国会活動

沖縄の基地問題、自衛官の人事施策

〇第195回国会 衆議院 安全保障委員会 2017年12月5日(火)

○井上(一)委員 

 今回、初めて質問をさせていただきます。

 防衛省・自衛隊で勤務している際には、小野寺大臣初め職員の皆様に大変お世話になりました。改めて感謝を申し上げます。

 日本の安全保障のために建設的な議論をしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 本日は、沖縄の基地問題、それと人事施策を中心に質問をさせていただこうと思います。まず最初に、最近、国民の皆様の間でも心配される方が大変ふえている、北朝鮮籍と見られる木造船や遺体の漂着の事案が急増しておりますので、これについてまず海上保安庁に質問をさせていただきたいと思います。

 昨日、第一管区海上保安本部それから北海道警察ともに現地調査を行ったという報道がございますが、この調査で判明した事実関係について教えていただきたいと思います。

○奥島政府参考人 

 お答えいたします。

 昨日、4日でございますけれども、海上保安庁の職員5名が北海道警察の職員とともに松前小島に上陸をいたしまして調査を実施しております。

 海上保安庁におきましては、当庁が管理してございます松前小島灯台の被害状況を調査いたしましたが、灯台に電力を供給いたします太陽電池パネル、これの一部が取り外されるといったような状況が確認されております。

 詳細につきましては引き続き調査中でございますが、これまでのところ、灯台の機能に支障は生じておらず、付近航行船舶への影響はございません。

○井上(一)委員 

 ありがとうございました。

 急増している背景として、今現在、海上保安庁としてどのように考えておられるかについて、教えていただきたいと思います。

○奥島政府参考人 

 お答えをいたします。

 海上保安庁が確認しております平成25年以降におけます朝鮮半島からのものと思われます漂着あるいは漂流木造船等の件数でございますけれども、これが年間45件から80件の間で推移をしてございます。

 昨今、委員御指摘のとおり、日本海沿岸への木造船の漂着といったものが相次いでございますけれども、今年の11月にはこうした漂着あるいは漂流船が28件、12月に入ってからも5件確認されており、例年冬場が多いという傾向でございます。

 この漂着等の原因でございますけれども、一般論ということで申し上げますならば、これらの木造船が、特にこの時期荒天になることが多い日本海の気象、海象、こういった影響を受けまして、日本海の沿岸に漂流あるいは漂着しているものと考えられるところでございます。

○井上(一)委員 

 先ほど申し上げましたように、国民の間でも大変心配される方々がふえておりますので、ぜひ、国民の安全、安心のために、海上保安庁のみならず政府全体で情報収集、分析、それから警戒監視に万全を期していただくようよろしくお願いしたいと思います。

 では、海上保安庁の部長、これで結構です。ありがとうございました。

 それでは、続きまして、沖縄の基地問題について質問をさせていただこうと思います。

 私は、平成26年7月からの2年間、沖縄防衛局長として沖縄で勤務しておりました。沖縄に実際に住んでみて、改めて、沖縄戦の悲惨さ、それから県民の受けられた犠牲の大きさ、そして米軍占領時代の苦しみ、そして今なお当時の痛みを忘れることができずに生きておられる方が多数いらっしゃるということを実感いたしました。

 一方で、米軍も、地域住民の方々との信頼関係を構築するために相当努力しています。私も参加させていただきましたが、沖縄県中部の嘉手納空軍基地では、毎年、沖縄県内の多くの知的障害者が嘉手納基地に集って、徒歩競走やボール投げの競技を行うスペシャルオリンピックが行われ、嘉手納基地の米軍人のほとんどがボランティアで手伝っておられました。競技に参加している本人はもちろんのこと、御両親、それからおじいさん、おばあさんが、一緒になって大変喜んでおられました。ほかの米軍基地でも、清掃活動とか英語教室、本当に多くのボランティア活動が行われておりました。報道等にはあらわれない沖縄の実像の一端を直接感じることができたと思っております。

 さて、最近の厳しい国際情勢を踏まえると、我が国の安全保障において、沖縄の戦略的重要性は増すことはあっても減ることはないと思います。米軍が沖縄に安定的に駐留することは日米安保体制を維持するためにも必要不可欠ですが、まず地域住民の理解、それから安全、安心の確保が重要だと思います。

 最近、米海兵隊のCH53Eヘリが火災により東村へ緊急着陸した事故や、那覇市での飲酒運転死亡事故など、立て続けに重大事件、事故が発生し、しかも、米軍ヘリの事故に関しては、日本側への十分な説明がないまま飛行が再開されたと承知しております。

