国会活動

和牛受精卵の海外への持ち出し

〇第197回国会 衆議院 外務委員会 2018年12月5日(水)

○井上(一)委員 

 希望の党の井上一徳です。

 本日は、資料で配付させていただいていますが、日本農業新聞の和牛精液、これは、今はより深刻で受精卵と言われておりますが、その持ち出しについて質問をさせていただきます。

 日本農業新聞での輸出禁止の和牛精液が日本国外へ不正に持ち出されていたという記事です。日本側の検査をすり抜け、中国入国時に見つかったため、流出は水際でとめられたという内容でありました。

 先日、農林水産省の方にこの記事についてお伺いをしたところ、和牛の精液ではなくて受精卵だったということでした。

 改めて、現時点でわかっている事実関係、これの御説明をお願いしたいと思います。

○小川政府参考人 

 お答え申し上げます。

 牛の精液、受精卵を海外に持ち出す際は、家畜伝染病予防法に基づき、動物検疫所の輸出検査を受ける必要がございます。先般、御指摘のとおり、この検査を受けずに海外へ持ち出し、中国当局に輸入をとめられた事案がございました。

 なお、御指摘のとおり、持ち出したものにつきましては、一部報道では精液とありますが、申告者は受精卵としておりまして、現在調査しているところでございます。

 以上でございます。

○井上(一)委員 

 この記事によると、同所は厳重注意だけでこの男性を解放したとあるのですが、何回ぐらい聴取して、持ち出した動機、理由については、この申告者の方は何とおっしゃっているんでしょうか。

○小川政府参考人 

 お答え申し上げます。

 この受精卵を無断で持ち出した者でございますが、中国への持込みが認められなかったことから、これは、持ち出した者が日本に持ち帰り、日本に帰った際に、動物検疫所に申告をしてきたところでございます。その際に厳重注意を行っております。

 また、そのものにつきましては、輸入検査証明書がございませんので、当然日本への輸入は認められないということから、その申告された方から放棄をしていただいたところでございます。

○井上(一)委員 

 報道によると、ストローが数百本とか百本とかあるんですけれども、実際は何個の受精卵だったんですか。

○小川政府参考人 

 お答え申し上げます。

 申告の際にお申出があったものは、ストロー、細い筒でございますね、それが370本ということで申告をいただいたのでございますが、我々の方で容器、ふたをあけて数えてみたところ、約480本のストローであったことを確認し、現在、その事案について更に調査を行っているところでございます。

○井上(一)委員 

 いずれにしても、大量の受精卵を持ち出そうとしたということで、私は、どうも一人の行為ということではなくて、組織的にやっているのではないかという疑いが強いのですが、その辺についてはどういう御認識ですか。

○小川政府参考人 

 お答え申し上げます。

 この無断で持ち出した者でございますけれども、動機につきましては、人から頼まれたということで説明を受けてございますけれども、この事案自体、更に調査を進めているところでございます。

○井上(一)委員 

 ここは動物検疫所の聴取ということなので、知的財産を保護するという観点からの聴取ではないような気がするんです。

 だから、私は、やはりもうこういった事態を二度と起こさないということで、知的財産を保護するという観点からの徹底した事実関係の解明を行っていただきたいと思いますが、その点、政務官、いかがでしょうか。

○高野大臣政務官 

 御質問ありがとうございます。

 農林水産省としましては、本事例を踏まえ、当該の輸出者に対しまして厳重注意を行っております。

 再発防止策として、船舶会社、航空会社、生産者団体、税関等に注意喚起を行い、同様の貨物を輸出しようとした者がいた場合は動物検疫所に連絡をいただくよう要請を行っているところであります。

 また、本件につきましては、事実関係の調査を進めながら、今後、告発の手続を進めてまいりたいと考えております。

 また、お話にありました知的財産についてでございますが、和牛など家畜の場合、仮に親が同一であっても、精液や受精卵の段階では形質が未確定でございまして、同じ能力の牛を増殖することは困難であります。また、植物のような条約も存在せず、種苗法のような法律による保護は難しいと考えております。

