国会活動

契約書面の電子化、送りつけ商法

〇第204回国会 衆議院 消費者問題に関する特別委員会 2021年5月11日(火)

○井上(一)委員

 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。

 本日は、河上参考人、石戸谷参考人、池本参考人、増田参考人の皆様には貴重な御意見を賜りましてありがとうございました。

 私も、今論点になっている、契約書面の電子化について御意見をお聞かせいただきたいと思います。

 先日の消費者特の中で、私の方から、契約書面等の電子化に反対する意見はどのくらい来ているのですかということをお尋ねしました。

 そうすると、これは4月23日時点ということで、まだ増えていると思いますが、電子化に反対、若しくは慎重な意見を求めるものが123団体ありまして、その中には、弁護士関係、消費者団体等も多いのですが、全国知事会とか、それから地方公共団体、そういったところからも非常に慎重な意見が出ているわけです。

 私は、被害を防止して保護するというのが今回の法律の目的ですから、そういう観点に立つと、極めて慎重に検討するというのが大事ではないかと思っています。

 その中で、池本参考人も、やはりオンラインによる英会話指導契約のような契約類型に絞って導入することが本筋だということで、私も、そのとおりだと思っています。

 全ての電子化に反対するというわけでもなく、限定してスタートするということがいいのではないかと思っていますが、その点について、増田参考人に御意見をお伺いしたいと思います。

○増田参考人

 ありがとうございます。

 まさしくITリテラシーの問題に関わることだと思いまして、オンラインで申込みをして、オンラインで英会話を受けようという方は、ある程度のリテラシーをお持ちの方だというふうに思いますので、そういう方についてのオンラインによる交付というのはあり得るのかなというふうに思います。

 ただ、それが、本人がリテラシーが高いと思っているというようなケースも多々ございまして、そこの理解が、実際と本人の理解が違うというのは消費生活相談の現場ではよく見ておりますので、なかなかそこの区分けは難しいかなとは思いますが、もし線引きするのであれば、そこの部分かなというふうに思います。

○井上(一)委員

 ありがとうございました。

 河上参考人は、検討委員会の委員長として取りまとめに御尽力されたということで、敬意を表したいと思います。

 ここの契約書面の電子化について、今もいろいろな意見がありましたが、改めてこの委員会で、ほとんど議論がなかったということもありますし、現時点でどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

○河上参考人

 委員会ではなかった問題ですから、その意味では、ちょっと困ったなというのが正直な感触でございました。

 せっかく法案として皆さんから両手を挙げて賛成してもらえるようなものができそうだったのに、この電子化という問題が浮上してしまったために、こんなに議論が盛んに行われているということであります。

 ただ、電子化に関しては、先ほど来申しておりますけれども、これは、ある意味では、デジタル庁もできて政府全体として電子化に向けて動いているときに、ある程度、それが書面の代わりに使われるような場面というのは認めざるを得ないというのが個人的な感触でございます。全ての取引類型に関して電子化をどんどんやればいいというような発想はむしろ私は危険だということは、前々から申し上げているとおりでございまして、それぞれの取引類型に応じて、どこまでが電子化で可能かというのをきっちりと詰めていくということをやってほしいと考えております。

○井上(一)委員

 大変有意義な、参考になる御意見をいただきました。そういう御意見も踏まえて、よりよい法案にすべく、やはり知恵を絞っていかないといけないと思いました。

 それから、次に、送りつけ商法について質問させていただきたいと思います。

 私、ここは、送りつけました、そうしたら、その送りつけられた人は、送りつけられた瞬間から自由に処分していいということになるので、これはまさに所有権が移転したことになるのではないですかということで、この間の委員会では議論をしたんですが、なかなかうまくかみ合いませんでした。消費者庁の答弁は、こういう答弁でした。所有権については、送りつけた者に所有権があったとしても、今回の法改正で、消費者は送りつけられた商品を直ちに処分等ができることになるものですと。

 所有権は依然として事業者にある。けれども、送りつけられた商品を処分する、あらゆる処分をすることができる、こういう整理なんですけれども、私は、消費者の側からいくと、自分が所有権を持っているんだったらですよ、処分を自由にしやすい、けれども、所有権は事業者にまだあるんですと言われたら、怖くて処分できないんじゃないですかと。

 そういう意味からいうと、悪質な事業者ですから、いや、所有権は私のものだよ、何であなた勝手に処分したんですよと言って、やはり、法律に詳しくない消費者の方々は、いや、済みませんでしたと払わないといけなくなるのではないかということで、所有権がきっちり移転したんだという整理をした方が消費者にとって分かりやすいのではないですか、まさに消費者の被害を防止するという観点の法律ですから、消費者に分かりやすいような説明をした方がいいのではないですかということを議論したんですけれども、なかなかかみ合わないんです。

