○井上(一)委員
希望の党の井上一徳です。
私も、先週で統一地方選が終わりましたので、この関連について質問をしたいと思います。
その前に一点、消費税増税について確認をしておきたいのですが、先般、萩生田自民党幹事長代行が、日本銀行の六月の短観の結果次第では消費税増税の延期もあり得ると発言されまして、その後、釈明されているようです。私自身も、今の経済状況などを考えると消費税増税を行う環境にはないと思っておりますが、改めて、地方消費税も所管されている総務大臣のお考えを確認させていただきたいと思います。
○石田国務大臣
消費税率10%への引上げは、全世代型の社会保障制度の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するために、ぜひとも必要なものと認識をいたしております。
したがいまして、リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り、法律で定められたとおり、本年10月に消費税率を引き上げるというこれまでの方針どおり準備を進めてまいりたいと考えております。
○井上(一)委員
一応、これまでの方針どおり進めるということを確認させていただきました。
それでは、本論に入りまして、資料を2つ、皆さんのところにお配りさせていただいておりますが、統一地方選挙における投票率の推移ということで、昭和22年からずっと傾向値が書かれています。昭和26年が都道府県の県議選ということで91%、そこから低下してきまして、県議選について見ると、今回の平成31年は、書いてありませんけれども、44%程度で、さらに低下しているという状況です。
それから、資料2を見ていただきたいのですが、これは無投票当選者数の割合の推移ということで、都道府県議選について言えば上がってきておりますし、今回、平成31年の統一地方選についても、無投票当選者数がふえてきたという状況です。
民主主義の根幹である投票について非常に問題が深刻になっているということで、いろいろ議論があったと思います。
この統一地方選を受けて、さまざまな課題が見えてきたと思いますが、まず、総務大臣の御所見をいただきたいと思います。
○石田国務大臣
今回の統一地方選挙におきましても、投票率の問題、あるいはなり手不足の問題等が大きく取り上げられたわけでございます。
投票率の問題につきましては、天候とかいろいろな要因がございまして、一概に申し上げられませんけれども、やはり低い状況となったことは非常に残念なことだというふうに思っております。
また、なり手不足の問題についても、この場で随分と御議論をいただいておるわけでございまして、先ほど桝屋議員にも答弁をさせていただきましたけれども、このなり手不足の問題等につきましては、今、それぞれの議会における違いがあるものですから、三議長会に対しまして、それぞれの課題、背景に応じた対応策等について研究をお願いをしているところでございます。
私といたしましては、現在の地方議会に関して、まず、議員のなり手不足と投票率の問題、さらには、先ほども御議論がございましたけれども、身分や処遇の問題、そして制度のあり方等の課題がある、そのように認識いたしておりまして、三議長会から御意見をいただいた上で、その御意見等も踏まえながら、総務省として検討しなければならないと考えているところでございます。
○井上(一)委員
議員のなり手不足についても、桝屋先生に対するご答弁を、私も聞いておりました。その中で、三議長会に対して今研究をしてもらっている、その研究結果も踏まえてまた総務省として検討していくということでありますが、この問題は非常に切迫感を持って、スピード感を持ってやっていくことが重要だと思っています。
そういう意味で、大臣として、このなり手不足問題について、どのようなスピード感、スケジュール感で進めていこうとされているのか、お伺いしたいと思います。
○石田国務大臣
先ほど答弁申し上げましたように、三議長会に対しましては、ことしの1月十五15日から18日にかけてお願いをしたところでございまして、特段、検討の期限を区切るようなことはしておりませんけれども、それぞれの団体で真摯に御検討いただいておるところでございまして、統一地方選挙もございました、それも終了いたしましたので、一定の検討が得られれば、御回答いただけるものと考えておるところであります。
○井上(一)委員
ぜひ、三議長会に対しても、今の検討状況を確認していただいて、できる限り速やかに検討結果を出してもらって、総務省としてもぜひスピード感を持って取り組んでいただきたいと思っています。
それと、あと、33次の地方制度調査会は今、地方自治のさまざまな課題について、どういうような課題があるかということを整理していると聞いておりますが、議員のなり手不足問題についても、地方制度調査会で私は議論してもらった方がいいのではないかと思っているんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○北崎政府参考人
お答えいたします。
第32次地方制度調査会では、人口減少が深刻化し高齢人口がピークを迎える2040年ごろから逆算し顕在化する諸課題に対応する観点から、必要となる地方行政体制のあり方について調査審議することとされておりまして、当面、人口減少が深刻化し高齢者人口がピークを迎える2040年ごろから逆算し顕在化する諸課題とその対応について審議を進めているところでございます。
委員御承知のとおり、地方制度調査会は、専門小委員会があり、また総会があり、その中で具体的にどういった事項を取り上げてどういう順番で議論するかは、まさに調査会自身で決めていく仕組みとなっておりますので、それを支える事務的な内閣府また私ども総務省として見れば、そこはなかなか答弁しづらいところでございます。
以上でございます。
○井上(一)委員
