○井上(一)委員
井上一徳です。
よろしくお願いいたします。
今回の新型コロナウイルスの影響で、本当に経済はますます深刻度を増しています。この間も速報値の発表がございました。1月から3月期の実質国内総生産の速報値は、前期比の年率換算で3.4%減だったということです。
民間の方はいろいろと予測しておりまして、恐らく、4から6月のGDPは更に落ち込んで、年率換算で20%超の減ということで、リーマン・ショック以上の深刻度ですし、今では、1920年代から30年代の世界恐慌に匹敵する、あるいは、それ以上ではないかと言う人もいます。
こういう状況の中で、この危機を何としても乗り越えていかないといけないということだと思います。
経済政策で、10万円の一律給付については評価をしております。速やかに個人の方々に行き渡って、何とか生活がしのげるようにということでやっていただきたいと思いますが、本当に困っているかたにとっては、10万円では絶対足りないと思います。だから、さらなる支給もぜひ検討していただきたいと思います。
それから、やはり消費税です。本年度は27.5兆円の税収見込みです。単純計算で、1人幾らかというと22万円になるわけです。そうすると、個人給付で幾ら10万円もらっても、結局は消費税で22万円払わないといけないということになるわけです。
今、経済が落ち込んでおりますけれども、一番重要なのは、GDPの5割以上を占める個人消費です。この個人消費を盛り返さないと、経済は絶対にうまくいかないわけです。やはり、消費税というのは消費を回復させるための足かせになっていると思います。
1920年代から30年代に、当時の高橋是清が、大胆な金融支払い措置、モラトリアム、そして積極財政を講じて、世界の中で先駆けて回復したわけです。私は、今こそ大胆な発想で経済政策をやっていかないと、この国の未来はないと思っています。
消費税ゼロを真剣に考える時期に来ているのではないかと思いますが、どうでしょうか、財務省。
○井上大臣政務官
御質問ありがとうございます。
このたびの景気対策に関しましては、まず、成立させていただきました一次補正予算、そして、今、政府、与野党で御議論いただいております二次補正予算を、まず補正予算を、成立させていただいた予算を確実に執行して、そして国民の皆様方にお届けをするということが第一義だと今現在では思っております。
そういう中で、今御質問がありました消費税は、昨日、西村大臣にも御質問をいただいておりますし、その中で、この消費税自体が社会保障費全体に使われている、また、社会保障、今こういう状況下だからこそ、国民皆保険を含めて社会保障費自体を堅持しなければいけないというような状況も片方であるというふうに思っております。
そういう中で、今、消費税をゼロにするというのは、高齢化社会が進む状況、そして今の状況も踏まえて、財源としては消費税を堅持させていただいて広く全世代型の社会保障制度というものを堅持しておく必要はあるのではないかという御議論も片方ではございます。
そういう中から、昨日も西村大臣が回答させていただいたとおり、現段階で消費税を下げるという状況ではないというふうに財務省では考えております。
以上です。
○井上(一)委員
私は、本当にそういう議論ではだめだと思います。他方で、総理は、リーマン・ショック級の事態が起こらない限り引き上げていきたいということで、もしリーマン・ショックがあれば、8%から10%にはならなかったわけですよね。今回はリーマン・ショック以上です。少なくとも、リーマン・ショック級以上のものが起きているわけですから、こういう事態で8%から10%に上げますか。
○井上大臣政務官
確かに、リーマン・ショック級の状況が起こったときには消費税を上げないということを、あの当時、御議論いただいて、上げなかった経過もございますし、そういう状況下の中で、これから全世代型社会保障を構築していくための財源、そして、今、大学生とか、そういう無償化をしていく財源にも使わせていただいて、今、学生の皆さん方も困窮している状況下の中で、そういう財源にも充てているわけでございます。
そういう中から、10%に引上げをさせていただいて、広く国民の皆様方に財源をいただいて、何としてもこの社会保障制度というものを堅持していく必要は、片方ではあろうかというふうに思っております。
そういう中で、ゼロにするという議論は、政府の方では今のところは考えておりません。
○井上(一)委員
本当に、消費税のゼロ、減税を真剣に考えてほしいと思います。