 しかしながら、和牛は、国内の生産者、関係者が長い年月をかけて改良してきた我が国固有の重要な財産であり、生産者団体等は、精液や受精卵を含む和牛の遺伝資源の輸出自粛に取り組んでいるところでございます。

 国におきましても、全国の家畜人工授精所等に対して、和牛遺伝資源の保護に関する理解の醸成や精液等の適正な流通管理の徹底に取り組んでいるところであり、今後とも、生産者団体と連携をしながら、緊張感を持って適切に取り組んでまいります。

 以上です。

○井上(一)委員 

 済みません、後半部分は後で聞こうと思っていたのですが。

 いずれにしても、この申告者に厳重注意をされたということだったのですが、法律違反をしている人にまだ事実もよくわからない段階で厳重注意をしたということです。私は、事実関係を調べた上で、徹底した事実関係のもとに、どういう対応をするかという判断があってしかるべきだと思います。

 正直、私はやはり危機管理意識が甘いんじゃないかと思っているのですが、具体的に、これはどういうような厳重注意の内容だったんでしょうか。これは参考人の方で結構です。

○小川政府参考人 

 お答え申し上げます。

 冒頭申し上げましたとおり、受精卵、それから精液、卵子、さらに肉類につきましては、持ち出す際にはしっかりと動物検疫の検査を受けていただく必要がある、このことにつきまして厳重注意をさせていただいております。

○井上(一)委員 

 それは単に、厳重注意というよりもお知らせみたいなもので、私、危機管理認識がやはり甘いと思います。政務官、これは事実関係を徹底的に解明していただきたいですし、刑事告発も念頭に進めるということでしたが、これは具体的にどのようにお考えですか。

○高野大臣政務官 

 お答え申し上げます。

 厳重注意の御指摘がございました、内容も踏まえての御指摘がございましたが、この内容を私もしっかりと理解をしまして、足らざるところはしっかりと指導していきたいというふうに思っております。

 また、告発につきましても、これもできるだけ速やかに、関係者が比較的多いようなお話も聞かせていただいておりますので、この辺も踏まえてしっかりと調査を厳密にしまして、対応してまいりたいと思っております。

 御指導、よろしくお願いします。

○井上(一)委員 

 先ほど政務官から話はしていただいたのですが、植物の場合は種苗法で権利が保護されるということを伺っておりますが、和牛のような畜産物については知的財産として保護するという仕組みがありません。

 家畜伝染病予防法のような伝染病を予防するという観点ではなくて、しっかり知的財産を保護するという観点から、法整備をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○富田政府参考人 

 お答えいたします。

 植物との違いをまず説明させていただきたいと思います。

 植物につきましては、種苗法に基づきまして、育成者権を設定することが可能でございます。同一世代でその特性が十分均一であるという均一性、あるいは、何代増殖を繰り返しても特性が安定している安定性、そのような要件を満たしますれば、新品種として登録することが可能でございます。また、新品種を保護するための国際条約、UPOVと申しますが、そういった条約も存在しております。

 他方で、先ほど政務官から御答弁いただきましたが、和牛など家畜の場合、仮に親が同一であっても、精液や受精卵の段階では形質が未確定であり、同じ能力の牛を増殖することが困難でございます。また、植物のような条約も存在せず、種苗法のような法律による保護は難しいと考えてございます。

 ただ、しかしながらということで、生産者団体等含めて遺伝資源の輸出の自粛に取り組んでおりますので、政府としても、しっかりと関係団体と連携をとって対応してまいりたいと考えてございます。

○井上(一)委員 

 では、最後、コメントだけで終わりますが、やはり和牛ブランドは非常に重要ですので、条約がないのであれば条約をつくるといった知的財産を保護することに、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 以上で終わります。

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