国会活動

尖閣諸島への上陸申請、舞鶴の造船業、東北新社の外資規制違反

〇第204回国会 衆議院 総務委員会 2021年4月6日(火)

○井上(一)委員

 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。

 最初の質問は、前回、前々回の総務委員会で何回か確認して、まだ答えの出ていない尖閣諸島への上陸申請についてです。

 石垣市が、字名を変更したということで、登野城尖閣にして、今、標柱を作っており、それを尖閣諸島に設置したいということで、これから上陸申請をするわけですが、その窓口がまだ決まっていないということです。

 現状はどうでしょうか。

○山本政府参考人

 お答え申し上げます。

 委員お尋ねの政府の窓口につきまして、まだ決まってはございませんけれども、現在、総務省を中心に関係省庁間で調整が行われているものと承知してございます。

○井上(一)委員

 総務省はそれでよろしいですか。総務省を中心に今調整しているという答弁だったのですが、それで総務省はよろしいですか。

○石田委員長

 ちょっと、じゃ、もう一回。

○山本政府参考人

 お答え申し上げます。

 総務省を中心に関係省庁間で調整をしているということでございます。

○井上(一)委員

 だから、総務省が中心となって検討しているということで総務省はよろしいのですかということです。

○武田国務大臣

 この問題は、とにかく、何人も尖閣諸島への上陸を認めないという政府方針、これにのっとって、まさに内閣官房による総合調整の下で政府において適切に判断をされるものとされております。

○井上(一)委員

 だから、正直、政府は何をやっているのかということなのですよ。もう何回も何回も同じ質問をしているのですよ、これは。もう標柱はでき上がりますよ。上陸申請は出るわけですよ、政府に対して。それで、窓口が決まっていないので困っているわけですよ。だから、早く決めてくださいと言っていて、内閣官房に聞いたら、今総務省が中心となって調整しているということだったのですが、それでいいですかと総務省に聞いたら、それは内閣官房ですということなので、内閣官房がきちんと調整して答えを出してくださいということです。

 もう一度、答弁をお願いします。

○山本政府参考人

 お答え申し上げます。

 内閣官房が窓口の、どの省庁が窓口になるかについて調整する権限が必ずしもあるものではないんですけれども、委員の問題意識については関係省庁にきちんと伝えまして、調整を鋭意進めるよう指摘してまいりたいというふうに考えてございます。

○井上(一)委員

 こういう質問で時間を取られたくないのですが、内閣官房がやるのではないのですか。内閣官房はどこかの省庁に調整させるということになるのですか。内閣官房がきちんとやってくださいよ。

○石田委員長

 内閣官房山本内閣参事官、ちょっと明確に答弁してくださいよ。私も聞いていて何かいらいらする。

○山本政府参考人

 お答え申し上げます。

 権限はないんですけれども、窓口が早期に決まるよう、内閣官房としてもできることは努めてまいりたいと考えてございます。(発言する者あり)

○石田委員長

 では、ちょっと速記を止めて。

〔速記中止〕

○石田委員長

 では、ちょっと速記を起こしてください。

 山本内閣参事官。

○山本政府参考人

 お答え申し上げます。

 窓口につきましては、私どもも入りまして、関係省庁間の調整を鋭意進めてまいりたいと考えてございます。

 なお、申請が出てきましたならば、私どもの総合調整の下で、関係省庁間で、政府方針に基づきまして、申請に対する可否というものを、政府としての回答を検討してまいりたいと考えてございます。

○井上(一)委員

 やはり、内閣官房がやらないとまとまらないですよ。だから、内閣官房、やってくださいよ。そうですよね。もう内閣官房、やってください。

○山本政府参考人

 お答え申し上げます。

 内閣官房の総合調整の下で、政府において適切に判断してまいりたいというふうに考えてございます。

○井上(一)委員

 では、内閣官房、しっかりやってくださいね、今の答弁を踏まえて。お願いしますよ。もう一回、次回聞きます。

 続きまして、略称で重要土地等調査法案が閣議決定されました。私も非常に一歩前進だとは思っています。それで、尖閣諸島の所有者は国になっています。久場島は民間人所有ということで、面積は0.91平方キロメートルであります。

 この国境離島である尖閣諸島についても、重要土地等調査法案の中に定められている注意区域、それから特別注視区域に指定されまして、悪用されないように利用規制は行うものという理解をしていますが、尖閣諸島についても当然対象になり、指定されるという理解でよろしいでしょうか。

