国会活動

中国の海警法、尖閣諸島

〇第204回国会 衆議院 予算委員会 2021年2月8日(月)

○井上(一)委員

 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。

 最後のバッターになりました。

 本日は、尖閣諸島をめぐる安全保障の問題について質疑をさせていただきたいと思っております。

 まず、私の安全保障の考え方が、自らの国はしっかり自らで守る、そのために、防衛、警備、その努力に力を注ぐ。2つ目は、その上で日米同盟の連携を強化していく。そして、3つ目として、国際社会との連携、特に、自由、民主主義、国際ルールを重視した国々との連携、これを深化させていく。この3つだと思っています。私は、尖閣諸島への対応も、この3つが基本だと思っております。

 まず、自らの力は自らで守る。そういう点で、尖閣諸島についても、海上保安庁の職員の皆さんそれから海上自衛隊の皆さん、365日、24時間、緊張感を持って、隙を見せることなく対応してもらっています。まずは、海上保安官の皆さんそれから海上自衛隊の皆さんに、心より敬意それから感謝を申し上げたいと思っております。

 ただ、中国は、国家戦略として、本気になって、諦めることなく尖閣を狙っています。そういう中で、2月1日に、中国の管轄区域内に入った外国船が命令に従わない場合に武器の使用を認める海警法が施行されました。そして、今月の6日、7日には、連続して領海侵入がありました。

 海警法に対しては、フィリピンやベトナムは反発しています。

 他方で、日本政府は、様々な機会に中国海警法に関する我が国の懸念や関心を申し入れるといった反応です。そして、今回の領海侵入に対しても、外務省の局長から抗議というだけで、いつもと変わらない対応です。

 私は、この海警法の施行によって、尖閣をめぐる次元が変わったと思っています。危機管理のレベルの次元が変わったと思っています。そういう状況の中でも日本政府の対応は変わらないままというのは、私は変えるべきだと思っておりまして、日本政府として、中国政府に対してもっと強くその姿勢を示すべきだと思っていますが、総理、いかがでしょうか。

○菅内閣総理大臣

 先般施行された中国海警法については、その運用により、東シナ海や南シナ海などの海域において緊張を高めることは全く受け入れられない。日本政府としては、中国海警法について、国際法に反する形で運用されることがあってはならなく、我が国を含む関係国の正当な権益を損なうことがあってはならないと考えており、こうした我が国の強い懸念を中国側に様々な機会を捉えて伝えてきています。

 今後とも、日本の領土、領海、領空は断固として守り抜くの決意の下に、冷静に、そして毅然に対応していきたいと思います。

○井上(一)委員

 やはり、断固として尖閣を守るということであれば、もっと強い姿勢が必要ではないかと私は思っています。

 それで、資料でつけてが、この尖閣周辺で活動している中国公船は、海警局の所属です。よく、海警局については、日本の海上保安庁と同じような組織だと見ている方もおられますが、全く違う組織です。よく言われるように、第2海軍とか準海軍とか言われる存在です。

 この海警局について、どのような組織なのか、御説明いただきたいと思います。

○岡政府参考人

 お答え申し上げます。

 中国海警局、いわゆる海警でございますが、海上法執行機関とされておりますけれども、2018年には、中央軍事委員会による一元的な指導、指揮を受ける人民武装警察部隊、いわゆる武警の隷下に編入され、この武警の下で運用されていると承知をしております。

 この組織改編後、海軍出身者が海警トップを始めとする海警部隊の主要ポストに補職されております。また、海軍の退役駆逐艦やフリゲートが海警に引き渡されるなど、組織、人事面や装備面などで、軍と海警との連携強化が図られていると見られております。

○井上(一)委員

 今回の中国海警法の主な内容ということで、資料でつけておりますが、83条にはこう書いてあります。国防法、武装警察法の関係法律、軍事法規、中央軍事委員会の命令に基づき、防衛作戦等の任務を遂行ということです。これは海上保安庁の組織ということではなく、全く違う組織だという認識が必要だと思います。