 この点について、法律の専門家である河上参考人、石戸谷参考人、池本参考人に、ちょっとお考えを聞かせていただきたいと思います。

○河上参考人

 これは学校のゼミでやれば大変面白いテーマになるというふうに思いますけれども、基本的には、私が間違えてAという人に渡そうと思ったのをBという人のところへ送ってしまったというときに、その物の所有権はどうなるかというと、私のところに残っております。

 ですから、その意味では、送りつけの人は、その人のところに送ったからといって所有権を放棄したわけではないんだというのが一般的な考え方になりそうであります。

 しかし、この送りつけ商法自身は、ある意味では、これは、不法な原因、不法な目的を持って送りつけたものでありますから、その限りで、不法原因給付に基づく返還請求権はなくなるというのが民法の考え方。だとしますと、判例では、不法原因給付で相手に対して渡されたものは、それが返還請求ができないことの反射的効果として、相手のところに所有権は移転するというふうに説明しております。したがって、そのような、所有権が相手に反射的効果として移転した以上はそれを直ちに処分して構わない、換金しても構わないという結論になるはずであります。

 ただ、そのことを正面切って書くのがなかなか難しかったということだろうと思うんですが、理屈としては私はそれで筋は通ると考えております。

○石戸谷参考人

 27日の質疑を伺っていて、ちょっと実務家として余りその辺を詰めていなかったもので、大変難しい問題だなと率直に思いました。

 だから、送りつけを贈与の申込みと見て、受け取った段階で承諾とみなしてしまえば所有権は移転するんですけれども、その路線は取らないというのが消費者庁の説明なので、そうであるとすると、所有権はあるんだけれども返還請求できないんだから反射的効果として処分したって構わないんだ、こういうふうにすっきり整理した方がまだいいんじゃないかな、何か今の状態だと余りはっきりしないものが残るなというふうに思っております。

 ちょっと実務家として雑な答弁ですが、そういうところです。

○池本参考人

 日弁連から送りつけ商法についての規制の在り方、意見書を出すときに、諸外国の法制度を少し調べました。国によっては、贈与とみなすことができるという言葉を使っていたんです。贈与とみなすではなくて、みなすことができると書いてあって、何でだろうといろいろ考えたんですが、我々の中の議論では、例えば有害な商品で、廃棄するのに逆に費用がかかるようなものを送りつけられて、所有権が当然に自分になったらそれも逆に困るな、仮にそうだとすると、贈与とみなすことができるにしなきゃいけないのかなと。

 ただ、返還請求権の喪失は、喪失されたものとみなすことができるという書き方だと、消費者は意味が分からなければ、請求されたとき、どう言っていいか分からない、それは困る、むしろそこはもう原則禁止にしなきゃいけないということで、所有権の帰属の問題は私たちも触れないで、代金請求ができないとか損害賠償請求はできないという、個々の請求権ができないということを明記せよという書き方と、それから行政処分権限があればいいな、こういう意見にしたというところがあります。

 したがって、所有権が当然に移るというふうに言ってしまうのは、なかなか難しい問題があるのかなという気がします。

以上です。

○井上(一)委員

 よく分かりました。ありがとうございました。今日の御意見も踏まえて、もう少し政府との間で議論をしてみたいと思います。

 それから、電子メールによる解除の効力発生ですけれども、これについては、池本参考人、増田参考人、ここをしっかり明記すべきだという御意見だったと思いますが、この点について、河上参考人、石戸谷参考人にそれぞれ御意見をお聞かせいただきたいと思います。

○河上参考人

 クーリングオフの行使をするときに電子メールを使った場合ということだと思いますが、基本的には、クーリングオフ権を行使するというときに意思表示に代えて電子情報を発したという場面については、今まで法律には全く規定がないのです。恐らく法制局レベルでの議論をしたときには、ここは今はまだ全くオープンな状態なので、ここで決め打ちをするということに対しては相当抵抗があったんじゃないかというふうに思います。

 ただ、意思表示に代わって電子情報が発せられたというような場合には、書面が発せられたのと実質的には等価であるというふうに考えて、発せられたときにその効力を生ずるということは明記しておいた方が、いろいろな形でトラブルを避けることができるし、そのことが発信主義になるのか到達主義になるのかというのは、言葉としては使わない方がむしろいいんじゃないかという気がしております。

○石戸谷参考人

 27日の質疑を伺っていまして、消費者庁の方も、発したときに効力を生ずるんだという御説明でしたけれども、今の条文からしてちょっとなかなかそれは無理があるんじゃないか、やはり明記しないとそこはすっきりしないんじゃないかというふうに思います。

○井上(一)委員

 ありがとうございました。

 大変有意義な御意見を賜ることができまして、これから、与野党でよりよい法案にできるように私も努力していきたいと思います。

 今日はありがとうございました。

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