国会活動

特別自治市、外国人による土地買収規制

〇第203回国会 衆議院 総務委員会 2020年11月12日(木)

○井上(一)委員

 国民民主・無所属クラブの井上一徳です。

 まず、武田大臣、御就任おめでとうございます。実力大臣として、日本国民のため、国家のため、遺憾なく力を発揮していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 私は、都市集中と地方衰退を解消していかなければ日本の未来がないと思っています。その思いから質問させていただきたいのと、もう一つは、外国人による土地買収の問題も、京都北部を回っておりますと、多くの方々から心配の声を聞きますので、この二つについて質問をしたいと思います。

 まず一つ目、資料でお配りしておりますが、「日本列島改造論」です。これは、1972年、今から50年前に書かれた本です。

 これを読みますと、明治100年、明治元年が1968年ですから、それから100年たった1968年の意味ですが、

 明治100年をひとつのフシ目にして、都市集中のメリットは、いま明らかにデメリットへ変わった。国民がいまなによりも求めているのは、過密と過疎の弊害の同時解消であり、美しく、住みよい国土で将来に不安なく、豊かに暮していけることである。そのためには都市集中の奔流を大胆に転換して、民族の活力と日本経済のたくましい余力を日本列島の全域に向けて展開することである。工業の全国的な再配置と知識集約化、全国新幹線と高速自動車道の建設、情報通信網のネットワークの形成などをテコにして、都市と農村、表日本と裏日本の格差は必ずなくすことができる。

 今読んでも、このとおりです。1972年に書かれて、それから50年たって、私は、田中角栄元首相の問題意識は、今こそ鮮烈に沸き上がっていると思います。

 それで、安倍政権のときにも東京一極集中是正と地方創生ということで掲げられましたが、残念ながら、むしろ東京一極集中は加速化しており、地方衰退も加速化しています。この大きな流れをやはりみんなで力を合わせて変えていかないと、私は日本というのは本当にすかすかの国になってしまうのではないかと思っています。私は、多分、その問題意識は共有できると思います。

 東京一極集中是正と地方創生に向けて、もっと力を入れて全員でやっていかないと、私は本当に日本の将来がないと思っていますので、実力大臣たる武田大臣が政治家としてどう取り組んでいくのか、思いを聞かせていただきたいと思います。

○武田国務大臣

 均衡ある国土の発展というものを目標に掲げてもう久しくなってきておりますけれども、御指摘のように、一極集中というのが加速化して、地方の衰退というのも加速化して、今となっては大変重大な社会問題となっているんです。

 一極集中は、災害リスクというものも伴いますし、また、地方の担い手がいなくなってくるという、地方の力というものも衰退する原因にもなってくる、さまざまな悪影響を及ぼすわけでありますけれども、このコロナ禍の中において、我々は、新たなる日常というものを見出す。この新たなる日常とは何なのかといえば、地方にいてもしっかりと都会の仕事ができるんだ、都会ではちっちゃな高いマンションしか住めないけれども、アパートしか住めないけれども、そのお金があったら、もっと自然環境で豊富な、子供の教育上もいい、環境のいいところに住めるんだ。いろいろな将来の新たなる日常に向けて、我々は、地方への回帰というものを進めていく、一つ一つの努力が大事だ、このように考えております。

 さまざまな面で今、地方おこし隊始め、さまざまな方々が運動を展開していますけれども、今なおまだその解消には至っていないということは、これは国家的問題として位置づけて、我々もありとあらゆる英知を結集して取り組んでまいりたい、このように考えております。

○井上(一)委員

 ありがとうございました。

 それで、もう一つ、「日本列島改造論」の中で、こういうことが書いてあります。

 ここで問題になるのは、明治の廃藩置県によってつくられた現在の府県制度との兼合いである。結論からいえば、現在の府県制度は行政区域としてはせますぎるし、行政単位としても国と市町村のあいだに立ってあいまいな性格をもっている。このため、こんごの経済発展と行政の広域化に対応しにくい。したがって、現行制度の改廃を含めて将来の府県制度のあり方を根本から検討する時期にきている。

 これも、まさに50年前、田中元首相が言った話です。けれども、全く何もできていません。私は、こういう大胆な改革に取り組まないから、東京一極集中、地方衰退が続いていると思っています。そういう意味で、この間の大阪都構想は、残念ながら否決はされましたが、本当に大都市制度に一石を投じるすばらしいチャレンジだったと思っています。それから、政令指定都市会が提言を出された特別自治市制度も大きな改革を目指したものだと思います。