 米軍のたび重なる事件、事故、そして事故後の不信を招きかねない米側の対応により、日本政府や沖縄県との信頼関係が崩れ、米軍が安定的に駐留できる環境が損なわれているのではと危惧しておりますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。

○小野寺国務大臣 

 井上委員におかれましては、特に沖縄防衛局長として沖縄の負担軽減に取り組んでいただいたこと、今でも私、記憶に残っております。また、今回、日本の安全保障、そしてまた沖縄の負担軽減のためにも政治の道へと進まれたということを承知しております。委員のこれからの政治の場での御活躍を御期待申し上げます。

 今御指摘がございました米軍による事件、事故、本来はあってはならないものと考えております。これまでも累次にわたり、事件、事故再発防止と綱紀粛正の徹底について申し入れております。

 そのような中、委員御指摘のCH53Eヘリの事故や交通死亡事故が発生したことは極めて遺憾であり、米側に対して強い遺憾の意を示し、綱紀粛正、再発防止、さらには御遺族に対する誠意ある対応について強く申し入れたところであります。先日も、私からマティス長官に対して、また、安倍総理からトランプ大統領に対して、米海兵隊のCH53Eヘリコプターの事故を含め、米軍の事件、事故等に関する地元の懸念に真摯に対応することが重要である旨述べたところであります。

 防衛省・自衛隊としては、沖縄県民、ひいては日本国民の米軍に対する信頼が米軍による事件、事故によって損なわれることがないよう、これからも米側に対して、安全面に最大限配慮するとともに、事件、事故の再発防止のための実効的な措置をとるよう、引き続き働きかけてまいりたいと思っております。

○井上(一)委員 

 ありがとうございました。

 報道で、2008年から2015年の8年間に、在日米軍人軍属とその家族による犯罪件数が沖縄1県で全国の総数の47.4%を占めるという、全国知事会内に設置されている米軍基地負担に関する研究会が報告をまとめたという記事がありました。

 沖縄に私がいたころ、沖縄は本土に比べて事件、事故が多いのではないかと言われたことがあるのですが、その点について政府としてはどのように認識されているでしょうか。

○深山政府参考人 

 お答え申し上げます。

 ただいま委員御指摘の全国知事会の研究会による活動報告書において、沖縄県における米軍人軍属、家族の犯罪検挙件数の割合が、全国のそうした数の47.4%であるという数字が示されておることは我々も承知しておるところでございます。

 一方、防衛省が把握しております平成25年3月31日現在の米軍人軍属、家族の人数につきましては、在沖の米軍人軍属、家族の割合が、日本全土に住んでおります軍人軍属、家族の割合の49%ということになっておるところでございますから、割合から申しますと、沖縄における米軍人等による事件、事故の比率について一概に申し上げることはできないのではないかと考えております。

 今大臣からも御答弁しましたように、米軍における事件、事故は本来あってはならない、沖縄であっても本土であっても本来あってはならないものでございます。

 防衛省といたしましては、その防止のためにはまず米側の努力が重要であると認識しておりまして、事件、事故の再発防止策が着実に実施されるよう、米軍に対して、例えば米軍人軍属による事件、事故防止のための協力ワーキングチームなど、さまざまな機会を通じて働きかけてまいりたいと考えておるところでございます。

○井上(一)委員 

 いずれにいたしましても、沖縄において米軍が安定して駐留するためには、事件、事故をなくさなければならず、そのための抜本的な取り組みが必要だと感じております。

 本土における米軍基地と沖縄における米軍基地の違い、それは、本土では、旧軍の基地を引き継いだこともあり、米軍基地と自衛隊基地が共同使用され、基地が同一区域内にある、あるいは隣接している場合が多いということであります。三沢とか横須賀、岩国、佐世保などがその例です。他方で、沖縄では、米軍の専用地区がほとんどを占め、自衛隊基地と距離的にも離れているという場合が多いということであります。

 米軍基地と自衛隊基地が隣接していれば、米軍人と自衛官が触れ合い、米軍人が自衛官を通じて日本を理解する、日本での振る舞い方を学ぶという機会が自然と醸成されるのではないかと私自身は思っています。

 本年10月31日の朝日新聞に、日本版海兵隊、2020年代前半に沖縄へという見出しで、600名程度の水陸機動連隊をキャンプ・ハンセンに配置するという記事が載っておりました。

 私は、これをさらに進めて、那覇市に所在する第15旅団、そして那覇空港に隣接する陸上自衛隊訓練場もあわせてキャンプ・ハンセンに移転させればいいのではないかと個人的には思っております。これによって、先ほど申し上げた、米軍人と自衛官が触れ合う機会がふえますし、沖縄全体における基地負担の軽減、そして那覇市を中心とする沖縄県の経済発展にもつながり得るのではないかと考えております。

