国会活動

平成の市町村大合併の評価

〇第196回国会 衆議院 総務委員会 2018年6月5日(火)

○井上(一)委員 

 希望の党の井上一徳です。

 最後の質問になります。よろしくお願いいたします。

 野田総務大臣に質問をする前に、1問、冒頭、防衛省に御質問をさせていただきたいと思います。

 私の地元、京都府京丹後市、ちょっとまた後で使うんですけれども、資料で配らせていただいておりますけれども、この地図でいう、今合併してしまって京丹後市になってしまったんですが、その前の丹後町、この突端に経ケ岬があるんですけれども、そこの経ケ岬には米軍の通信所があります。そこで、ドクターヘリによる救急搬送の件で、遅延したという事案がありましたので、これについてちょっと御質問をさせていただきたいと思います。

 防衛省近畿中部防衛局の発表、それから報道によりますと、5月15日に、宮津与謝消防組合消防本部が、ドクターヘリによる救急搬送のため、米軍経ケ岬通信所に対し電波の停止を要請したところ、意思疎通が円滑に行われずに、当初予定の着陸場を変更することになって、そのため救急搬送が17分おくれるという事態が発生しております。幸い疾病者の症状に別状はなかったというふうに聞いておりますけれども、いずれにしても、人の生命にかかわりかねない事態でありますので、まことに遺憾なことだというふうに思います。

 本件につきましては、京都府知事の西脇知事からも防衛大臣に宛てて抗議がなされたというふうに承知しておりますけれども、今後こういう事態が二度とあってはならないと思います。本件が発生した原因、それから二度とこういう事態が起きないような再発防止策について防衛省に伺いたいと思います。

○山本副大臣 

 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおりでございますが、本年の5月15日午前9時ごろ、宮津与謝消防組合消防本部から米軍経ケ岬通信所に対して、ドクターヘリによる救急搬送のためレーダーの停波を要請をしましたが、消防本部と米軍の間の意思疎通が円滑に行われず、停波することができませんでした。その結果、ドクターヘリは、当初予定していた場外離着陸場を変更しまして、近隣の航空自衛隊の基地を活用することになりました。ドクターヘリとけが人との接触が、御指摘のとおり、17分程度遅延したということであります。

 幸いにけが人に別状なかったということでございますが、防衛省としましては、日ごろから、停波要請手続が迅速かつ確実に行われるよう、米軍と消防本部等の関係機関との間で定期的な訓練を実施してまいりました。このような事態が発生し、けが人の方を始め関係者の皆様に御迷惑をおかけしたことは、まことに遺憾に存じます。

 今回の事案については、近畿中部防衛局は、関係者から事情を聴取し、内容をもとに、6月1日に事案の概要を公表いたしました。今後、米軍と関係機関との会議を開催し、検証したいと思います。

 停波要請手続の迅速かつ確実な実施がなされるように、今後、再発防止策に取り組んでまいりたいと思います。

○井上(一)委員 

 消防本部と米軍、しかも、なれていない人とか人事異動でかわったりすることもあって、やはり意思疎通がうまくいかないこともあったんだとは思いますけれども、そういうことがないように、やはり、訓練をできる限り頻繁にやっていただいて、そういった意思疎通が滞ることのないように、よろしくお願いしたいと思います。

 じゃ、副大臣、これで結構です。ありがとうございました。

○古屋委員長 

 じゃ、副大臣、御退席になって結構でございます。

○井上(一)委員 

 それでは、野田総務大臣に御質問をさせていただきたいと思います。

 前回の統計法の質疑の際に御質問させていただいたときに、野田大臣から、これまでも議論はありましたけれども、少子化、それから人口減少こそがこの国の最大の危機とずっと考えていますということで、私もそのとおりだと思っております。

 本日は、そのような問題意識を踏まえて、市町村それから道州制、そういうのも含めて、基礎自治体、それから広域自治体のあり方について、本当に初歩的な質問をさせていただきたいと思います。

 平成の大合併ということで、行政の広域化に対処する、それから地方自治の強化を図ることを目的にして行われたというふうに承知しておりまして、3,300あった市町村の数が約1,700まで減少しております。

 私の地元でも、参考資料で配らせていただいておりますけれども、合併が行われまして、この網線で引いたところ、これが今、京丹後市ですけれども、6町が合併して平成16年に京丹後市ができました。それから、平成18年には、福知山周辺の大江、夜久野、三和町、こういうのが合併して大きな福知山市になりました。それから、その上の加悦、野田川、岩滝、これが合併して与謝野町というのができたところです。

 それで、この京丹後市につきましては、平成17年から平成23年の5年間で、人件費が45億7千万円削減できた、それから公債費の比率も目標の19%台から16.7%に達したということであって、また、住民のアンケート調査をしてみても、中心のところとそれから周辺のところで不満に差が出ているということを示す要素はなかったというふうに聞いております。

