国会活動

米軍の駐留経費負担、中国の尖閣諸島への領海侵犯

〇第201回国会 衆議院 外務委員会 2020年3月6日(金)

○井上(一)委員

 希望の党の井上一徳です。

 本日は、在日米軍駐留経費の日本側負担を中心に質問したいと思います。

 本年は、日米安保条約が改定されて60周年という節目の年に当たるわけですが、その年にこの米軍駐留経費の交渉を行うということになっております。

 それで、資料を配付しておりますが、「米軍駐留費の負担増拒否」ということで政府方針が固まったという産経新聞の記事があります。まず、米軍駐留経費の負担増ということなのですが、これについてはさまざまな記事がありまして、昨年の11月、米国の外交誌フォーリン・ポリシーにおいて、当時のボルトン米大統領補佐官が日本側の負担を4倍にふやすように要求したという報道もありました。

 それから、昨年7月に来日したボルトン米国家安全保障担当大統領補佐官が、当時の岩屋防衛大臣と会われて、そのときにも韓国の特別協定の改定交渉を話題にして、駐留経費負担を交渉中の韓国には現行の5倍の負担を要求しているとの話があり、岩屋氏は、米兵の人件費まで払わせたら傭兵になるのではないか、米軍もプライドが許さないのではないかと反論したという記事もありました。

 それから、昨年の12月に、ロンドン訪問中のトランプ氏は、NATO事務総長との会談の冒頭で、友人の安倍首相に、日本は米国を助けてくれ、米国は多くの金を支払っているが、日本は金持ちなのだからと伝えたとのことで、首相に駐留経費の日本負担増額を求めたという記事があります。

 このようにさまざまな記事があります。政府としては公式にはまだ認めておられませんが、実際に、米側からどのような要求が来ているのかについて、教えていただきたいと思います。

○茂木国務大臣

 増額の要求は、米側からはございません。

○井上(一)委員

 ここに言う4倍ふやすという話は、恐らくないと思いますが、米側の意向として、日本側に増額をしてくれという意向も示されていないという理解でよろしいのでしょうか。

○茂木国務大臣

 増額の要求を受けているという事実はございません。

○井上(一)委員

 要求はないとしても、そうした意向が示されているということもないということですか。

○茂木国務大臣

 意向というのがどういう意味か、ちょっととりかねるところはあるんですが、例えば、ボルトン前補佐官が岩屋前防衛大臣にどういうお話をされたかはわかりませんが、少なくとも、私、そしてまた外務省に対して、米国政府から米軍駐留経費の増額を要求された、こういった事実はございません。

○井上(一)委員

 トランプ大統領がそう言っているわけですから、そういう事実があったということで受けとめて、質問を続けたいと思います。

 安倍総理は、昨年7月4日のNHKインタビューで、日本はもう既に7割近くを負担しているということ話されており、同じような内容を10月の国会でも答弁されております。74.5%という数字がアメリカ側の計算では出てきています。日本側は総理が7割近くを負担しているとおっしゃっているわけですが、これはどのような計算根拠になっているのでしょうか。

○石川政府参考人

 お答え申し上げます。

 在日米軍駐留経費の日米の負担割合につきましては、米軍の駐留に伴い必要となる経費の範囲の捉え方が日米で異なることなど、一概に論じることは困難でございます。

 その上で申し上げれば、今委員の方からも御指摘がありましたように、2004年版米国防省の報告書におきまして、2002年時点の米軍駐留経費の日本の負担割合が74.5%とされておりまして、御指摘の総理の7割近くという御発言につきましては、このような米側が公表している数字などを念頭に御発言されたものと理解しております。

○井上(一)委員

 3倍、4倍というのはあり得ないと思いますが、米側の計算でも74.5%ということですから、仮に日本側が100%負担したとすると、あとどのぐらい負担することになるのでしょうか。機械的な計算ですから、教えていただきたいと思います。

○石川政府参考人

 お答え申し上げます。

 今答弁申し上げましたように、最新の数字としては2002年時点の負担額しか米側から公表されていないわけでございますけれども、仮にその数字を前提に、この74.5%の負担割合を前提に、では100%はどのぐらいの額になるかというふうに計算をしますと、つまりは74.5で割り戻すわけですから、単純に機械計算をいたしますと、約59億ドルとなるというふうに考えております。

○井上(一)委員

 約59億ドルですから、差額でいうと約15億ドルということになるので、仮に全額負担したとしても15億ドルとなります。だから、ボルトンさんが言っているように3倍、4倍ということになると、これ総理がおっしゃっているように、米軍が駐留して利益を上げるということになってしまうわけでございますから、そのような要求は多分現実的にはないという理解をしております。

 トランプ大統領は公平な費用負担の協力を同盟国から取り付けているということを言っております。報道では、河野防衛大臣は、米軍駐留経費交渉は本年の秋口ごろから始まると述べたと言われております。これは、恐らく米国の大統領選をにらんだスケジュール感で言われていると思いますが、前回の特別協定の交渉はいつからスタートして、いつ、どのような合意をして、いつ国会承認だったかについて、事実関係を教えてください。