 そして、6日、7日と連続して中国公船が我が国の領海を侵入しています。これも資料でつけておりますが、中国海警船の接続水域内における連続確認日数は、令和2年になって格段に回数が増えています。

 今の中国公船の活動状況について、海上保安庁、御説明いただけますか。

○奥島政府参考人

 お答えいたします。

 尖閣諸島周辺の接続水域におきましては、ほぼ毎日、中国海警局に所属する船舶による活動が確認されており、昨年は、尖閣諸島周辺の接続水域における中国海警局に所属する船舶の年間確認日数が333日、連続確認日数も111日と、いずれも過去最多を更新いたしました。また、日本漁船への接近事案が繰り返し発生し、これに伴い、領海侵入時間も57時間39分となり、過去最長を更新するなど、尖閣諸島周辺海域の情勢は日々厳しさを増しております。

 このような厳しい情勢におきましても、海上保安庁では、今後とも、我が国の領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、関係機関と緊密に連携し、事態をエスカレートさせないよう、冷静かつ毅然として対応を続けてまいります。

○井上(一)委員

 海上保安庁の皆さん、本当に大変だし、御苦労さまだと思います。

 このような大変厳しい状況の中で、先ほど申し上げました海警法が制定され、2月1日から施行されているわけです。先ほど総理も言われましたが、外務大臣は、この法律が国際法に反する形で適用されることがあってはならないとおっしゃっています。具体的に、このとおり実行されれば、どの点が国際法違反に当たり得るのでしょうか。

○茂木国務大臣

 尖閣諸島周辺の我が国領域内で独自の主張をするといった海警船舶の活動そのものが国際法違反でありまして、これまで中国側に厳重に抗議をしております。こういった中で、今回、中国の海警法が制定された、そのことについて深刻に懸念をしているわけであります。

 中国の海警法、委員も御案内のとおり、曖昧な適用海域であったりとか武器使用権限等、国際法との整合性について特に注視すべき点がある、そのように考えておりまして、どう運用されていくのか、国際法と整合的に運用されるのかどうかについては、引き続き高い関心を持って注視をしていきたいと思っております。

 そして、先ほど委員の方から、日本として懸念を伝えているだけかという話がありましたけれども、まずは、委員おっしゃったように、自分でやることはやる、その上で日米同盟、さらには、自由、民主主義、基本的な価値を共有する国々との連携、そういった国々の外務大臣に対しても、この海警法の問題、日本の側からきちんと問題提起をしております。

○井上(一)委員

 この海警法に基づいて中国が本当に武器を使用した場合にどうなっていくのかというシミュレーションで確認していきたいと思います。中国が海警法に基づいて尖閣諸島周辺で活動している我が国の漁船に武器使用してきた場合、海上保安庁はどういう対応になるのでしょうか。

 記事を見ていると、海上保安庁の船は中国の公船には武器の使用はできないという記事もあるので、誤解をしっかり解いておいた方がいいのではないかという趣旨で質問しています。

○奥島政府参考人

 お答えいたします。

 海上保安庁では、中国海警局に所属する船舶が日本漁船へ接近しようとする動きを見せた場合には、漁船の周囲に巡視船を配備し、安全を確保しております。

 その上で、仮に中国海警局に所属する船舶が武器を使用する場合の対応につきましては、個別具体的なケースに即して総合的に判断すべきであり、一概にお示しすることは困難です。

 ただし、国際法上許容される範囲内において、海上保安庁法20条第1項で準用する警察官職務執行法7条の要件に該当する場合には、警察比例の原則に基づき、武器を使用することは排除されないと認識をいたしております。

○井上(一)委員

 武器を使用することも排除されない、武器は使用することはあり得るという答弁です。

 この点は非常に大事だと思いますので、総理にもこの点を確認しておきたいと思います。

○菅内閣総理大臣

 今、海上保安庁長官が答弁をしたとおりです。

○井上(一)委員

 そうなると、今度は、中国公船が海上保安庁の船舶に対して武器を使用するということも想定されるわけです。その場合に、海上保安庁は、自己に対する防護として、中国公船に対して武器を使用することもあり得るのでしょうか。