 在沖米軍トップのニコルソン中将も、沖縄の全ての基地を対象に自衛隊との共同使用を図るべき旨発言しており、大臣のリーダーシップのもと、前向きに検討していただければありがたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○小野寺国務大臣 

 委員御指摘のように、共同使用ということは大変重要な考えだと思います。日米の施設・区域の共同使用については、今後充実させるべき日米協力分野の一つであると考えており、本年8月の日米2プラス2の共同発表においても、「閣僚は、相互運用性及び抑止力を強化し、地元とのより強い関係を構築するとともに、日本の南西諸島におけるものも含め自衛隊の態勢を強化するために、日米両政府が共同使用を促進すること」を再確認しておりますし、マティス長官との間で、このことについては共通の認識だと私は感じております。

 また、今御指摘の、水陸機動団の3個連隊目については、その設置について、次の中期防の策定等の議論を通じて検討していくものであり、現在、何らその3個目の編成については決まっておりません。したがって、キャンプ・ハンセンへの配備などの具体的な計画はありません。

 いずれにしても、共同使用については、現時点では個別具体的な計画は決まっておりませんが、部隊の任務との適合性、地積の確保、地元との関係等を踏まえて、今後幅広く検討を行っていく考えであります。

○井上(一)委員 

 ありがとうございました。

 沖縄の基地問題については、大胆な発想のもとで、大胆な取り組みが必要だと思いますので、引き続き、大臣、よろしくお願いしたいと思います。

 続いて、人事施策について質問をさせていただきます。

 日本は少子化、人口減少の時代を迎え、自衛官の募集対象年齢人口は平成6年をピークに減少し、今後10年ごとに約100万人ずつ減少する見込みというふうに聞いております。

 特に、2士などの若年層の採用が今後ますます厳しくなると思いますので、2士などの若年層の処遇には特段の配慮をする必要があると思いますが、今般の給与改定に当たって具体的にどのような配慮がなされているのかについて、お聞かせください。よろしくお願いいたします。

○武田政府参考人 

 お答えいたします。

 本年の人事院勧告に基づく給与改定については、民間の初任給との間に差があることなどを踏まえ、一般職の国家公務員において、初任給、若年層に重点を置いた俸給の引き上げが行われることから、自衛官の俸給についても、一般職の国家公務員の給与改定に準じて、初任給、若年層に重点を置いた俸給の引き上げを行うこととしております。

 具体的に申し上げれば、本年の給与改定における自衛官全体の俸給の改定率が0.23%、704円増であるところ、自衛官候補生に対する自衛官候補生手当を1,000円引き上げるほか、2士は0.7%、1,200円増、1士は0.64%、1,199円増、士長は0.56%、1,115円増となっており、いずれも自衛官全体の俸給の改定率と比べて高い水準であり、2士などの若年層に重点を置いた給与改定となっているところでございます。

○井上(一)委員 

 自衛官の給与は一般職の国家公務員に準じた改定が行われておりますが、人事院としては、民間に同じような業務が存在しない刑務官それから海上保安官などの待遇については、どのような考え方で民間との比較をされているのでしょうか。自衛官の2士と同様、体力を必要とするような特殊な職務については、人口減少という採用がますます厳しくなる状況を踏まえて、若年層に今後とも特段の配慮をしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○嶋田政府参考人 

 お答えいたします。

 御指摘のありました刑務官、海上保安官といった職種を含め、公務に有為な人材を確保するとともに、高い士気を持って職務への精励がなされるよう適正な給与を確保することは、国民の安心、安全な生活を実現する観点からも重要なものと考えております。

 一般職の職員の給与に関する法律におきましては、多様な職種に対応するため複数の俸給表を定めておりまして、刑務官、海上保安官等に適用される公安職俸給表につきましては、それぞれの職務の特殊性を評価して、一般の行政事務を行っている職員に適用されます行政職俸給表(一)よりも高い俸給月額を設定しております。

 なお、本年の俸給表改定では、全俸給表におきまして初任給を含め若年層に重点的に引き上げ改定を行ったところでございます。公安職俸給表につきましても、行政職俸給表(一)との均衡を基本としつつ改定を行っておりまして、有利性が引き続き確保されております。

○井上(一)委員 

 2士などの若年層を今後とも安定的に確保していくためにも、民間準拠を基本としている一般職の国家公務員の給与に準じて改定を行うという現在の方法が妥当なのかについて、検討する時期に来ているのではないかと思っております。