 他方で、再編がよかったのか、合併がよかったのかということについては地元でもやはりいろいろな意見がありまして、それで、たまたま、石原信雄元官房副長官、それから元自治省事務次官の回顧談、これを読んでおりますと、

  この再編成が良かったのか悪かったのか、いろいろ意見が分かれているね。ほんとうの意味での地方自治を実現する上で広域の単位にした場合には、基礎的な自治体の在り方としてはかえってマイナスだという意見が結構ある。

  基礎自治体は、住民の目の届くところ、お互いにコミュニケーションができる範囲でなければいけないので、それ以上は広域行政として都道府県なりがやればいいのであって、行政単位としての市町村を見た場合には、住民の生活圏との関係でそんなに大きなものはかえってふさわしくない地域が今でもあるし、僕もその辺の議論は傾聴すべきだと思うね。

 というふうにおっしゃっております。

 確かに、規模を大きくすることで行政の受皿として機能が強化されたという面はあったと思いますけれども、先ほどの石原官房副長官が言われるように、この市町村合併については、市町村が住民から遠い存在になってしまったという面もやはり否定できないように思います。

 それから、総務省に設置されました市町村の合併に関する研究会、これが平成20年に合併の評価、検証、分析というのを出しておりまして、それを読みますと、やはりいろいろな意見があるということで、住民の連帯感が更に薄れて、地域社会意識が崩壊しているというような後ろ向きの声が多いという評価がある一方で、合併を契機に住民の自立に向けた動きが新たに広がってきたというような評価も記載されております。

 そこで、これから人口減少を迎え、これを克服していかなければならないわけですけれども、さまざまな意見がある中で、この市町村合併に対する評価、それから今後の市町村のあり方について、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○野田国務大臣 

 井上委員にお答えいたします。

 平成の合併は、地方分権の担い手となる基礎自治体の行財政基盤の確立を目的として、平成11年から進められて、平成21年6月の第29次地方制度調査会の答申において、「従来と同様の手法を続けていくことには限界がある」とされたことなどを踏まえ、平成21年度をもって一区切りとなっております。

 その結果、平成10年度末時点では、今お話があったように、3,232団体あった市町村数は、平成21年度末時点には1,727団体に減少し、行財政基盤が強化されるなどの成果が得られたと認識しています。

 平成の合併後も、全国には小規模な市町村がなお相当数存在しており、そうした地域においても持続可能な形で行政サービスが提供されることが重要なんだと思います。

 総務省としては、市町村が単独であらゆる行政サービスを提供するフルセットの行政、総花というんでしょうか、フルセットの行政の考え方から転換をしまして、近隣市町村との有機的な連携というのを視野に入れ対応することが必要だと考えていて、連携中枢都市圏とか定住自立圏などの広域連携施策を推進するとともに、連携協約や事務の代替執行などの制度を設けてきたところです。実際には合併しなくても、中身的に一緒にやっていくような形をつくってきました。

 今後、各市町村においては、自主的な合併に加え、こうした多様な手法の中から最も適したものをみずから選択しながら、持続可能な行政サービスを提供していくことが重要だと考えています。

 私の地元岐阜市も合併をいたしましたが、残念ながら、予定していた全ての町との合併は、産廃事案が発生したことによって至りませんでした。いいところと悪いところ、それぞれあるわけですけれども、今後、人口減少という、合併によってではなく、やはり全国的に進んでいる日本の少子化に対応できるような、しなやかな基礎自治体づくりというのは非常に重要だと私は思っています。

○井上(一)委員 

 ありがとうございました。

 今大臣からも、連携中枢都市圏、この話が出ましたけれども、これについては、地方創生の総合戦略においても、地域と地域の連携を掲げて、経済成長の牽引などの機能を有するということで、これを進めていくというふうにされております。これについては、制度的には、隣接する2つの市の人口が20万人を超えて、かつ双方がおおむね1時間以内の交通圏にある場合に、その関係市が連携協約を締結して、国も地方交付税によって財政措置で支援を図るという制度だと承知しております。

 しかし、私の地元舞鶴を含む7市町でその条件を満たす自治体がないものですから、北部地域連携都市圏形成推進宣言ということで、一応みんなで一緒にやりますよという宣言はして、観光、産業、教育、医療、交通で連携を図っていこうとしております。こういう取組を総務省においても評価していただきまして、舞鶴市は地方自治法施行70周年記念総務大臣表彰を受けたところでもございます。

 他方で、先ほど申し上げたように、やはり、連携中枢都市圏の制度では、先ほどの私の地元では地方交付税による財政措置が受けられないということですので、今後、そういうことであれば、こういった要件を緩やかにして対象範囲を拡大していってほしいという要望もありますので、そういった方向でぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○山崎政府参考人 