○木村政府参考人

 お答え申し上げます。

 尖閣諸島は我が国固有の領土でございます。御指摘のございました久場島は領海基線を有する島でもございます。調査等の措置の対象になるものとして、法律案に規定する国境離島等に含まれ得るものでございます。

 一方で、注視区域でありますとかあるいは特別注視区域の指定は、法律案の規定に加えまして、法律案の成立後に、政府として閣議決定する基本方針に沿って行うところでございます。その基本方針では、指定の考え方を明らかにすることとしております。様々な国境離島等につきましては、それぞれを基本方針に照らして評価いたしました上で、新設いたします土地等利用状況審議会の意見を伺いまして、政府として指定の要否を個別に判断することとしておるところでございます。

 今後の国会での御議論、あるいは安全保障をめぐります内外情勢等を勘案して、法の施行後に政府として適切に判断してまいりたい、このように考えてございます。

 以上でございます。

○井上(一)委員

 所有権移転等については、事前届出が行われるということで、一定面積以上の取引に限定されるということですが、この久場島の面積が0.91平方キロメートルになっているのですが、久場島が対象となるような面積に設定されるという理解でよろしいでしょうか。

○木村政府参考人

 お答え申し上げます。

 法案が規定いたします面積要件でございますが、これは特別注視区域に指定された土地等の取引の事前届出につきまして、200平方メートルを下回らない範囲で政令で定める面積以上の売買契約等に限定する、こういう趣旨の規定でございます。

 注視区域あるいは特別注視区域で実施させていただきます調査でありますとかあるいは利用規制には、それらの対象外となります規模として特段の面積要件は付しておらない、このような構造でございます。

 以上でございます。

○井上(一)委員

 了解しました。

 続いて、重要インフラについては政令で指定されるということになっていますが、現在、どのようなインフラを想定されていますでしょうか。

○木村政府参考人

 お答え申し上げます。

 御指摘ございました重要インフラ施設についてでございますが、こちらにつきましては、その機能を阻害する行為が行われた場合に国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれがあると認められるものを政令で定めることとしているところでございます。

 昨年、担当の小此木大臣の下で開催させていただきました国土利用の実態把握に関する有識者会議の提言では、法案の対象とすべき重要インフラ施設といたしまして、原子力発電所や自衛隊が共用する民間空港が挙げられたところでございます。

 一方、重要インフラ施設の政令の制定に当たりましては、まず、政府として閣議決定いたします基本方針の中でその考え方を明らかにすることとしております。その上で、土地等利用状況審議会におきまして、様々な重要インフラ施設の類型について、法律案の規定や基本方針に照らして御検討をいただくこととしているところでございます。そして、その審議会での御意見を踏まえて、政府として最終的に政令にいかなる類型を規定するのか判断することといたしておるところでございます。

 政府といたしましては、今後の国会での御議論でありますとか、あるいは重要インフラ施設に係る懸念の実態なども踏まえまして、法施行後に適切に検討を判断してまいりたい、このように考えてございます。

○井上(一)委員

 分かりました。

 防衛省の市ケ谷庁舎付近については対象にならないというような報道もありましたが、この事実関係について教えてください。

○木村政府参考人

 お答え申し上げます。

 注視区域でありますとか特別注視区域の指定は、法律案の成立後に法律案に規定する手続に沿って進めてまいります。

 具体的には、閣議決定いたします基本方針の中で、その指定の考え方を明らかにいたします。そして、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、政府として、個々の区域について、指定の要否を個別に判断することとさせていただいているところでございます。

 実際の指定に当たりましては、安全保障の確保と経済活動の自由との両立を図る必要があると考えてございます。今後の国会での御議論等も踏まえまして、法施行後に、安全保障をめぐる内外情勢等を勘案して、政府として適切に判断してまいりたい、このように考えてございます。

 御指摘ございました市ケ谷には様々な部隊などが所在してございます。その重要な機能に鑑みますと、その施設の周辺は注視区域又は特別注視区域として指定することが考えられるものと思っております。

 他方、先ほど来御答弁申し上げているような手続に沿って、法施行後に政府として適切に判断していくこととさせていただいているところでございますので、現時点において、市ケ谷周辺の区域の取扱いについては決めていないというところでございます。

