国会活動

訪問部隊の地位協定、自衛隊の米国での地位協定

〇第198回国会 衆議院 外務委員会 2019年4月12日(金)

○井上(一)委員 

 希望の党の井上一徳です。

 本日は、今、日本とオーストラリア、それから日本とイギリスとの間で、訪問部隊地位協定が交渉中で、日豪、日英間でいろいろ議論されているという報道がありましたので、この件について聞きたいと思います。

 訪問部隊地位協定と申しますのは、日本の自衛隊がオーストラリアに行ったとき、イギリスに行ったとき、それから、オーストラリア、イギリスの軍隊が日本に来たときに、お互いに滞在した際の軍人、自衛官の法的な地位を定めておこうというものであります。

 今この現状についてどうなっているか、教えていただきたいと思います。

○安藤政府参考人 

 お答え申し上げます。

 日豪間におきましては、自衛隊とオーストラリア国防軍との間の共同運用及び演習を円滑化すべく、行政的、政策的及び法的手続を改善する相互訪問に関する協定、いわゆる日豪円滑化協定の交渉を行っているところでございます。

 この協定につきましては、現在交渉中でございまして、交渉の詳細については差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしましても、日本としましては、豪州との間で引き続きしっかりと交渉を進めていく考えでございます。

 それから、日英間でございますけれども、本年1月の日英首脳会談の際に発出した日英首脳共同声明にございますとおり、将来のあり得べき交渉を見据え、自衛隊と英国軍の共同運用、演習を円滑にするための行政上、政策上、法律上の手続を改善する枠組みに引き続き取り組んでいるところでございますが、御指摘の訪問部隊地位協定の締結につきましては何ら決定していないところでございます。

○井上(一)委員 

 ぜひ日豪間、日英間でも今後進めていっていただきたいと思いますが、私はやはり、これはアメリカとの間でも必要なものではないかと思っております。

 資料でつけさせていただきましたが、河野大臣の公式サイトでのブログの中で、2011年の3月でこういうふうに言われています。

 来年度予算の中に、自衛隊と米軍の訓練をグアム島で実施する訓練移転の経費が入っている。これが認められれば、自衛隊が継続的にグアム島に出かけていって米軍と共同訓練を実施できることになる。自衛隊員が米国内で訓練し、生活するわけだから、彼らの米国内における法的地位を定める必要がある。ちょうど日本国内に駐留する米軍の兵隊の法的地位を定めるように。

 少し飛ばしまして、日米両国政府は、日米地位協定が定めている法的地位をちょうど鏡に映したような米日地位協定を制定すべきだ。それにより、米国の兵士に与えられていたのと同じ法的地位が自衛隊員にも与えられることになる。日米地位協定が変更されれば、米日地位協定も同時改定され、両国の兵士の法的地位が常にお互いの領土内でイコールになるようにすれば、地位協定が一方的に不公平だということもなくなり、地位協定の取扱いも変わってくるだろう。

 こういうことでありまして、新大臣には積極的にイニシアチブを発揮してもらいたいということで終わっておりまして、次の資料につけておりますけれども、外務委員会でも同じような議論をされておりました。

 私も全く同感でありまして、ぜひ、米日地位協定をつくるべきだと思うのですが、その前提として、まず、自衛隊が、米国領土内で現在どういうような訓練が行われているか、教えていただきたいと思います。

○森田政府参考人 

 お答え申し上げます。

 自衛隊は、戦術技量の向上及び米軍との連携強化を目的といたしまして、平素からさまざまな共同訓練を日米間で実施しております。

 米国領土内で実施する共同訓練として、例えば、陸上自衛隊が平成29年度において行った主なものを申し上げますと、6月にアラスカ州で行いました米陸軍との共同訓練、アークティックオーロラ、9月にワシントン州で行いました米陸軍との共同訓練、ライジングサンダー、10月から11月にかけてカリフォルニア州で行いました海兵隊との共同訓練、ドーンブリッツ、同じく1月から2月にかけてカリフォルニアで行った米海兵隊との共同訓練、アイアンフィストといったようなものがございます。