もう一つは、大胆な発想ということで、東京一極集中の是正を取り上げます。
今回の新型コロナウイルスの感染で、東京一極集中のもろさ、危うさが露呈したと思います。この東京一極集中を是正して、地方にもっと分散する、国土全体を均衡して発展させるということを今こそやるべきだと思います。
東京に集中している本社を地方に移す。そのためには、本社を地方に移したら、例えば法人税を思い切って半分にしてみるといった、大胆な発想の政策が必要だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
アインシュタインがこう言っています、困難の中にチャンスがある。私、今こそ、地方創生のチャンスだと思います。大臣、この点について、いかがでしょうか。
○高市国務大臣
委員がおっしゃるとおり、今回のような感染症の問題、それからまた災害ということを考えましても、一極集中というのはリスクが非常に大きい、このリスクを分散していくという意味では、地方創生を更に進めていくということが大事だ、この考えは全く一致いたしております。
本当に、コロナウイルスでお亡くなりになった方もいらっしゃる中で、不謹慎な言い方になってしまっては困るのですが、ただ、地方に多くの方の目が向いているというのも確かだと思います。
特に、総務省で今すぐできる対策としては、できるだけ、テレワーク、また、遠隔でもさまざまな医療や教育が受けられて、またお仕事もできるという環境を地方につくっていく。だからこそ、第一次補正でも、光ファイバー、これも、条件不利地域以外も含めて、できるだけ整備をスピードアップしようということでお認めをいただいたところでございます。
税の話でございますが、委員がおっしゃるのも一つの起爆剤、インセンティブになるということでの御提案かと思うのですが、逆に、今度、地方交付税ということを考えた場合に、法人税、所得税、酒税、また消費税、いずれも法定率を設定して地方交付税の原資となっておりますので、それらが更に減ってしまうということはかなりつらいことであるなと感じさせていただきました。
○井上(一)委員
困難の中にチャンスがあるということで、ぜひ大胆な発想で取り組んでいただければということをお願いしたいと思います。
次は、家賃支援制度です。
これは、与野党からも家賃支援策については様々な案が出て、今まさに政府の中で検討中ということだと思いますが、4点まとめてお尋ねしますので、お答えください。
実際に支援できるのはいつぐらいになるのか。できるだけ速やかにということではなくて、大体いつぐらいから支給することを考えているのか。それから、どのような課題が現時点で見えているのか。それから、与党の提案では、新たな国の支援策と、自治体への支援が、両立しているわけですが、両方とも受け取ることができるのか。そして、家賃支援として全体でどのぐらいの予算規模を考えているのか。この4点についてお答えください。
○木村政府参考人
お答え申し上げます。
自粛要請等によりまして休業を余儀なくされておられる飲食店等のテナント事業者の方々などにとりまして、家賃の支払いが大きな負担になっているということは十分認識をさせていただいているところでございます。
経済産業省といたしましては、これまで、家賃の支払いにも充てていただける、使途の制限のない持続化給付金を創設いたしますとともに、実質無利子無担保かつ最大5年間元本返済据置きの融資などの強力な資金繰り支援を行わせていただいているところでございます。
これらによりまして、中小企業の皆様の家賃負担をさまざまな面から軽減することとさせていただいているところでございますので、まずはこれらの支援を迅速に行わせていただくことが大変重要であるというふうに考えてございます。
その上で、家賃支援につきましては、先日の総理指示に基づきまして、現在、多様な事業者の方々のお声も伺いながら、委員から御指摘いただいた点も含めまして、支援策の具体化に向けた検討を進めさせていただいているところでございます。
与野党での御議論をいただいている状況も踏まえながら、必要な対策を着実に実施できますよう、二次補正予算の編成に当たってもしっかりと対応していきたい、このように考えてございます。
以上でございます。
○井上(一)委員
全然答えがありませんでした。もう一度、聞きますが、支援できるのはいつぐらいを考えているのか。できるだけ早くということではなくて、どのぐらいの時期を考えていますか。
○木村政府参考人
お答え申し上げます。