 以上でございます。

○井上(一)委員

 よく分かりました。

 私は、先ほど言ったように、この法案について一定の評価はしているのですが、アメリカの場合は、こういった土地取引については、事前に審査を行って、場合によっては土地取得を停止できるという強い措置も取れるようになっているわけです。外資リスク審査近代化法、FIRRMAという法律ですが、これを改正して、外国人が防衛施設や航空施設などの重要な施設周辺の土地を購入する場合には、対米外国投資委員会、CFIUSが厳格な審査を行って、場合によっては取引を認めないという制度にしています。

 こういったことも踏まえて、今後、一歩前進だとは思いますが、更に強化ということも、この運用をするに当たっては、考えていっていただきたいと思います。

 続いて、日本海側における防衛体制の強化と、造船業の支援について質問をさせていただきたいと思います。

 私、京都府の舞鶴市出身で、舞鶴には舞鶴総監部がありまして、あとJMU(ジャパンマリンユナイテッド)という造船所があります。そういう総監部の機能強化と、あとは造船所の支援の強化に関連して幾つか質問したいと思っています。

 舞鶴はまさに海軍の町でありまして、海軍、海上自衛隊とともに発展してきたと言っても過言ではありません。明治の時代に、当時の海軍大国であったロシアに対抗するために、国家プロジェクトとして舞鶴で軍港建設が進められて、今から120年前の1901年に舞鶴鎮守府が置かれて、それで東郷平八郎元帥が初代司令長官に着任いたしました。当時、造船は国営ということで、舞鶴には海軍工廠が置かれて、新型駆逐艦の建造等が行われておりました。戦後は民間の造船所となり、今はジャパンマリンユナイテッドとなりましたが、日本海側唯一の造船所として重要な位置づけにございます。

 しかしながら、近年、中国、それから韓国の企業が国の支援を受けて生き残りを図る一方で、日本の造船業の経営環境は悪化の一途をたどっています。そのような状況の中、ジャパンマリンユナイテッドが今年6月から新規造船から撤退するということで、地元にも大きな影響が及んでおります。

 造船業の衰退は、地元経済に大きな影響を及ぼすことはもちろんですが、日本の安全保障にとっても極めて重要な問題で、造船業が我が国に存在しなければ、自衛隊の艦船や海上保安庁の艦船を他国に造ってもらうという状況にもなりかねません。

 私は、この日本の安全保障のためにも、造船業を強力に支援すべきであり、また、日本海側における防衛警備体制強化を図る観点から、海上自衛隊舞鶴基地の強化、それから日本海側唯一の造船所であるJMUへの強力な支援を求めていきたいという思いで、幾つか質問させていただきます。

 まず、我が国の造船業の位置づけなのですが、私が、先ほど申したように、明治時代は国営でやっていたわけですね、国の威信をかけて造ったわけです。だから、海軍工廠というのは国営だったわけです。今は造船業は民営ですが、この造船業の安全保障上の位置づけというのは私は非常に大事だと思っています。まず、国土交通省として、造船業について特に安全保障上どういうような認識か、お聞きしたいと思います。

○鳩山大臣政務官

 お答えをさせていただきます。

 我が国は、四方を海に囲まれ、貿易量の99.6%を海上輸送に依存しており、良質な船舶の安定供給は、我が国の経済活動と国民生活を支える上で不可欠な要素であります。

 御指摘の安全保障の観点からは、我が国造船業は、艦艇や巡視船の全てを建造、修繕しており、我が国の安全保障に欠かせない社会基盤であると認識しております。

 加えて、造船業は、船舶を構成する数万点の部品のほぼ全てを国内調達しており、多くの関連産業を抱える裾野の広い産業として、地域の経済や雇用に大きな貢献を行っております。

 このように、造船業は、我が国の安全保障や地域の経済、雇用を支える極めて重要な産業であると認識しております。

○井上(一)委員

 特に、安全保障上重要な産業だという点は非常に重要だと思います。

 防衛省の方はどういう認識でしょうか。

○大西大臣政務官

 井上委員にお答えをいたします。

 我が国の造船業は、自衛隊艦艇の建造、修理を担っていただいている産業であり、防衛力整備の観点から、我が国の防衛を支える大きな柱であることは言うまでもございません。

 防衛大綱、中期防においても、造船業を含む我が国の防衛産業は、装備品の生産、運用、維持、整備に必要不可欠な基盤であるとの基本的な認識の下、その強化のため、各種施策の推進について明記しております。