 私は、こういった大胆な改革に取り組んでいかなければ、日本の未来はないと思っております。平成25年の6月の第30次地方制度調査会答申で、政令指定都市の話を出していまして、政令指定都市の規模、能力が高く、都道府県庁所在地であることも多いこと等から、政令指定都市と都道府県との実際の行政運営の中で、いわゆる二重行政の問題が顕在化していると、指摘しております。

 この点について、総務省としては、現在、政令指定都市それから都道府県の関係についてはどのような認識をお持ちでしょうか。

○髙原政府参考人

 御答弁申し上げます。

 いわゆる二重行政の問題でございますが、法令等で明確に役割分担が定められていない分野を中心に、例えば、都道府県側それから市町村側で同じような施設をつくる、あるいは、観光政策などのように重複的にソフト施策をするといったような問題はやはりあるんだろうというふうに思います。

 ただ、そういったものは、やはり都道府県あるいは市町村の間の現場の調整というか、そういった知恵で解決していくべき問題でございまして、先生御指摘いただきました30次の地方制度調査会については、特に、指定都市と道府県の事務が競合し、あるいは両者間の事務処理に関する調整が整わない問題に対して、例えば政策を調整する場の法制化ですとか、そういったことの答申がなされたというふうに考えております。

 以上でございます。

○井上(一)委員

 二重行政は、間違いなくあるということで、この問題は解決していかないといけないわけです。

 資料2は総務省の資料です。

 政令指定都市の権限はほとんど都道府県と一緒となっています。違いが残されているのは主に3つで、社会基盤に関する事務として河川の管理、教育に関する事務として学級編制、教職員定数の決定、それから治安、安全に関する事務ということで警察、権限としては大きくこの3つしかありません。ほかのあらゆる権限は、京都を例にとれば京都市にあります。

 それで、資料3で、各道府県における政令指定都市の選出議員を調べてみました。

 例えば、神奈川県には政令指定都市が3つあります。そうすると、都道府県の議員数は105人いるわけですが、政令指定選出議員数は40、18、8人ですから、66人です。過半数以上は政令指定都市の選出議員となっています。それから、京都の場合でも、60人のうち34人は政令指定都市の京都市選出です。大臣の御出身の福岡でも、86人のうち39人と、半数近くが政令指定都市の選出議員となっています。

 政令指定都市の選出議員はほとんど政令市で権限を持っているわけですから、正直なところ、それほど何かやることがあるのかという素朴な疑問がありまして、その点について、大臣、どのように思われますか。

○武田国務大臣

 かねてから多くの方々がその点を指摘されているんですね。警察行政、河川、そして教員に関するこの3つの業務のためにどうして県会議員を政令市に置かなきゃいけないのかと。これは本当に多くの意見が寄せられております。

 これは、投票価値の平等、人口比例によって議員が選出されるということ、投票価値の平等という観点から今その制度が導入されているんでしょうけれども、今から、人口が減ってくる、そして行政のデジタル化が進んでくる、やはりありとあらゆる制度というものを国、地方ともどもに見直していかざるを得ないときがやってくるわけです。

 さまざまな状況に備えて、さまざまなシミュレーションをして、何が一番地域住民のためになるか、国民のためになるか、国民の負担を軽減することにつながるか、こうしたことを考えていかなければならない、こういうふうに思います。

○井上(一)委員

 大臣、本当にすばらしい答弁をありがとうございました。

 それで、その観点からいくと、政令指定都市会が出している提言の特別自治市は、以前にも特別市というのが地方自治法の中にあったのですが、消えてしまって今の政令指定都市になっているわけです。私は、特別市の復活、いわゆる特別自治市をぜひやったらいいのではないかと思っています

 それによって、例えば、京都府の場合ですと、京都府の人口255万人のうち、京都市に140万人います。もうそれは一つの形として独立して、あらゆることは京都市で決めてもらう。残りの部分を京都府知事は専念するようにします。

 例えば、京都北部は、地方衰退で過疎が多いわけです。京都市のことは京都市長がやって、京都府知事は、残ったところのあらゆる課題に専念するようにします。京都市の選出の京都府議は要らなくなるわけですから、府議だったら別の地域に振り向けることができるかもしれません。それによって、あらゆる課題に細かく気配り、目配りできた議論ができるのではないか、私はこのように思っていますが、大臣、これについても御答弁いただけないでしょうか。

○武田国務大臣

 第30次地方制度調査会において、全ての都道府県、市町村の事務を一元的に処理する特別市について議論が行われました。

 その答申におきましては、その意義は認めた上で、周辺自治体に対する都道府県の行政サービス提供への影響について懸念が指摘され、都道府県から指定都市への事務と税財源の移譲を可能な限り進め、実質的に特別市に近づけることを目指すとされたところであります。