○奥島政府参考人

 お答えをいたします。

 中国海警局に所属する船舶が武器を使用する場合の対応につきましては、個別具体のケースに即して総合的に判断すべきであり、一概にお示しすることは困難です。

 ただし、繰り返しになりますが、国際法上許容される範囲内において、海上保安庁法第20条第1項で準用する警察官職務執行法7条の要件に該当する場合には、警察比例の原則に基づき、武器を使用することは排除されないと認識をいたしております。

○井上(一)委員

 この点も非常に重要です。海上保安庁の船舶が海警局の中国公船に対して武器を使用することもあり得るという点についても、総理に再度確認しておきたいと思います。

○菅内閣総理大臣

 今、海上保安庁長官が答弁をしたとおりです。

○井上(一)委員

 そうしますと、現場海域では、あってはならないことですが、海上保安庁の船舶と海警局の中国公船が現場においてお互いに武器を使用するという状況も想定されるわけです。

 そうなると、本当に、先ほど申した海警局の性格からいって、海上保安庁で十分対応できるのかという問題が出てきます。その場合には自衛隊の対応ということも想定されるわけですが、自衛隊はどのような対応になるのでしょうか。

○岸国務大臣

 先ほど海上保安庁からも御答弁あったように、昨今、中国海警船の活動は大変活発化しております。

 その中で、領海侵入に対しては、一義的には海上保安庁で対応しているところですけれども、防衛省・自衛隊も警戒監視、情報収集に万全を期しているという状況でございますが、今お話のあったところで、海上保安庁で対応が困難となったような場合には自衛隊が対応することになります。

 内容については、個別具体的な状況に応じて判断する必要がありますので、一概には申し上げることは困難ではありますけれども、一般論として申し上げますと、武力攻撃に至らないような侵害に警察機関で対処できない場合、この場合は、自衛隊は、海上警備行動、治安出動の発令を受けて、警察機関と連携の上、対処することとなります。また、侵害行為が我が国に対する外部からの武力攻撃に該当すると判断され、また我が国を防衛する必要があると認められる場合には、防衛出動の発令を受けて対処するということになります。

 尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も疑いのない我が国の領土であります。現に、我が国はこれを有効に支配しているという状況でございますが、防衛省・自衛隊としては、今後も引き続き、国民の生命財産、また、領土、領海、領空を守り抜く、断固として守り抜くという決意の下で冷静かつ毅然と対応してまいりたいと思います。

 一方、何人もこの断固たる決意を見誤るべきではないということについては、はっきり相手に伝えていかなければならないと考えております。

○井上(一)委員

 私もまさに防衛大臣と同じで、こういう深刻な事態にならないためにも、中国の海警局に対しては、武器の使用は絶対あってはならないということを強く伝えるべきだと思っています。そういう意味で、外務大臣は大使を呼んで懸念をしっかり伝えるということも重要ではないかと私は思っています。

 続いて、第2番目の、米国との連携についてお尋ねしたいと思います。

 尖閣諸島における安保5条の適用について、総理や外務大臣、防衛大臣のレベルで再三確認されていることは非常に重要であり、評価したいと思います。

 一つ、私は指摘しておきたいのですが、米国との関係で、尖閣諸島に訓練区域を提供しているという事実を案外知らない人が多いのではないかと思っています。この事実関係について、資料でつけておりますが、防衛省、御説明いただきたいと思います。

○鈴木政府参考人

 尖閣諸島に属する久場島及び大正島につきましては、昭和47年、1972年5月15日に開催された日米合同委員会におきまして、日米地位協定第2条1(a)の規定に基づきまして、それぞれ射爆撃場として米軍による使用が許されることを合意し、現在まで米側に提供されているものでございます。