 平成18年9月に防衛庁長官を委員長として設置された防衛力の人的側面についての抜本的改革に関する検討会におきましては、自衛官の階級を反映した独自の俸給表の構築を提言しておりますが、これを踏まえた検討を進めていく考えはないでしょうか。

○武田政府参考人 

 自衛官の俸給につきましては、昭和25年の警察予備隊発足時から、類似する警察官の俸給を基礎に、常時勤務態勢などの自衛官の勤務の特殊性を考慮した俸給としており、自衛官の俸給の改定は、人事院勧告に基づき、民間準拠を基本とする一般職の国家公務員の給与改定に準じて行うことで、その信頼性、公正性を確保してきたところでございます。

 今委員御指摘の、防衛力の人的側面についての抜本的改革に関する検討会報告書につきましては、平成19年6月に防衛省において取りまとめられたものでございますが、この報告書の内容については、私ども、各種検討を行ってきたところでございます。

 その中で、幹部の年齢構成の見直しや、早期退職制度の創設、新たな階級の創設、幹部と曹士自衛官の別建て俸給表の検討については、それぞれ密接に関係するということでパッケージで検討を行ってまいりました。

 現時点においては、その前提となる、高年齢である曹からの3尉任用、C幹部と称しておりますが、その廃止でございますとか、上級曹長に対する高い給与評価に見合った幹部からの権限の委譲などの幾つかの課題が整理されるに至っておりません。

 したがって、その実現には現在至ってはおりませんけれども、防衛省といたしましては、自衛官は我が国の防衛という崇高な任務に従事しており、自衛官としてふさわしい処遇を確保していくことが重要であると考えておりまして、引き続き自衛官の処遇に関する施策について不断の検討を行って、適切な措置を講じてまいりたい、このように考えております。

○井上(一)委員 

 次に、上級曹長制度についてお伺いいたします。

 上級曹長等は指揮官の統率に対する補佐、部隊の規律維持などを目的に、陸海空の各自衛隊に設けられているポストであり、私自身は、その上級曹長等になられる方は、識見、人格とも立派な方が多く、組織にとってのかなめのポストになってきていると認識しております。

 上級曹長等が組織のかなめになっていると思っておりますので、職務にふさわしい処遇を行うべきだと考えておりますが、上級曹長に対してこれまでどのように処遇してきたか伺いたいと思いますし、それから、処遇については、今後、手当、叙勲等についても配慮が必要だと思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。

○武田政府参考人 

 陸海空自衛隊においては、優秀なベテランの准尉や曹長である自衛官を、陸上自衛隊では最先任上級曹長または先任上級曹長として、海上自衛隊では先任伍長として、航空自衛隊では准曹士先任として、幕僚監部や部隊等に配属しておるところでございます。

 各自衛隊では、准曹士自衛官または曹士自衛官にかかわる事項について指揮官の補佐などを行わせることにより、部隊等の規律維持や士気の高揚を図っておりまして、委員御指摘のように非常に重要な役割を担っているものと認識しておるところでございます。

 先任上級曹長等につきましては、指揮官が主宰する重要な会議への参加や個室での勤務など、その職責に応じた待遇を講じております。また、これまで先任上級曹長等の処遇を確保するために、先任上級曹長等であることの自覚と誇りを持たせ、さらなる勤務意欲の向上を図る観点から、平成29年4月、本年4月ですが、先任上級曹長等に対する防衛記念章を新設したところでございます。なお、退職後の処遇として、一般に先任上級曹長等は危険業務従事者叙勲の対象ともなっております。

 防衛省といたしましては、先任上級曹長等の処遇については、その職責を適切に評価したものとなるよう不断の検討を行って、適切な措置を講じてまいりたいと考えております。

○井上(一)委員 

 最後になりますが、小野寺大臣には、最先任の上級曹長等と懇親を深めていただける機会を設けていただければ隊員の士気高揚にもつながると思いますので、あわせて御検討をよろしくお願いいたします。

○小野寺国務大臣 

 私も、部隊視察をするたびに上級曹長等の重要さを認識しております。

 これからも、部隊視察をする際に直接声を聞くような機会を積極的に設けてまいりたいと思いますし、また、各自衛隊においては定期的に主要な部隊等の上級曹長等が一堂に会しており、こうした場に出席して意見交換する機会も持っていきたいと思っております。

○寺田委員長 

 井上一徳君、申し合わせの時間です。

○井上(一)委員 

 どうもありがとうございました。

 

 

【 地域の行事や集会への参加 】

地域行事・ミニ集会・座談会などありましたら、お知らせください。
少人数の集まりでも、どこでも参ります。
皆様とお話しさせて頂くことを楽しみにしています。
ぜひ下記のお問い合わせからご連絡ください。

 お問い合わせ

PAGE TOP