検討し、消費者の方の意見を聞く、こういう姿勢が大事じゃないかと思うんです。

 今まさに、先ほどの議論を聞いていても、政令、省令の考え方は示されましたけれども、まさにこれから制度設計ですよね。これから消費者の意見を聞く。やはり、制度設計をしっかりして、消費者の方々の意見を聞いて、納得できるものにした上で実行していく、そういうスタンスが非常に重要だと思うのですが、大臣にこの点についてお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○井上国務大臣

 消費者庁としては、消費者団体などの御意見も十分に踏まえながら、決して消費者にとって不利益になることがないよう、政省令、通達などの策定過程において詳細な制度設計を慎重に行い、消費者の利便性の向上や消費者利益の保護の観点から、万全を期してまいります。

○井上(一)委員

 よりよい法律にしていくために、しっかりとやはり与野党協議はしていくべきだということを申し述べて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

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