二次補正予算の編成のスケジュールにもかかわってまいると思いますけれども、御議決をいただけるということになりますれば、できるだけ速やかにということで考えてございます。
以上でございます。
○井上(一)委員
二次補正が成立次第すぐにというイメージで考えていてよいのでしょうか。
○木村政府参考人
できるだけ速やかに対応させていただきたいと考えてございます。
○井上(一)委員
ぜひ速やかに。それから、どういう課題が今ありますか。
○木村政府参考人
課題でございますけれども、例えば、委員からも御指摘ございましたけれども、自治体の方でも、それぞれ家賃支援をやっておられる実態がございますものですから、そういったものとの関係をどうするのかといった点なども含めて調整をさせていただいているところでございます。
○井上(一)委員
本当に様々な課題があって大変だとは思いますが、ぜひ速やかに家賃支援ができるように取り組んでいただきたいと思います。
あと、持続化給付金です。これはオンラインだけで申請できるようになっていて、高齢者の方々など、なかなか機械になれておらず、紙で申請したいという方もおられますので、いろいろな方が使いやすいように、利便性をよく考えていただきたいということをお願いしたいと思います。
次は、地方創生臨時交付金です。本当に1兆円では絶対足りませんので、全国知事会が言っている額である、少なくともあと3兆円をプラスしていただくように、ぜひお願いしておきたいと思います。
次、雇用調整助成金です。現在、システムがダウンしているということでありますが、厚労省としても、手続の簡素化や、書類の煩雑さをなくすとかいう工夫はしているとは思います。今どういう工夫をして頑張っておられるのか、説明してください。
○達谷窟政府参考人
まず、私どもの雇用調整助成金のオンラインシステムが、昨日ふぐあいが生じたことにつきまして、改めておわびを申し上げるところでございます。
その上で、雇用調整助成金の手続の簡素化についてでございますが、申請書類等の記載事項を半減するとともに、記載事項を大幅に簡略化するということに努めたほか、今般、小規模の事業主の方を対象に、助成額の算定に実際の休業手当を用いるなど、助成額の算定方法を簡略化し、申請手続のさらなる簡素化を図っているところでございます。
また、労働局、ハローワークの体制につきましても、雇用調整助成金専門の相談員を追加で2,400人配置するなど、人員体制の大幅な拡充を図っております。
また、社会保険労務士の皆様の御協力をいただきまして、きめ細かな相談体制の構築にも努めているところでございます。
このような取組を通じまして、事業主の皆様が雇用調整助成金を積極的に御活用いただけるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○井上(一)委員
引き続き頑張ってください。
もう一つは、失業手当です。2009年のリーマン・ショックのときには、45歳未満の職業の経験が少ない者など、解雇、倒産等により離職した場合については、通常の所定給付日数に加えて更に60日間延長する対応がされておりました。
でも、この措置は2017年に廃止をされているということで、私は、リーマン・ショックよりもはるかに上回る今の経済危機ですから、失業手当の60日間の延長を復活させるべきだと思いますが、この点について、どういうお考えか聞かせていただいて、終わりにしたいと思います。
○岸本政府参考人
お答え申し上げます。
現在、政府としましては、雇用調整助成金の特例を始め、政府を挙げて全力で雇用維持対策に取り組んでいるところでございます。
一方で、それでもなお離職を余儀なくされる方につきましては、要件を満たせば雇用保険の基本手当を受給することができるということで、まずはこれにより離職者に対して支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。
御指摘の点でございますが、今後、新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえながら、雇用情勢の動向を注視いたしまして検討してまいりたいと考えております。
○井上(一)委員
終わりますけれども、雇用情勢はもう悪化するのは目に見えているわけですから、60日間の延長をぜひ実現していただきたいということを強く要望して、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。