国会活動

中国の尖閣諸島への領海侵入に対する抗議、帰国困難な在外邦人

〇第201回国会 衆議院 外務委員会 2020年4月10日(金)

○井上(一)委員

 井上一徳です。よろしくお願いいたします。
 投資協定の質問に入る前に、まず、中国の尖閣諸島に対する最近の行動について質問したいと思います。
 資料を配っておりますが、3月に接続水域入域への侵入がずっと続き、3月20日には領海侵入をしている。そして、最近の新聞では、4月8日にも領海侵入をしている。それで、3月、4月だけで話に、1月、2月にも領海侵入している。資料を配っておりますが、接続水域でも、前期と比べても5割増しという状況です。
 これは東シナ海だけではなくて、南シナ海でも同じように、中国が海洋覇権へ強行ということで、中国政府に所属する公船がベトナム漁船に体当たりしたり、台湾周辺では軍事訓練をふやしたりしているという状況なわけです。
 今まさに国際社会がこの新型コロナウイルスとみんな一生懸命戦っている最中に、努力に水を差すというか、邪魔をするという行動は本当にけしからぬことだと思います。
 孫文がこういうことを言っておりました。中国革命の父の孫文ですね。今でも中国、台湾、双方から尊敬を集めている方ですが、今から100年前に日本の神戸でこう言っておられます。日本は西洋覇道ではなく東洋王道を目指せ。まさに武力ではなく仁義、道徳で対応しろ、やってほしいということを孫文は日本に期待したのだと思います。私はまさに今の中国にこの言葉がふさわしいのではないかと思っています。
 大臣、ぜひ、領海侵入に対して、これまでは形式的な抗議にとどまったと思うのですが、一度、大使を呼んで、本当に中国はこういうことをやっていたらよくないということをしっかり私は伝えた方がいいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。

○茂木国務大臣
 今、我々が戦うべきなのは新型コロナウイルスだ、そのように思っております。そういった中で、尖閣諸島周辺海域において、中国公船によります接続水域航行及び領海侵入が継続している。いつものときでもそうですけれども、こういった状況でありますから、極めて遺憾だ、このように考えているところであります。
もちろん外交ルートを通じても、そのたびごとに抗議を行っておりますが、私も、例えば王毅国務委員と会談のときには、この問題、きちんと提起をして、中国側に行動の是正、こういったことも働きかけをしているところであります。
 また、例えば昨年も、ASEMの会合、スペインの方で開かれましたが、王毅外相もいる前で、ほかの国の外相もいる前で、みんなのいる前で、南シナ海の問題等々、明確に日本の立場、力による一方的な現状変更の試み、これは断じて許容できない、こういったこともしっかり申入れをしているところであります。
 大使を呼ぶのがいいのか、もう1回王毅さんに言うのがいいのか、よく考えてみたいと思います。

○井上(一)委員
 ぜひ中国に対して、強く言っていただきたいと思います。
 それでは、帰国困難者の問題で、今、3,300名の方が帰国を希望されていて、そのうちの400名の方が手段がまだ見つかっていないということでありましたが、よく誤解をされて、行っておられる方は旅行で行っているんだろう、もう自己責任なので、日本は今大変だから、しばらく戻ってきていただかなくてもかまわない、そのままいてほしいという意見も耳にします。私の理解では、企業の駐在員の方とかJICAの方とか、最前線で、まさに日本の国益を背負って頑張っている人は私は多いと理解しているのですが、今、どういう方が帰国困難者としているのかについて、御説明いただきたいと思います。

○大隅政府参考人
 お答えいたします。
 現在、航空便の運航停止等により、希望しているにもかかわらず、出国できない邦人の方々には、御指摘がございましたとおり、旅行者や留学生だけでなく、日本の民間部門で経済を支える企業関係者や、国際協力そして発展途上国の国づくりを支援するODA関係者もいらっしゃるということを承知しております。

○茂木国務大臣
 なかなか、毎日、帰国を希望される方の人数も変わったり、その国によって状況も違うんですが、若干、例えば、ペルーの事案で旅行者の方は注目をされている部分もあるんですが、比較的、途上国、こういうところで言いますと、企業の関係者、さらにはJICAの関係者の方の方が多い。各数字を見ておりますけれども、私の印象としては、そういった、お仕事で行かれている、若しくはその国の開発支援のために携わっている方、こういった方がたくさんいらっしゃる、こんなふうに考えております。

○井上(一)委員
 そういう日本の国益を背負って頑張っておられる人たちに、やはり安心、一日も早く安全な日本に戻ってきてもらうという姿勢が大事だと思っています。
 それで、帰ってくるときに条件があって、検疫所長の指定する場所で14日間待機し、国内において公共交通機関をしないよう要請していますと外務省のホームページにまだ書いてあります。これは緊急経済対策で、公共交通機関にかわる移動手段の確保について、関係省庁の連携により十分確保するとなっているはずなのに、今なおホームページでは変わっていません。
 この点について、厚生労働省として責任を持って、2週間違うところで待機してもらって、それが終わったら、政府が用意する移動手段で帰ってもらうということをしっかりやるべきだと思っているのですが、今どういうふうな状況で、この後ホームページについても変える予定はないのかについて、お聞かせいただきたいと思います。

○浅沼政府参考人
 お答えいたします。
 新型コロナウイルスの感染症の流行地域から帰国される方につきましては、自宅あるいはホテル等における待機を要請しております。
 帰宅に係る費用あるいは検査結果待ち以外に係る宿泊費用などについては自己支弁としているところでございます。
 これは、単に新型コロナウイルス感染症の流行地域から入国したという理由だけで、PCR検査の結果が陰性だったことが確認された方には、一律に健康監視のための施設で待機させることについては、その方々の日常生活に必要以上の制約を設けることとなるので、人権上望ましくないというふうには考えております。
 現在、新型コロナウイルス感染症対策は正念場を迎えておりまして、お一人お一人が自発的に感染拡大防止のための行動をとっていただくことが重要と考えており、流行地域からの帰国者の方に対しましては、御不便をおかけしながらも、感染拡大防止のために待機措置を要請していることについて御理解、御協力をいただけるよう、引き続き求めてまいりたいと思います。
 なお、こうした方々の宿泊支援でございますが、実態としましては、まだ宿泊を拒否されるような施設等も、ホテル等ございますので、空港近隣の宿泊施設で、私どもの方で、こういった方々を受け入れてもらえる宿泊施設に関する情報も提供し、その宿泊施設への移動支援、借り上げバスの運行を行っているところでございます。

○井上(一)委員
 時間が来てしまいましたのでもう質問はやめますが、14日間ととめ置かれるのでは困るから帰国は取りやめようという方もおられるのは間違いないわけです。そういう方がいないように、国としてしっかり責任を持って対応してほしいということを要望して、終えたいと思います。
 ありがとうございました。

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