 また、単独の訓練で、米軍の演習場を使用しまして射撃訓練などを行う場合もございます。

○井上(一)委員 

 今までの外務省の説明でいけば、仮に米国領土内で自衛隊員が何らかの事件、事故を公務中に起こしたというような場合には、米国の裁判権からは免除されるということに一般的にはなると思いますが、そういうことをきっちり米国との間でも議論をしておくということが非常に重要だと思います。

 大臣、ぜひこの点については、一度米国とも話をしてみる価値があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○河野国務大臣 

 在日米軍は、日米安保条約に基づき我が国防衛の義務を負っており、同時に、施設・区域の使用を認められて我が国に駐留しております。日米地位協定は、このような目的で我が国に駐留する在日米軍の安定的な駐留を図る観点から、在日米軍等の法的地位を定めるために締結した国際約束であります。

 一方、自衛隊については、従来から米国において訓練を行ってきていると承知をしておりますが、その目的は、あくまで自衛隊自身の練度の維持向上のためであり、その規模も在日米軍のように大きくはなく、米国での滞在期間も一時的なものであるので、我が国防衛の義務を負って駐留している在日米軍と同列に論じることはできないという考え方もございますが、訓練もこれだけふえているわけでございますから、米国で訓練を行う自衛隊員の法的地位を定める、日米地位協定と同様の協定を締結すべきという考え方は、今申し上げた、米軍と自衛隊の相手国における滞在の目的や性格が違うわけですけれども、そういう違いを踏まえ、また、防衛省・自衛隊のニーズがどんなものがあるかということも勘案しながら、これは十分検討していくべき、検討に値する、そういう課題だというふうに認識をしております。

○井上(一)委員 

 前向きな答弁、ありがとうございました。ぜひ、やはり検討を進めていっていただきたいと思います。

 この間、横田空域について、全面返還に向けて日本としてもぜひ取り組むべきだということで、河野大臣からも、米国と今後しっかり調整をしてまいりたいということでありました。しっかり調整をしていただきたいということで、どのように調整を進めるのかというのを聞こうと思っていたのですが、ちょっと時間がありません。

 以前、平年21年度に横田空域の全面返還に関する条件について検討が既に終わっておりまして、この資料をぜひ提出していただきたいということだったのですが、それについては、米側との関係もあって、現時点では出せませんという回答でありました。

 これは今後の委員会の審議にも必要な資料だと思いますので、ぜひ提出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木政府参考人 

 お答え申し上げます。

 一般論として、日米地位協定の運用を含む日米間のさまざまな外交上のやりとりについては、相手方があることではございますが、国民の皆様に丁寧に御説明する観点から、公表できるものは公表するよう努めることが望ましいと考えております。

 他方、その上で、御指摘いただきました、2006年のロードマップに基づく横田空域全体のあり得べき返還に要する条件に関する日米間の検討については、既にしかるべく完了しているところでございます。

 当該検討の結果については、関連空域の再編成や航空管制手続の変更のためのさまざまな選択肢に関する包括的な検討の一環に位置づけられるものでございまして、そのような位置づけの中で日米間で協議した内容でもあることから、現時点で当該検討の結果をお答えすることは差し控えたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○井上(一)委員 

 これは米側と調整して、資料として提出していただきたいと思います。委員会としてもぜひ協議していただきたいと思いますが、委員長、どうでしょうか。

○若宮委員長 

 理事会で後刻協議させていただきます。

○井上(一)委員 

 では、よろしくお願いいたします。

 以上で終わります。

 

【 地域の行事や集会への参加 】

地域行事・ミニ集会・座談会などありましたら、お知らせください。
少人数の集まりでも、どこでも参ります。
皆様とお話しさせて頂くことを楽しみにしています。
ぜひ下記のお問い合わせからご連絡ください。

 お問い合わせ

PAGE TOP