 お答え申し上げます。

 御指摘のように、連携中枢都市圏は、もともと、実は東京圏に対しての産業的な基盤とか生活基盤とかをつくって、東京にある人たちをむしろこっちに持ってこようというふうな、かなり強い都市圏域を考えてつくった制度でございます。そういった意味で、それを引っ張る中心市は、指定都市と中核市、しかも昼夜間人口比率一以上ということを基本にしてございます。

 そういった意味では、もともとこの政策が、十何年前からやっております定住自立圏という、人口5万以上で昼夜間人口比率一のところを中心に圏域をつくって、生活機能を確保していくということにプラスアルファして更にその強化をしたというふうなものになってございます。

 そういった意味で、我々としては、現在のところ、61圏域が中心になるのでございますが、まだ28圏域しか形成されていないということでこれを進めているところでございます。そういった意味で、私どもとしては、定住自立圏と連携中枢都市圏と両方が相まってというふうに考えております。

 ただ、今回、先生の御指摘を受けまして、当該圏域を見ましたら、なかなか大変だなと思いましたのが、それぞれの都市、それぞれの町が割と完結的で、大体78,000とか83,000とかという人口があって、しかも昼夜間人口比率が一以上のところと0.9台ということで、かなり生活圏域で合併をなし遂げたという状況になってございます。

 そういった意味で、総務省では、委託事業でこの圏域について一緒に議論させていただきました。ただ、こういう圏域について、今までの定住自立圏政策で十分なのかどうか、昼夜間人口比率一で78,000の都市が中心になって全部まとまれるかどうか、こういう議論があると思いますので、十分研究をしてまいりたいと思います。

○井上(一)委員 

 ありがとうございました。ぜひ研究をよろしくお願いしたいと思います。

 これも政府から出された答申で、今後の地方自治制度のあり方に関する答申というのがあるんですけれども、その中で書いてあるのは、「広域自治体としての都道府県のあり方が改めて問われるようになってきている。」ということで、「現行の都道府県に代わる広域自治体として道又は州から構成される制度の導入を検討する必要がある。」というふうにされております。

 他方で、先ほどの石原元内閣官房副長官によりますと、明治以来の47都道府県はそれなりに定着しておるし、それぞれの県民意識もできているということで、道州制には若干否定的な意見もあると思います。

 それから、先ほどの中枢連携都市圏構想、こういうのを進めていくとなると、都道府県の役割も大きく変わっていくんではないかというふうに思います。都道府県と市町村のあり方、いわゆる広域自治体と基本自治体のあり方について、ちょっとこれは質問しようと思っていましたけれども、ぜひまた、これも含めて研究していただければというふうに思います。

 では、最後に、地元の由良川の治水対策について、ちょっと国土交通省に質問をさせていただきたいと思います。

 平成26年8月に福知山市域で観測史上最大の降雨がありまして、由良川が氾濫して約3,300戸が家屋浸水するという被害が発生いたしました。

 国土交通省におきましては、緊急に治水対策をとっていただいて、しかも前倒しで取り組んでいただいておりますけれども、残念ながら、昨年の台風でも大きな被害が出たところでございます。

 5月12日には、国交省の簗政務官、それから西脇京都府知事、それから地元の大橋福知山市長も参加する大規模な総合水防演習も行われております。

 この由良川の治水対策、市民にとっては、安全、安心を守るために早急な対策を求める声が本当に強い事業であります。今後の治水対策の取組について、国土交通省から伺いたいと思います。

○清瀬政府参考人 

お答えいたします。

 由良川水系では、これまでたびたび浸水被害が生じてきております。近年におきましても、平成25年9月には、本川からの氾濫等により約1,600戸の浸水被害が発生、また、平成26年8月には、法川や弘法川など支川の氾濫等により福知山市街地を中心に約3,300戸もの浸水被害が発生、また、昨年の10月にも、本川からの氾濫等により浸水被害が発生しておりまして、委員御指摘のとおり、本川、支川含め、治水対策が急務となっていると承知しております。

 このため、国土交通省では、まず、由良川本川への対策といたしまして、山間の狭い平地に集落が散在している下流部におきましては、効率的に住家を浸水被害から防ぐために、輪中堤や宅地のかさ上げを、また、綾部や福知山といった市街地が氾濫原となっております中流部におきましては、連続堤防の整備や河道掘削等を実施しているところでございます。平成30年代半ばを目途に完成するよう進めているところでございます。

 また、支川に対しましては、平成26年8月豪雨と同程度の降雨に対しまして床上浸水被害をおおむね防止できるようにということで、国土交通省は排水機場の整備、京都府は河川改修や調節池、排水機場の整備、また、福知山市が下水道のポンプ施設の増強、雨水貯留施設の整備などを、平成31年度を目途に完成するように実施しているところでございます。

 国土交通省といたしましては、引き続き、関係機関と連携しつつ、由良川の治水安全度が少しでも早く向上するように事業を推進してまいりたいと考えております。

○井上(一)委員 

 ありがとうございました。

 このほかにも、総合治水対策として調整池の整備、これもありますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 どうもありがとうございました。

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