国会活動

中国による領海侵入、武漢への調査、WHOへの台湾のオブザーバー参加

〇第201回国会 衆議院 外務委員会 2020年5月13日(水)

○井上(一)委員

 井上一徳です。よろしくお願いいたします。
 最初の質問は、資料をお配りしておりますけれども、「中国公船、日本船を追尾」ということで、5月8日に日本の領海に侵入したという事案がありました。それで、それだけで終わるわけではなく、9から10日には中国公船2隻が26時間にわたり領海にとどまったという事案がございました。
 これについては、私も、その前から中国公船による領海侵入が続いておりますので、4月10日の外務委員会でも、大臣に対して、中国に強く言ってほしいということで、大臣も話をしてみるということでありました。
 それで、4月21日に電話会談をされて、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に対する話とともに、大臣の方からは、尖閣諸島周辺海域等の東シナ海を始めとする海洋安全保障分野の課題を改めて提起して、中国側の行動を強く求めたということでございました。
 私は、期待していましたが、中国の状況は、態度を改めるというよりは、むしろより好戦的になっているような気がしています。私は、こういう状況であれば、習近平主席の日本訪日については、延期の状況になっていると認識しておりますが、一旦白紙にしてもいいのではないかというぐらいに強く憤りの気持ちを持っています。大臣、いかがでしょうか。

○茂木国務大臣

 井上委員御指摘のように、先月21日の日中外相電話会談におきまして、私から王毅国務委員兼外交部長に対しまして、御指摘の問題につきまして、中国側の賢明な行動、これを強く求めたところであります。
 ところが、その後も引き続きこういった行動が起こっているということに対しては極めて遺憾だ、まずそのように思っております。
 そして、その行動が起こるたびに、日本側としてもしっかりした措置をとり、また厳重な抗議、これをその都度行ってきているところでありまして、中国とは、御指摘のものも含め、さまざまな懸案というのは存在しているわけでありますが、首脳レベル、外相レベル、ハイレベルでしっかりした申入れを行っていく、日本として主張すべきものは主張していく、こういったことは必要だと考えております。
 日本と中国は、地域、そして世界の平和と繁栄に大きな責任を有しておりまして、習主席の国賓訪問につきましても、こういった日中両国が地域、国際社会が直面する課題にともに責任を果たしていくことを内外に示す機会にしていく、こういった考えに変わりありませんが、それとは別にして、この問題については毅然と対応していきたいと思っております。

○井上(一)委員

 ぜひ、大臣、中国に対してはやはり強く引き続き言っていただきたいと思いますし、このままの状況が続けば、私はとても習近平主席の訪日が国民の歓迎のもとにできるとは思いませんので、その点も中国側に強く言っていただきたいと思います。
 次は、資料の2につけておりますが、今月18日からWHOの年次総会が開かれるということで、この点に関して2つ御質問したいと思います。
 1つは、WHOによる中国・武漢への調査であります。これについては、多くの国が、発生源の調査ということで、WHOが武漢に入って調査すべきだという声が強く、中国側も、専門家の調査の受入れを検討するということで、前向きな発言があるようです。やはりこのWHOの年次総会で、日本側から強く中国に対して調査を受け入れるということを提示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○茂木国務大臣

 今回の新型コロナにつきましては、中国から発生したものでありますが、ウイルスの発生源等につきましてはさまざまな意見があるところでありまして、今回のような全世界に甚大な影響を与える感染症に対しては、自由、透明、迅速な形で各国の情報や知見が共有されることが重要だと思っております。
 さらに、今後、同様の事態に備えるためにも、WHOを中心にして、国連関係機関や中国を含む関係各国が国際社会として連携をして、その発生源がどこであるのか、そしてまた初動対応がどうであったのか、こういったことも含めて、適切なタイミングで十分検証が行われるべきだ、これが日本の立場であります。

○井上(一)委員

 もう1点です。
 台湾のWHOへのオブザーバー参加であります。このオブザーバー参加につきましては、2009年から台湾はオブザーバー参加が認められてきておりますが、蔡英文政権の発足を機に、中国の圧力で、3年連続で認められていないという報道もございます。
 私は、感染症対策においては、空白地域をつくらずに国際社会で対応するという観点から、台湾のWHOへのオブザーバー参加を支持したいと思っております。
 この点について、日本も、感染症の空白地域をつくらないという観点から、台湾のオブザーバー参加は支持していると思っておりますが、18日からのWHO総会に加わるように、日本も強い働きかけをしていただきたいと思います。既に13カ国から要望が出されたというふう承知をしておりますので、日本としても強く働きかけをしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○茂木国務大臣

 委員おっしゃるように、こういった国際的な感染の拡大が起こっている中では、地理的な空白を生じさせない、こういったことは極めて重要でありまして、我が国は、WHO総会への台湾のオブザーバー参加、一貫して支持をしてきているわけであります。
 同時に、今回のコロナウイルス感染症に対する対応を見てみましても、台湾は相当やはりうまくやっていると思います。私は、いろんな意味で、どこよりも早く、入国制限をしたり、ヒト・ヒト感染が起こる懸念について警鐘を鳴らしたり、マスクの問題、そして人の移動の問題、IT技術等々も使ってさまざまな取組をして、それによって感染者数そして死者数、非常に低く抑えられているということでありまして、そういった知見からも、国際社会、WHOが学ぶこと、吸収すべきことというのは非常に大きいんじゃないかな。
 こういう観点から、率直に言って、中国の問題はあるんですよ、どうやってやっていくかということは工夫しなけりゃなりませんけれども、できるだけ台湾がオブザーバーとして参加できるように、努力をしてみたいと思っております。

○井上(一)委員

 ぜひ、18日までまだ時間がございますので、ぎりぎりまで、台湾がWHOへのオブザーバー参加ができるように働きかけをしていただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。

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