 政府としては、同答申を踏まえまして、県費負担教職員に関する事務等の指定都市への移譲とそれにあわせた税源移譲、指定都市都道府県調整会議の設置、総合区制度の創設などの必要な見直しを行ってきたところであります。

 大都市制度については、これまでも累次の地方制度調査会などで検討が行われ、必要な制度の見直しを講じてきており、そのあり方につきましては、これまでの検討経緯や制度の活用状況も踏まえつつ慎重に検討すべき課題と考えております。

○井上(一)委員

 慎重にではなくて前向きに検討していただきたいと思います。

 これは日本の将来のための改革だと思いますので、やはり実力者として、大臣、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、続いて、外国資本による土地買収規制に関する質問です。

 北海道とか対馬では外国人による土地買収の問題が報道されていますが、京都北部を回っていても、外国資本によってこの土地が買われているんではないかという不安を持っている方が本当にたくさんおられます。この問題に今の内閣として取り組まれるということは、非常に私も評価したいと思います。

 まず、9日にこの問題に関する有識者会議が開かれたと新聞で見ておりますが、政府の問題意識、それからどのように検討していこうとしているのか、御説明いただきたいと思います。

○木村政府参考人

 お答え申し上げます。

 外国資本によります防衛施設周辺等の土地の取得等につきましては、安全保障にかかわる重要な問題と認識してございます。

 骨太方針2020におきましても、「安全保障等の観点から、関係府省による情報収集など土地所有の状況把握に努め、土地利用・管理等の在り方について検討し、所要の措置を講ずる。」と閣議決定されたところでございます。

 内閣官房では、骨太方針2020を踏まえまして課題などの整理を行ってきてございます。

 その上で、担当の小此木大臣のもと、国際関係、行政学、民法、土地制度といった幅広い分野の専門家の方々から成ります有識者会議を設置いたしまして、去る11月9日に第1回の会議を開催したところでございます。

 この第1回会議では、例えば、国民は目的が明らかでない土地取引に不安を感じている、あるいは、まずは土地の所有、利用状況の実態把握が必要、あるいは制度の検討に当たっては内外無差別を前提とすべきといった趣旨の御意見を頂戴したところでございます。

 本件は長年の懸案となっておりますので、政府といたしましては、有識者会議での御意見も踏まえながら、外国資本による取引に対象を限定せず、今後の政策対応の方向性についてしっかりと検討を進めてまいりたい、このように考えてございます。

 以上でございます。

○井上(一)委員

 今いろいろ言われた中で、非常に難しいのが、内外無差別、いわゆる内国民待遇、GATSです。貿易のルールの中で、日本は、外国人に対しても日本人と同じようないわゆるサービスを提供するということがGATSで決まっていますが、外国資本の土地取得について、我が国ではGATSについてどういうような取扱いをしているのか、御説明いただきたいと思います。

○田島政府参考人

 井上委員の御質問にお答えいたします。

 我が国が締結している国際約束のうち、今御質問にありましたGATS、WTOのサービス貿易一般協定、それから投資協定、経済連携協定におきましては、サービスの貿易や投資活動について外国人や外国企業に対して日本人と同等の待遇を与える義務、いわゆる内国民待遇義務が規定されています。

 この観点から、日本人を対象とせず、外国人、外国企業のみを対象とした土地取得の規制を行う場合には、これらの国際約束との整合性に留意する必要があります。

 御指摘の安全保障のための例外に関しては、GATS及び我が国が締結する投資協定、経済連携協定に設けられておりまして、こうした例外規定に基づいて一定の措置をとることは妨げられません。

 ただし、いかなる措置がこれらの例外に該当し得るかについては、当該措置の具体的内容、必要性などを踏まえ、個別の規定に照らして検討して、ケース・バイ・ケースで判断する必要があります。

 なお、国際約束上、日本人及び外国人の双方を対象として合理的目的及び手段で土地の取引を規制するということは可能であります。

 いずれにいたしましても、我が国として土地利用、取得のあり方について検討することは重要であると考えておりまして、外務省としても、引き続き関係省庁と連携してまいりたいと思います。

○井上(一)委員

 今の説明では、GATSで原則としては内国民待遇で、日本人も外国人も差別なく扱うが、安全保障上の例外規定はあるとしても、慎重な運用、取扱いが必要だということです。しかし、今の国際情勢を考えると、安全保障上の例外措置をしっかり踏まえた対応をとっておかないと、私たちのこの大事な国土が外国人に買われていってしまうような状況になってしまっています。一刻も早く是正しなければなりません。