○井上(一)委員

 まさに、ここは明白で、日本の領土でなければ米国に提供できるわけがありません。これは、国際的にも私は非常にアピールできるのではないかと思っていますが、日本の外務省のホームページを見ても、探し出してようやく何かわずかに書いてある程度です

 私は、日本の多くの方にもこの事実は知ってもらった方がいいし、特に国際社会に向けてこういう事実はもっとはっきり伝えた方がいいと思っています。ホームページをもっと見やすくした方がいいのではないかと思いますが、外務大臣、どうでしょうか。

○茂木国務大臣

 外務省のホームページ、ちょっと複雑な部分もありましたので、先週かなり変えました。大きく変えたので、また御覧いただければと思うんですが、そこの中で、尖閣諸島について、まずやはり強調しなくちゃならないのは、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であって、現に我が国はこれを有効に支配している、同諸島をめぐって解決すべき領有権の問題、そんなものは存在しない、こういったことを明確に言うのがやはり一番重要だと思うんですよ。

 その上で、射爆場の話でありますけれども、これはもう1950年代から、あのアメリカの施政下のときもありましたし、72年、戻ってきてからもそう、そういった形で、日本として米軍側に提供しているということはホームページ上に掲載をしております。

 今後工夫が必要だと思っておりまして、よりインパクトがあるような形で考えてみたいと思います。

○井上(一)委員

 是非工夫していただきたいと思います。

 米国との緊密な連携の中で、尖閣を念頭に置いた訓練を米国としっかりやっていくことも重要ではないかと思いますが、防衛大臣、いかがでしょうか。

○岸国務大臣

 自衛隊は、戦術技量の向上や米国との相互運用性の向上を目標として、年間を通じて、米軍との間で様々な実動訓練、また指揮所演習、指揮所訓練を行っております。

 例えば、昨年10月から11月にかけて、実動での日米共同統合演習、キーンソードというものですけれども、これを実施いたしました。このような共同訓練の細かいシナリオ等については、これはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、共同訓練を通じて、自衛隊の即応性、また日米の相互運用性を着実に向上させてきているというところでございます。

 先般のキーンソードについて申し上げますと、水陸両用作戦の一環として、鹿児島県の無人島であります臥蛇島を利用して、水陸機動団と米海兵隊の海上部隊が連携をして、MV22オスプレイによるヘリボーンでの上陸というものを行いました。

 防衛省・自衛隊として、引き続き、米軍と密接に調整しつつ、各種の共同訓練を通じて、日米の同盟の抑止力、そして対処力を不断に強化して、尖閣諸島を含め、我が国の防衛に万全を期してまいりたいと考えております。

○井上(一)委員

 それでは、最後の質問です。最後は、諸外国との連携の強化ということです。

 日英2プラス2で、東シナ海、南シナ海の現状に強い懸念を共有した、英国が本年中に、クイーン・エリザベスを含む空母打撃群を東アジアを含む地域に展開されることになったとのことです。非常に重要で、私は評価したいと思います。

 さらには、フィリピンやベトナムを含む諸外国との連携も重要だと思っておりますので、今後、諸外国の連携をどうやって進めていくのかを外務大臣にお聞きして、私の最後の質問にしたいと思います。

○茂木国務大臣

 日本を取り巻きます安全保障環境は厳しさそして不透明感を増しているところでありまして、そういった中で、まずは、日本の外交、安全保障の基軸であります日米同盟を強化する、同時に、委員も冒頭指摘をされましたように、価値観を共有する二国間そして多国間の連携、こういったものを広げていきたいということで、先週、3日の日ですけれども、日英の2プラス2、岸大臣とともに、先方のドミニク・ラーブ、さらにはその防衛大臣とやらさせていただいたところでありますが、非常に大きな意義があったと思っております。

 同時に、こういった連携というのを、今お話がありましたベトナムであったりとかフィリピン、そういったASEAN諸国であったり、豪州、インド、フランス、ドイツ、EU、そういった国々にもしっかり広げていきたいと思っております。

○井上(一)委員

 質問を終わります。ありがとうございました。

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