○鈴木(量)政府参考人

 お答え申し上げます。

 在日米軍駐留経費負担特別協定の現行協定につきましては、2015年4月27日の日米2プラス2において、閣僚は、適切な水準の在日米軍駐留経費負担を行う将来の取決めに関する協議を開始するという意図表明をいたしております。それに基づきまして、15年7月に協議を開始いたしました。12月に実質合意をし、翌16年1月に署名に至りまして、16年3月末に国会で御承認いただき、4月1日に発効しております。

 以上でございます。

○井上(一)委員

 産経新聞によりますと、日本政府は方針を固めたということで3つありまして、1つ目は大幅な負担増拒否、2つ目は自衛隊の米軍防護で作戦費負担を相殺、3つ目は思いやり予算以外の包括的な調整というのが対処方針の柱となると書いてありますが、現時点で、日本側としてはどういう対処方針で臨む方針なのかについて、御説明いただきたいと思います。

○鈴木(量)政府参考人

 お答え申し上げます。

 御指摘いただきました報道における対処方針といったものを検討しているといった事実はございません。

 その上で申し上げますれば、現行の在日米軍駐留経費特別協定は明年3月末日まで有効でございまして、現時点で新たな特別協定に関する交渉は日米間では行われておりません。

 いずれにしましても、次期交渉を行う際には、一層厳しさを増す地域の安全保障環境や我が国の厳しい財政状況等を踏まえまして適切に対応していきたいと思っております。

 以上でございます。

○井上(一)委員

 トランプ大統領は、昨年6月、次のように言われています。もし日本が攻撃されたら、米国は第三次世界大戦を戦う、あらゆる犠牲を払って戦う、しかし、米国が攻撃されても日本は助ける必要はない、ソニーのテレビで攻撃されるのを見ていられるということで、日米安保条約の片務性に関して非常に不満を示したと言われております。

 私は、日米安保条約というのは、日本が米軍に基地を提供しそして米軍が日本を防衛するということで、非対称ですが互いに義務を負っているというような理解がトランプ大統領にはまだないのではないか、幾ら安倍総理が説明されてもまだ理解はされていないのではないかと思っています。

 それで、日米安保改定60周年を迎えることを契機に、私は、まず、今の国際情勢を踏まえて、中国、北朝鮮を念頭に置いて、日米安保条約というのは戦略的にどういう意義があるのかというのを日米間でもう一回しっかり議論した上で、日米防衛協力体制のあり方、例えば今は日本が盾、米国が矛と任務分担されていますが、そういう任務分担も含めて議論してみます。それから、米軍基地や自衛隊基地のあり方を含めて、共同使用を一層進めるべきだというのが私の持論なのですが、もう少し中長期的な日米防衛協力のあり方を議論します。その上で、基地の経費負担の議論をしないと、どうしても、基地経費負担が多い少ないという議論になってしまうと思います。

 今言ったように、もう少し中長期的なスパンで日米防衛協力をどう考えるか、その上で駐留経費を考えていくといったスタンスで臨むため、速やかに交渉をスタートした方がいいと思うのですが、大臣は、どのようにお考えでしょうか。

○茂木国務大臣

 ことしで署名そして発効から60年を迎えます日米安保条約、これは単に、我が国の防衛について、この条約が、お互いの役割が違うけれども平等であるとか、それだけの問題ではなくて、これが、米軍の前方展開、そしてインド太平洋地域の平和と安定にとっても極めて重要な存在である。これは米韓とは違うんですね。全く違うということについては米側も理解をしていると思いますが、そういった理解を確認し、同時に、今、インド太平洋地域、大きな安全保障上も変化があるわけでありまして、そういった変化をどう見て、そこの中で日米がどう連携していくか、こういう議論も必要であると思っております。

 同時に、安全保障政策の対象、これが単純に、陸、そして海、空、こういう世界から宇宙そしてサイバー、こういう新しい領域に広がり、新しい脅威というものが生まれる中で、日米双方が果たすべき役割、これはアメリカも日本もそれぞれ大きくなっている、こういう前提に立って今後の協議というのは行っていく必要があると思っております。

○井上(一)委員

 前回もゴールデンウイークぐらいから2プラス2でキックオフして協議を開始したということでありますので、私は、もう少し早く協議を開始した方がいいのではないかと思っております。

 最後になりますが、中国の尖閣諸島に対する領海侵犯についてお聞きします。本年1月には4日と14日に4隻ずつ、それから、新型コロナウイルス感染が広がった中にあっても、2月5日と13日に4隻ずつ侵入したということで、新型コロナウイルス感染の拡大防止に国を挙げてやっているときに領海侵犯があることは絶対許してはならないと思います。大臣、先日、楊潔篪さんも来られたようで、中国側に対して強く抗議していただいていると思いますが、どのような感じでしょうか。

○茂木国務大臣

 この間、時間をとって議論しましたのは、ミュンヘンで王毅外相と会談したわけでありますが、尖閣諸島周辺海域等、東シナ海を始めとします海洋安全保障分野の課題、改めて、日本の考え方、問題提起を行いまして、中国側の行動を強く求めたところであります。東シナ海の安定なくして日中関係の真の改善はない、今後も、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜く、こういう決意のもと、冷静かつ毅然とした対応をとっていきたいと思います。

○井上(一)委員

 終わります。

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