 それで、諸外国でもこの外国人の土地買収についてはいろいろな規制を設けていると聞いています。アメリカでも、最近になって、外国投資リスク審査近代化法、FIRRMAと呼んでおりますが、このFIRRMAを改正して、対米外国投資委員会、CFIUSと言っていますが、ここが厳格な審査をして、外国人が土地を買う場合には、防衛施設周辺だったら審査するという仕組みを取り入れています。

 この点について、政府の方として把握している範囲で御説明ください。

○河邉政府参考人

 お答え申し上げます。

 米国における規制の一例といたしまして、本年2月に外国投資リスク審査現代化法の下位規則が新たに施行されたと承知しております。

 この規則によりますと、外国投資家による土地取引のうち、軍事・安全保障関連施設の近接地、周辺等における土地購入等が一定の条件のもとで投資審査の対象になることとなったと承知しております。

 近接地、周辺の範囲につきましては、施設の境界線から1マイル、約1.6キロでございますが、1マイルの土地を原則として対象としておりますが、施設の特性に応じて100マイルまで範囲を拡大することができることになっていると承知しております。

○井上(一)委員

 ありがとうございました。

 そのように、アメリカは、厳格に外国人の土地買収について審査するという仕組みをつくっているということです。

 新聞を読んでいると、資料5につけていますが、日本経済新聞に、「米国は土地取得を許可制にしており当局の判断で外資の取得を却下できる。米国はGATS加盟時に土地取得を制限する留保条項を付けたため厳格な規制が可能だ。」ということで、日本は留保条件をつけていないので厳しい措置がとれないと思えるのですが、これについてアメリカはどういう整理をしているのでしょうか。

○河邉政府参考人

 お答え申し上げます。

 米国がとっている規制内容と米国のGATSにおける留保状況との関係性については、我が国政府としてお答えする立場にはございませんが、米国は、GATSにおいて、連邦政府の所有する土地の初期販売を米国民に制限するなど、外国人の土地取得について留保を行っている、そういうふうに承知してございます。

○井上(一)委員

 私もこのアメリカのGATSに対する留保条件を調べてみたんですが、一部の州がそういった規制を設けているので留保条件をつけたということで、アメリカ全体として留保条件をつけているという理解はしていませんので、日本も、留保条件はつけていないとしても、安全保障上の例外規定を踏まえて、厳しい措置をとることができるのではないかと私は考えております。

 アメリカは先ほど説明いただきましたが、ほかにも、報道では、例えばイギリスやフランス、豪州、韓国等ありますが、それらの国では外国人の土地規制に関してどういうような仕組みを設けているか、御説明いただきたいと思います。

○河邉政府参考人

 お答え申し上げます。

 委員御指摘の各国における規制状況につきまして、主なものを御説明申し上げます。

 イギリスにつきましては、外国人による土地取得に関する規制はないと承知しております。

 フランスにつきましては、自国民、外国人を問わず、国防の用途を理由に、私人の土地所有権を制限することが可能になっていると承知しております。

 オーストラリアでは、防衛エリアや防衛航空エリアを指定することによって、自国民、外国人を問わず、これらのエリア内の立入り制限、動産等の撤去が可能になっていると承知しております。

 中国では、自国民、外国人ともに、土地取得は認められていないと承知しております。

 また、韓国につきましては、外国人による軍事基地、軍事施設保護区域等の土地取得については、所在地を管轄する市長等の許可が必要になる、そういうふうに承知してございます。

○井上(一)委員

 いろいろな委員会でも疑問で出されていますが、やはり相互主義です。

 日本人は中国の土地を買うことはできません。なぜかというと、中国は使用権しか認められていないからです。誰も買えません。使用権しかありません。中国の人は、中国では土地を買えないけれども、日本では土地が買える。これは相互主義の観点からしてもおかしいのではないか。これは当たり前の指摘です。

 それから、韓国でも、軍事施設周辺の土地は買えないわけです。けれども、日本に来たら買えます。これはおかしいのではないか。

 国民一般的にも、これは誰もおかしいと思います。こういうようなおかしいと思えることをきっちり規制できるような仕組みをつくっておかないと、政府の有識者会議の名前が国土利用の実態把握等に関する有識者会議で、まずは実態把握しようとしていて、大きな一歩ではありますが、正直なところ、国民の不安に応えるような仕組みにはならないと思います。

 ぜひ、先ほどの米国のFIRRMA、CFIUSのように、きっちり審査をして、国防上、安全保障上問題がある、影響があるといったものについては、土地の売買をできない、規制するという仕組みをぜひともつくっていただきたいと思います。

 だから、そのような法整備にしていただきたいということを強く希望しまして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

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