国会活動

地方財源の確保、地方財政の安定

〇第204回国会 衆議院 本会議 2021年3月2日(火)

○井上一徳君

 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。

 地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して、反対の立場から討論をさせていただきます。

 新型コロナウイルス感染症の再拡大を受けた緊急事態宣言については、3月1日より6府県について先行解除されることとなり、首都圏の1都3県については、3月7日の期限どおりの解除を目指すこととされました。

 新型コロナウイルス感染症については、各地で変異株が確認されるなど、いまだ予断を許さない状況にあり、感染再拡大の警戒を決して怠ることなく、今後とも感染防止対策を徹底していかなければなりません。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、地方経済は疲弊しており、地方税収は大幅な減少が懸念されています。一方で、地域における事業者支援や感染拡大防止、医療体制の確保など、地方自治体の役割が一層重要となってきています。

 地域住民に密着する地方公共団体が地域の実情に応じた政策を迅速的確に実行できるようにするためには、地方税収を始め、必要な地方財源を確保しておくことが重要です。そのためには、地方財政審議会意見にあるように、地方税の充実確保を図るとともに、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築が求められています。

 令和3年度は、地方財政において約10.1兆円にも上る巨額の財源不足が発生しています。この財源不足を補うため、臨時財政対策債が約5.5兆円発行される予定になっています。地方財政の健全な運営のためには、臨時財政対策債のような借金に頼るのではなく、地方交付税総額をしっかり確保しておくことが重要です。

 地方交付税法第6条の3第2項では、地方財源不足が著しく過大となっているときは、地方行財政に係る制度改正又は交付税率の変更を行わなければならないとされております。

 総務省は、毎年度の概算要求において、同項に基づく交付税率の引上げについて事項要求していますが、平成27年度を最後に、引上げはなされていません。コロナ禍で地方財政が非常に厳しい状況にある今こそ、政府は交付税の法定率引上げに真正面から取り組むべきではなかったのでしょうか。

 新型コロナウイルス感染症の拡大は、国と地方の在り方を見詰め直す契機となりました。交付税の法定率引上げを含む地方財政の在り方についても抜本的に見直す時期が来ているということを申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。

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