 防衛省といたしましては、引き続き、造船業を含む防衛産業基盤の強化のため、施策に真剣に取り組んでまいります。

 以上です。

○井上(一)委員

 ありがとうございました。

 先ほども申し上げたように、中国、韓国は、造船業に対して国を挙げて支援しているわけです。その支援があって、日本はそういった支援がないものですから、中国、それから韓国に引き離されていて、非常に厳しい状況にあります。中国とか韓国がどういう支援をしているのか、把握している範囲で御説明ください。

○池光政府参考人

 お答えいたします。

 委員御質問の中国、韓国の公的支援の内容についてでございます。

 まず、韓国につきましては、経営難に陥った特定の造船会社に対しまして1兆円を超える巨額の公的支援が行われておりますほか、信用力の低い造船会社への市場で得られないような公的な保証の付与による受注支援、こういったものも行われております。こういう支援措置が市場を歪曲し、我が国造船業に著しい損害を及ぼしている、こういうことで、私ども、平成30年、今から3年前、2018年11月ですが、我が国政府として韓国政府をWTOに提訴しておるところでございます。

 他方、中国でございます。中国における公的支援でございますが、こちらは大手国営造船会社の会計報告に一部記載はありますが、国の秘密が含まれる補助金は非開示というふうにされておりまして、どのような政府支援が行われているか、つまびらかになっていないところでございます。

○井上(一)委員

 私は、WTOに提訴するというのはいいのですが、まずは日本としても同じ規模の支援をする、それで造船業をまず守る、守った上で、並行してWTOに話をするということで、支援が非常に大事だと思うのですが、どうでしょうか。

○池光政府参考人

 お答えいたします。

 現在、我が国造船業は、国際競争の激化に加えまして、新型コロナウイルス感染症の影響等によりまして、かつてない危機的経営状況にございます。まさに生産性向上、事業再編等、こういったものを通じました造船業の事業基盤の強化を図ることが喫緊の課題と考えてございます。

 我が国造船業が世界屈指の競争力のある産業として成長し、引き続き、地域の経済、雇用や我が国の安全保障に貢献をしていくため、造船業が取り組むべき方向性は2つあると考えております。1つ目がコスト競争力の強化であります。2つ目は世界最先端の技術力の磨き上げでございます。

 まず前者、コスト競争力につきましては、本年2月5日に国会に提出させていただいております法律案、海事産業強化法案に基づき講じる予算、税制、財政投融資等の支援措置を通じまして、造船会社の事業再編、生産性向上等を強力に推進をいたしまして、コスト面の競争力強化を促してまいりたいと考えております。

 後者の技術力でございますが、海運の脱炭素化、自動運航船の実用化等、これからの重要な技術開発分野につきまして本法案による技術開発等の支援を行うとともに、国際海事機関、IMO、こういった国際の場において環境や安全に係る基準の策定を我が国がリードしまして、我が国の高い技術力が国際的に効果的に評価される市場環境を整備する、こういったことで我が国の技術力の優位性を確保してまいりたいと考えてございます。

○井上(一)委員

 国土交通省も、まさに海事産業に対する支援ということで問題意識を持って、法案も準備されて取り組まれているというのは、私は評価するのですが、先ほども言ったように、中国は国営ですし、韓国は1兆円規模の支援ということですので、それに見合うぐらいの大胆な支援をして、安全保障上重要な造船業を守らないと海上自衛隊の艦船とか海上保安庁の船舶も他国に依存せざるを得ない状況になってしまうというおそれもあるわけです。安全保障上非常に重要な産業だという答弁がございましたので、是非、政府を挙げて、思い切った支援をしていただきたいと思います。

 続いて、日本海側の防衛体制の強化ということで、報道でも、中国の艦船が、太平洋上で活動しているというのは、活発化しているというのはよく報道に出るのですが、日本海側でも活動しているという報道がございました。

 中国が日本海側でどのような活動をしているのか、御説明いただきたいと思います。

○大和政府参考人

 お答え申し上げます。

 日本海での中国軍の海上戦力の活動は、近年、活発化する傾向にあります。特に最近では、海上戦力に加えまして、航空戦力の活動も活発化しております。

 例えば2016年には、H6型の爆撃機が対馬海峡を通過して、初めて日本海に進出いたしました。また、2017年には、中国軍の戦闘機、スホーイ30でありますが、これの日本海進出も初めて確認されました。

