国会活動

消防団員の処遇

〇第198回国会 衆議院 総務委員会 2019年2月5日(火)

○井上(一)委員 

 希望の党の井上一徳です。

 最後の質問になりますが、よろしくお願いいたします。

 昨年は、7月の豪雨災害を始め、本当に災害の多い年でありました。私は、消防団の活動なくしてはこういった災害対策はできなかったと思いますので、消防団の、特に処遇面について、質問をさせていただきたいと思います。

 7月の豪雨災害の被害状況を見るために、8月に希望の党として現場に行ってまいりました。その際に、呉市の東消防署長からいろいろ説明を受けまして、安浦町というところがあるのですが、その消防団員の方が、住民の方々に逃げてくださいという声をかけながら回っていたときに、土石流に巻き込まれてお亡くなりになったということをお聞きしました。42年間ずっと消防団員をやっておられた方ということで、もう本当に消防団員のかがみだと思っております。

 まさに、消防団の中核というのは人だと思いますので、この消防団員の処遇について、特にみずからを犠牲にして職務を遂行した消防団員の遺族補償を含めて質問をさせていただきたいと思います。

 まず、消防団員の方への報酬について伺いたいと思います。

 資料をつけております。これは総務省の消防庁の資料ですが、年額報酬及び出動手当についてというのがあります。この中で、交付税の単価としては36,500円ということになっておりますが、自治体の支給額は条例で定めるということになっておりますので、このとおりにはなっておりません。

 条例で定める年額報酬の状況は以下のとおりということで、ずっと年額報酬がありますが、ここの交付税単価で書いてある、36,500円になっているところは27.3%ということで、36,500円未満が大体4分の3ぐらいになっているという状況です。

 もう一つの資料で、都道府県別に平均額の一覧表というのがございまして、これを見てもらうと、最高のところで、埼玉県で61,202円、これは平成30年度ですが、一番最低のところは山梨県で12,000円ということで、相当の差が開いています。5倍もあります。

 これは都道府県ですので、市町村になると更にこの格差が広がっていると思います。

 消防団員の方に聞いてみると、ボランティアということで、それほど報酬は気にしていないんだと言われますが、活動に報いるという観点から、余り大きな格差があるのは問題だと思います。

 まず、消防庁の方に、市町村で一番高いところ、それから低いところを示していただいた上で、なぜこのような大きな格差が生じているのか、また、この格差是正のために、これまでにもいろいろ取り組まれていると聞いていますが、どのような取組を行ってこられたのか、御説明いただきたいと思います。

○横田(真)政府参考人 

 お答え申し上げます。

 まず、市町村の年額報酬の額でございますが、御指摘のように、市町村ごとに条例で定めるということでございまして、一番高いところは、沖縄県伊是名村、これが207,000円ということでございます。最も金額の低い市町村でございますが、山梨県の鳴沢村でございまして、3,000円ということになっております。

 その理由でございますが、一つには、やはり市町村の厳しい財政状況というのが影響している場合があるというふうに考えておりますし、それぞれの市町村におきまして、常備消防との関係で、消防団の果たす役割というのがそれぞれやはり異なるということが一つあろうかと思います。

 また、実は、報酬だけではなくて、出動手当というものがございまして、これは消防団が出動するごとに支払われるものでございますが、このどちらに重きを置くか。簡単に申し上げますと、報酬は低いけれども出動手当は非常に高く出すというような市町村もございまして、出動手当との関係も一つあろうかと思います。

 そういう中で、我々といたしましては、地域防災力充実のために消防団員の処遇の改善を図らなきゃいけないということで、平成25年に成立した地域防災力充実強化法におきましても、国の責務として規定をされました。

 したがいまして、低い報酬を、年額報酬を引き上げていただくということで、低いところには引き上げていただくということで、いろんな手を打っております。

 一つには、地方公共団体の長に対しまして、年額報酬の引上げを要請する総務大臣からの書簡も出しておりますし、消防庁長官からもさまざまな通知を発出いたしております。また、全国消防防災主管課長会議などの機会を捉えて引上げを要請しておりますし、個別の市町村ごとの報酬がどうなっているか、また、各県ごとの報酬の条例額の平均値などを公表いたしまして、低いところには引き上げていただくということを直接要請をいたしているところでございます。

○井上(一)委員 

 消防庁の方でもやはりいろいろ取組はされているとお聞きはしているんですが、依然としてやはり大きな格差が生じているという状況は変わりないと思います。

 消防団の役割はますます重要になっておりますが、消防団員になられる方も減ってきているという状況の中で、私は、年額報酬については、36,500円がいいかどうかは別にして、消防団員の最低報酬額を法令で定めるなど、速やかに抜本的な対策をとる必要があるのではないかと思いますが、大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。

○石田国務大臣 

 私は、消防団の役割というのは非常に重要だと考えておりまして、ここにお見えの務台議員と一緒に、地域力防災強化法ですか、の原案づくりに携わったわけでございますが、消防団員の報酬について、地方交付税単価、年額36,500円に比べて相当程度低い金額を条例で定めている市町村においては、早急に報酬の引上げを行っていただく必要があると思っております。

 ただ、今、議員御指摘いただきました消防団員の最低報酬額を法律で定めるということになりますと、市町村消防の原則との関係に加えまして、消防団の活動内容が広範囲であることや、地域のさまざまな実情を踏まえる必要があること等に照らせば、慎重に検討すべき事柄であると考えております。

 しかしながら、消防団員の報酬の引上げに向けまして、今消防庁の方からもお話がありましたけれども、私といたしましても、報酬や出動手当が極めて低額な市町村に対しましては、市町村のトップに引上げを直接お願いすること、また、消防団員を大幅に増加させた消防団等に対し、総務大臣感謝状の贈呈対象としておりますけれども、さらに、消防団員の確保のため、年額報酬を大幅に増加させた市町村をその総務大臣表彰に加えるとか、可能な限り工夫を講じまして消防団員の処遇改善を図ってまいりたい。そして、地域防災力の中核たる消防団の充実強化を強力に進めてまいりたいと考えております。

○井上(一)委員 

 あと、改善状況についてはまた御質問をさせていただきたいと思います。残余の質問については次回ということで、よろしくお願いいたします。

 どうもありがとうございました。

 

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