もし地方制度調査会でやらないのであれば、大臣のもとに有識者会議をつくってそこで議論するなど総務省としても積極的にリードしていく検討課題だと私は思っています。
このなり手不足を考えるに当たって、背景はさまざまあるということでありましたが、私自身幾つか考えられるのは、まず、若い人とか女性の方、とにかくやる気はある人が選挙に出やすい環境をつくっていくことが大事だと思っておりまして、今の選挙制度では、どうしてもお金も必要だし、それから人手も必要だというところで、やる気があっても、選挙に出たいと思っていても二の足を踏んでしまうため、ハードルを下げていくということが大事だと思っております。
例えば、事務所の設置とか運動員の確保、それからポスターの準備、ポスターへの証紙張りということになると、どうしてもお金も人手もかかるということで、こういう制度を少しでも改めて、お金も人手もかからない選挙制度にしていくということが大事だと思っていますが、この点について、総務省としてはどのような取組が考えられるでしょうか。
○大泉政府参考人
お答え申し上げます。
お金や人手のかからない選挙の実現という御指摘でございますが、これは、多様な人材が立候補しやすい投票環境に資する面もあると認識しているところでございます。
ただ、選挙の仕組みは、あるいは選挙運動のあり方につきましては、これまでの国会における審議や各党間の議論を経て現在のルールが設けられてきたものと承知しております。
今ありましたビラやポスターの証紙の話でございますけれども、これは、公正公平の、候補者間の均衡を保つために枚数を制限する、金がかからないようにということもありまして、また、公営もしておりますことで、枚数を制限しているところの証紙をもってその枚数の担保にするというようなさまざまな理由や経緯があって定まっているものでございますので、このような選挙制度あるいは選挙運動のあり方にかかわる問題につきましては各党各会派で御議論いただくべき問題と考えております。
○井上(一)委員
私自身は、証紙張りなどはもっと効率化できるんじゃないかと思っておりますが、いずれにしても各党各会派でよく議論していくことが大事だということで、各党各会派で真剣に選挙制度のあり方については考える時期が来ているのではないかと思っております。
いずれにしても、都道府県議、政令指定都市市議、市町村議など、さまざまな地方議会の議員がありますが、報酬について各自治体の判断だということになれば、どうしてもやはり財政力の強い自治体と弱い自治体で差が生じざるを得ないと思いますが、この格差が生じることが私自身は大きな問題だと思っているのですが、総務省の認識を聞かせていただきたいと思います。
○北崎政府参考人
お答えいたします。
まず、一般職の地方公務員の給与については、地方公務員法の規定に基づいて、地域民間給与や国家公務員の給与を考慮して決定されるものであります。
しかし、議員は特別職でございまして、特別職であります議員の報酬については、地方公務員法の規定を受けずに、地方自治法第203条の規定に基づいて、議員としての職務の特殊性を踏まえて条例で定めることとされているところでございます。
議員の報酬は住民の負担で賄われるものでございますので、その金額については、議会での十分な審議や第三者機関である特別職報酬等審議会の意見を聞くことなどを通じて、住民の十分な理解と納得が得られるものとすべきであると考えているところでございます。
○井上(一)委員
最後に、地域おこし協力隊について質問をさせていただきます。
これは大臣も力を入れておられて、8000人を目標に進めていくということですが、この地域おこし協力隊の方々の話を聞いてみると非常に熱心で、やはり情熱を持ってまちづくりに取り組みたいという人たちが多いのです。
地域おこし協力隊の方には、ぜひ町議、村議になって町や村の仕組み自体も変えていこうということで、町議選に出ようか、村議選に出ようかと思っておられる方もおられます。
盛岡市の地域おこし協力隊の女性が村議選に出て当選して精力的に活動しているというような報道もありました。
これは、地域おこし協力隊のOBの方だと思うのですが、現職の地域おこし協力隊の方も、仮に地方議会選挙に出たいとした場合には、今の法律上どうなっているのか、確認したいと思います。
○北崎政府参考人
お答えいたします。
地域おこし協力隊は、地方公務員として自治体に直接任用されるほか、自治体の委嘱を受けて、民間の外部団体の職員等として勤務することが可能でございます。どの業務についてどのような任用、勤務形態とするかについては、基本的には、各地方自治体において判断されてくるものでございます。
公職選挙法89条の規定によりまして、協力隊の隊員が臨時又は非常勤の嘱託員であるなど一定の例外を除いては、地方公務員は、在職中、公職の候補者となることはできないということでございます。
他方で、民間の外部団体の職員として、自治体と雇用関係がなく、自治体から直接給与が支払われない形態で勤務する場合には、公職選挙法89条の規定には該当せず、一定の例外を除いて、地方自治法第92条の2に規定する兼業の禁止に該当しないものと考えられます。
ただし、この場合においても、自治体の定めます要綱やその外部団体の就業規則の規定により、兼業が禁止されていないことが必要となってまいります。
議員のなり手不足については、地域おこし協力隊も含め、あるいは地域おこし協力隊の方であるかどうかにかかわらず、多様な方が参画できるようにすることが必要だと思っておりまして、労働法制やあるいは公務員法制のあり方に留意して、検討を行う必要があるものと考えているところであります。
○井上(一)委員
質疑時間が終了しましたので終わりますけれども、地域おこし協力隊の方々がやはり選挙に出れるような方向性で検討していくことが、私は大事ではないかと思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
以上で終わります。