 また、海上戦力の直近の活動について申し上げれば、本年3月19日に中国艦艇3隻が対馬海峡を日本海に向けて通過しております。この際、確認した艦艇は、レンハイ級ミサイル駆逐艦、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦、ジャンカイⅡ級フリゲート艦がそれぞれ1隻ずつであります。

 このうち、レンハイ級ミサイル駆逐艦は、最近就役した非常に強大な兵装を持った大型の水上戦闘艦艇であります。この艦艇の日本海で活動したことを確認したのは今回が初めてであります。

 なお、これら3隻の艦艇は、3月26日に対馬海峡を東シナ海に向けて通過しているところであります。

 防衛省といたしましては、中国海軍艦艇の我が国周辺海域における動向について引き続き注視するとともに、我が国周辺海空域における警戒監視活動に万全を期してまいります。

○井上(一)委員

 ありがとうございました。

 そういうような中国軍の活動状況を踏まえると、私は、やはり日本海で自衛隊、それから米軍の活動量を増やしていくということが重要だと思っていますし、そこの拠点になるのが舞鶴の基地だと思っています。

 海上自衛隊舞鶴基地は、日本海の中心に位置する唯一の大型の基地と思いますが、舞鶴基地の戦略的な意義や、今後の強化の方向性について伺いたいと思います。

○土本政府参考人

 お答え申し上げます。舞鶴は、5つある地方総監部の1つが所在する海上自衛隊の重要な拠点の1つであり、委員御指摘のとおり、日本海側で唯一、護衛艦部隊や回転翼哨戒機部隊が配備される場所でございます。舞鶴地区所在の部隊は日本海正面を始めとする我が国周辺海域の警戒監視等に対応していますが、厳しさを増す我が国を取り巻く安全保障環境も踏まえれば、その存在は我が国の防衛になくてはならないものでございます。

 また、舞鶴に配備する2隻のイージスシステム搭載護衛艦「あたご」と「みょうこう」でございますが、これらは我が国の弾道ミサイル防衛の重要な一翼を担っているところでございます。

 このように舞鶴地区所在部隊は我が国の防衛に必要不可欠な存在であることを踏まえ、今後も引き続き必要な防衛力整備を実施してまいる所存でございます。

○井上(一)委員

 先ほど申し上げた造船所のJMUも同じように日本海側唯一の造船所でありまして、万が一、太平洋側で南海トラフ地震とか、それから首都直下地震が起きたときのリダンダンシー、代替基地としても非常に造船所の機能は重要だと思うのですが、JMUの造船所に対して、国土交通省、防衛省は、どのような認識か、お聞きしたいと思います。

○鳩山大臣政務官

 お答えをいたします。

 ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所は、1903年に開設された舞鶴海軍工廠を前身として、100年以上の歴史と伝統を有しております。

 このジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所は、日本海側に位置する地の利を生かし、従前より、自衛隊の艦艇等の修繕の拠点として役割を果たし、我が国の安全保障に貢献しております。

 ジャパンマリンユナイテッドによれば、今後も舞鶴事業所において艦艇等の修理事業を続けるとしており、引き続き、我が国の安全保障に重要な役割を果たしていくものと承知しております。また、ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所は、地域に関連事業者を抱え、地域の経済や雇用にも貢献していると認識しております。

○大西大臣政務官

 井上委員にお答えをさせていただきます。

 舞鶴は、海上自衛隊舞鶴地方総監部が所在する、日本海に面した重要な拠点の一つでございます。現在、舞鶴には、ジャパンマリンユナイテッド、JMUですね、舞鶴事業所が所在しまして、舞鶴を母港とする自衛隊の艦艇の定期的な検査や修理を毎年担っていただいております。日本海側で唯一の艦艇の整備を実施する重要な拠点として、艦艇の維持、整備に多大な御協力をいただいております。

 また、日本海側で唯一、自衛隊艦艇の整備ができる舞鶴は、南海トラフ地震などにより太平洋側で大きな被害が生じた場合など、自衛隊にとって大変重要な整備拠点となることから、自衛隊艦艇の整備を担っていただいているJMU及び多数の関連会社の皆様には、引き続き、防衛省・自衛隊に御協力をいただきたいと考えております。

 以上でございます。

○井上(一)委員

 地元にとっても非常に重要な造船所ですし、地元経済にとっても大変重要ですので、引き続き御支援をしっかり国土交通省としてもしていただきたいと思いますが、その点いかがですか。

○鳩山大臣政務官

 お答えをさせていただきます。

 ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所を含む造船業は、我が国の安全保障や地域の経済や雇用を支える極めて重要な産業であると認識しております。

 一方で、中国、韓国との熾烈な国際競争等により、造船業において通常2年を有することが一般的な手持ち工事量が約1年と、我が国造船業はかつてない危機的状況にあります。

 国土交通省としては、ジャパンマリンユナイテッドを含めた我が国造船業が、この未曽有の危機を乗り越え、世界屈指の国際競争力のある産業として成長し、引き続き地域の経済や雇用や我が国の安全保障に貢献できるよう、あらゆる施策を総動員して強力に取り組んでまいります。

 このため、今国会に海事産業強化法を提出させていただいており、これと一体となった予算、税制、財政投融資を活用し、ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所を含む我が国造船業の基盤強化に取り組んでまいります。

○井上(一)委員

 とにかく、造船業は、何回も言うようですが、安全保障上重要な産業ですので、中国それから韓国に引けを取らないような支援をしっかりしていただきたいということを是非お願いしたいと思います。

 それでは、国土交通省、防衛省の皆さん、これで結構です。ありがとうございました。

 続いて、東北新社の外資規制違反問題です。

 5月1日に認定を取り消すということになっていますが、簡単にこの経緯を御説明ください。

○吉田政府参考人

 お答えいたします。

 本年3月の参議院予算委員会で、株式会社東北新社が放送法に規定する外資規制に反していたのではないかとの指摘を受け、同社に報告を求めていたところでございます。

 その結果、本年3月9日に、同社から、2016年10月に申請をし、17年1月に認定を受けた際の正しい外資比率は20.75%であったこと、当時の外資比率を20%未満として申請したことはミスであったことの報告を受けました。総務省においても、提出された関係資料に基づき外資比率を確認し、その結果、認定の申請当時、同社の外資比率は外資規制に反していたことが明らかになりました。

 このため、総務省としては、株式会社東北新社が2017年1月に受けていた認定において重大な瑕疵があったものと判断し、同年10月にその認定基幹放送事業者としての地位を承継した株式会社東北新社メディアサービスの認定を取り消すこととしたものでございます。本年3月17日の聴聞を経て、3月26日に、株式会社東北新社メディアサービスに対し、ザ・シネマ4Kについての認定を5月1日付で取消処分を行ったところでございます。また、この処分と併せ、同社に対し、受信者への周知など、要請を行ったところでございます。

○井上(一)委員

 今の説明にあったように、2017年の1月24日に受けた衛星基幹放送事業者の認定を取り消したということです。

 東北新社は2017年の8月9日頃に、もう違法状態にあるということに気づいて、東北新社によれば、総務省にその話はしたが、総務省は聞いていないということです。中島社長が、3月16日の予算委員会ではこう言っています。2017年8月に外資規制に違反しているおそれがあることに気づきまして、シネマ4Kの外資規制違反の状態を正常化するために子会社に認定を継承したものです。だから、この違反状態をあえて隠すために子会社を作って承継したということであると言っています。

 そもそも、9月1日に東北新社メディアサービスを設立して、東北新社から衛星基幹放送事業者の地位承継認可申請が出されたわけです。4Kだけではなくて、ほかの3つの衛星も併せて、子会社を作ってそこに承継をさせるということです。総務省さん、いいですかと言ったら、総務省さんは、それはいいですと言ったわけです。

 私は、東北新社がこれを隠そうとしてそういう子会社を作ったのであれば、その子会社に対して地位を承継させたというのはそもそも判断が誤っていたと思うのですが、今振り返ってみて、この判断は正しかったのでしょうか。どうでしょうか。

○吉田政府参考人

 お答えをいたします。

 東北新社が株式会社東北新社メディアサービスに承継する目的については、当時総務省に提出された認可申請書によれば、経営の合理化を図るため、すなわちグループ内に認定基幹放送事業者を複数抱えており、それらを含めたグループ全体の最適化を図るためには、各社に散在する同種の業務を1か所に集めて処理することが有用であると記載されておりました。

 総務省としては、2017年10月の株式会社東北新社からの東北新社メディアサービスへの地位の承継の認可について、この申請書を前提に、放送法令に基づき審査を行い、認可の基準を満たしていると判断したものでございます。また、衆議院の予算委員会において、中島参考人は、あくまでも、やはり経営合理化のためではあったという旨の答弁もしていると承知しております。

○井上(一)委員

 そうではなくて、中島社長は、4Kの外資規制違反の状態を正常化するために子会社を作ったと言っているわけです。先程の、局長の説明は、表向きの理由です。本音は、隠すためにやっているわけです。だから、それを、本人は隠すためにやったと今言っているわけです。そういう子会社を作ったことに対して、今時点で振り返ってみて、子会社に承継させたことは、総務省として正しい判断をしたのですかということを聞いているわけです。

○吉田政府参考人

 総務省といたしましては、2017年10月の、株式会社東北新社及び同社とは別の法人である3社からの東北新社メディアサービスへの地位の承継の認可、つまり4社のチャンネルの集約ということを、総務省に提出された認可申請書を前提に、放送法令に基づき審査を行い、認可の基準を満たしていると判断したものでございます。

 しかしながら、先ほど申し上げたとおり、承継元である4社のうち、東北新社が2017年1月に受けたザ・シネマ4Kに係る認定については、本年3月26日に5月1日付取消処分をしたことから、同日までに同放送は終了されることとなります。

 また、本件承継の認可は、先ほど申し上げたとおり、東北新社以外の3社が受けていた認定についても併せて行われておりますが、これら3社は東北新社とは別の法人であり、認定時において外資要件を満たしていたものでございます。このため、承継前も承継後も、これら3社については瑕疵はなかったと考えております。

○井上(一)委員

 今でもそういうことを言い張ると、本当に知らないのであれば人がよすぎる。私は、必ずこれは相談があったと思います。相談があって、こういうようにしましょうという総務省と東北新社の話があったと私は確信しているんです。そこの部分は第三者委員会で徹底的にやってほしいと思いますが。

 今考えたら、こういった判断をしたのはおかしかったですという答弁をすべきだと思います。今でもその当時の判断は正しかったと言うからおかしいのです。そこは総務大臣も徹底して調べると言っておられますが、第三者委員会は今どうなっているんですか。

○原政府参考人

 お答えいたします。

 第2回を含め、委員会の日程や、報告書の取りまとめ時期等スケジュールについて、検証内容、方法共に、委員会で御議論で判断していただくべきものであります。

 委員会においては、これも既に御答弁申し上げておりますが、東北新社の今御指摘のある外資規制違反の認識の問題について最初に検証に着手する方針と聞いておりまして、これは、結果がまとまり次第、速やかに国会に御報告したいと思っております。

 なお、1回目以降、委員会という形では開催されておりませんが、委員会の方針に沿いまして、委員の皆さんは、大変お忙しい中ではございますけれども、いろいろ書類を整理する補助弁護士の選任の準備ですとか、それから資料、データの収集、確認、それから関係者へのヒアリングの実施に向けた調整等が精力的に行われてございます。

 私ども総務省としては、大臣の御指示どおり、全面的に調査に協力していきたい、このように思っております。

○井上(一)委員

 徹底的に調査をするということは私は理解するのですが、やはりこれはずっと調査するというわけにもいかないと思います。大体、めどとしてはどのぐらいを考えておりますか。

○原政府参考人

 お答えいたします。

 これは、スケジュールにつきましても委員会でお決めいただくので、私どもの方でいつまでめどということは申し上げられないところでございますが、私どもとしては、大変国会でも御議論があった事項でございますので、正確、かつ、しかしそういう国会での御要請というのもしっかりと伝えて御議論いただきたいと思っております。

○井上(一)委員

 またこれは引き続きやりたいと思います。

 最後に、フジテレビなどを傘下に置くフジ・メディア・ホールディングスについて、さっき事実関係を調べるとおっしゃいましたが、すでに発表して、違反していましたと言っているわけでしょう。直ちに呼んで説明を聞かないと駄目なのではないですか。これは直ちに、やらないと、事実関係を調査させていますなんて、総務省は何を言っているのですかという思いです。大臣、直ちに呼んだ方がいいです。

○武田国務大臣

 御指摘の事案については、今後、適切な体制で徹底的に調査を行い、事実関係の確認を進めてまいりたいと思っているんですけれども、報道によれば、フジテレビホールディングス側もいろいろな面で今精査をしているという状況と私は伺っておりまして、やはりしっかりとした事実関係に基づいて今後とも調査を進めてまいりたいと考えております。

○井上(一)委員

 終わります。けれども、自ら記者発表しているわけですからね。これはやはり呼んで、厳重にやはり聞かないと。総務省、何やっているんだという感じです。終わります。

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